α遮断薬



【α遮断薬】


αブロッカー(α阻害薬)は、交感神経末端のα1受容体を選択的に遮断し、血管平滑筋を弛緩することにより血管拡張を生じさせ、 降圧作用を発揮する、高血圧症の方に投与される降圧剤です。
また、前立腺肥大症治療薬の一部も、このα遮断薬に分類されています。 尿道や膀胱平滑筋のα受容体に作用し、平滑筋を弛緩し、抗前立腺肥大効果を示します。

α2受容体も存在します。α2受容体はおおまかにα1の反対の作用(抑制的に働きます)です。 一般にα遮断薬と呼ばれる薬剤は、α1受容体に選択性が高く、選択的α1受容体遮断薬がほとんどです。

降圧薬としてのα遮断薬は、ALLHATという降圧剤の大規模臨床試験が報告されてから、使用頻度が激減してしまった薬剤です。
このALLHAT試験では、様々な種類の降圧剤の有効性が調べられています。
α遮断薬は、このALLHAT試験で、心不全の発症率が高いことが示され、途中で試験対象から外されてしまった降圧剤です。
私たち臨床医は、この試験結果から、α遮断薬の使用を控える様になりました。 しかし、他の降圧剤を使用していても、降圧効果が不十分な患者様においては、やむを得ず使用している場合もございます。 これは、血圧は心不全だけに関与するのではなく、他の臓器障害をも引き起こすからです。 心不全は避けられましたが、他の病気を発症してしまった..は、片手落ちです。

現在では、通常ファーストチョイスとしては用いられていない降圧薬であるα遮断薬ですが、全く使われていないわけではありません。
褐色細胞腫に合併する高血圧、早朝高血圧などで用いられることがあります。
具体的にはカルデナリン・デタントールなどです。

前立腺肥大症治療薬として、適応があるα遮断薬は、主にはハルナール、フリバス、ユリーフ等がございます。
α1受容体には、AとDというサブタイプがあり、各薬剤で、このサブタイプに作用する割合が異なります。 患者様の訴えに応じ、これらを使い分ける場合がございます。 前立腺にはα1A受容体、α1D受容体ともに存在し、膀胱はα1D受容体が中心と言われております。 夜間頻尿など膀胱刺激障害が強そうな場合、α1D遮断作用が強い薬剤を選択する事になります。

高血圧症と前立腺肥大症の両方に適応があるものもございます。エブランチル・ハイトラシン・ミニプレスなどがこれにあたります。
高血圧症に前立腺肥大症が合併している方が、良い適応になります。

ED治療薬との併用ですが、若干の注意をしていただければ、併用可能です。 具体的には、これらを併用した場合、やや血圧が低下しやすく、症状としては、起立性低血圧、いわゆる立ちくらみを、副作用として生じやすくなります。
立ちくらみに注意して頂ければ、バイアグラレビトラシアリス錠の服用は可能です。


written by 勃起の悩みは池袋スカイクリニック