脳梗塞



【脳梗塞】

脳梗塞は、何らかの原因によって、脳血管の閉塞によって生じる疾患です。 基本的には高齢者に多い疾患ですが、生活習慣病の増加から、 低年齢でも発症するケースが増加しております。
高齢化社会に伴って増加すると考えられている脳梗塞は、心源性脳塞栓症です。 それは、基礎疾患である心房細動が、年齢ととともに増加する可能性が高いからです。
脳卒中は、脳血管障害と言う意味で、梗塞、出血ともに含まれます。
本邦では、今後、2人に脳卒中が発症する時代に突入すると言われております。 脳卒中で亡くなられる方は、発症全体の10%程度とされておりますが、 肢体不自由、言語障害、認知機能障害など、後遺症が付いて回ります。 脳卒中は、寝たきりの原因第一位です。
後遺症の残らないよう治療する事が重要ですが、現代医療では限界が有り、 慢性期医療や福祉サービスの充実が求められます。

最近の脳梗塞治療の変化と言えば、急性期治療として、2005年から適応となったrt-PA血栓溶解療法の適応が、発症後3時間以内であったのが、 2012年8月31日より、発症後4.5時間以内と、その適応が拡大された事が挙げられます。
また、血管内治療も一部の施設で行われるようになりました。 血栓溶解薬を直接カテーテルを用いて閉塞部位に注入する局所線溶療法や、さらには、 2010年10月には、血栓除去デバイスが本邦でも認可されました。 (本邦では、rt-PA血栓溶解療法が奏功しなかった場合や禁忌で施行出来なかった場合に、発症8時間以内であれば適応とされます)

脳梗塞による慢性期の麻痺は、著しくQOL(生活の質)を低下させるもので、有効な薬物、リハビリテーション法が存在しませんでしたが、 慢性期治療として、反復性経頭蓋刺激療法なども、試みられるようになっております。

【分類】

発症機序から、血栓性,塞栓性,血行力学性に分類できます。 血栓性脳梗塞は、動脈硬化を認める血管に、何らかのきっかけで、血栓が付着し、血管を閉塞させることにより発症いたします。
脳塞栓症は心臓や大血管に形成された血栓や脂肪・腫瘍・空気などが栓子となって脳血管を閉塞することによって生じる脳梗塞です。
血行力学的機序による脳梗塞は,主幹動脈に閉塞あるいは狭窄が存在している際に,全身血圧の低下などが起こり,脳灌流圧が低下し,脳の虚血症状を呈する場合です。

脳梗塞の分類は、NINDSⅢ分類やTOAST分類が使用されます。
NINDSⅢ分類は、1990年にNINDS(Natinal Institute of Neurological Disorder and Stroke)から発表されたもので、 発症機序、臨床病型、血管支配領域によって分類されます。
これに対してTOAST分類は、Trial of Org10172 in Acute Stroke Treatmentの頭文字を取ったもので、 1993年に発表された、臨床に側した分類となっております。
脳梗塞は臨床的に,a.アテローム血栓性脳梗塞,b.心原性脳塞栓,c.ラクナ梗塞,d.そのほかに分類されています。
a.は動脈硬化性の病変(アテローム)が大きくなり,その部分に血栓を形成し動脈閉塞を来す場合, 動脈硬化性病変部分で形成された血栓やアテロームの一部が剥離し、 その動脈の末梢部分を閉塞する場合,血圧低下などを起こした際にその動脈硬化部分より遠位部の血流障害を来す場合があります。
b.は心疾患において心腔内に形成された血栓が脳動脈に達し,脳動脈の急性の閉塞を来すものです。
c.は脳深部の穿通枝動脈の閉塞によって生じるもので,一般に脳細小動脈硬化が原因と考えられています。

脳梗塞とED治療薬=勃起改善薬との関連として、基本的に脳梗塞発症6カ月以内の場合はバイアグラ錠レビトラ錠シアリス錠等の勃起改善薬を使用する事は出来ません。

また脳梗塞治療関連薬と勃起改善薬の併用に関しては、多くは併用可能です。
脳梗塞治療の中心は、抗血小板薬、抗凝固薬など、いわゆる血液サラサラにするお薬と、脳梗塞の基礎疾患(高血圧や糖尿病、脂質異常症)の治療薬です。
もちろん、ご自身で判断されるのでなく、経験豊富な専門医に御相談ください。


written by レトビラなら池袋スカイクリニック