アメリカから

先日(一か月以上前ですが)、お問い合わせを頂きました。
しかも、アメリカからの国際電話です。
勿論、電話でのご相談、質問も受け付けておりますので、構わないのは構わないのですが、通話料が馬鹿に出来ないと思いますので…
大丈夫でしたでしょうか?

内容ですが、ちょっと興味深いというか、一般に知られていない内容だったので、プライバシーの問題がない程度に、ご紹介いたします。
その内容は、いままで全く問題がなかったのが、突然、勃起力が低下したとのことです。
いろいろとお伺いしていると、歯科治療を行い、痛み止めを服用中とのことでした。
通常であれば、特に問題のないような薬剤の併用ですが、恐らくは、この”痛み止め”が原因と推測されます。
通常使用される痛み止めは、非ステロイド性消炎鎮痛薬と呼ばれるものですが、最近(と言うほどでは有りませんが)、トラマドールというオピオイドに分類される薬剤が、慢性疼痛症に対して、適応となっております。
さらに、この薬剤ですが、抜歯後の疼痛も適応となっております。
本邦でも適応が取られておりますが、そこまで必要がない事も多いため、歯科で処方される事は、ほとんどございません。
知らない先生も多い(笑)
このトラマドールですが、副作用EDになる事が指摘されています。
多分、これが原因。
お薬を中断するか、歯科治療が終了してもEDが継続するようであれば、もう一度、連絡下さいと伝えましたが、連絡ないので、改善したのかな?

最近、薬剤性のED患者様が増加しています。
うつ病や統合失調症を患っている患者様は、多くの向精神病薬を服用されている場合が多いのですが、これらの向精神病薬は、薬剤性EDの代表的なものです。
多くの患者さんは、そのことを知らずに悩まれていた様子です。
当院での説明で、心のモヤモヤが少しでも晴れればと思います。
てんかん患者様が服用している抗てんかん薬も、EDを誘発します。
様々な薬剤がEDを引き起こすことが指摘されておりますが、このことについて無頓着の医師が殆どです。
性機能障害は、多くの患者様のQOL(生活の質)を損ねます。
ED自体が、まだまだ浸透していないからかもしれませんが、少しの配慮が、多くの患者様の悩みを軽減する事が出来るのですが。

ED薬を処方して、はい終了的なクリニックが多いのですが、やはり、原因を考えるのが基本です。
原因を分析して、改善できる要素が有るのか無いのか、改善できるのであれば、それを指導するのが、私たちの務めの一つです。

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