「NAION:Non-Arteritic Ischemic Optic Neuropathy 」は、「非動脈炎性前部虚血性視神経症」のことです。
虚血性視神経症とは、何らかの原因で、視神経を栄養する栄養血管の血流障害により、視機能障害を起こす視神経疾患の総称で、その原因により、非動脈炎性前部虚血性視神経症(NAION)と動脈炎性前部虚血性視神経症(AION)に分類されます。
NAIONの発症の多くは中高年者です。症状は片眼もしくは両眼の視力低下、水平半盲、弓状暗点などの視野障害などの視野障害です。
NAION は高血圧、糖尿病、高脂血症などから生じた動脈硬化を原因とする血流障害が病因と考えられています。
これらは、EDのリスクファクター、原因と多く一致しております。つまり、EDも動脈硬化による血流障害で生じる可能性があるからです。
(ちなみに、AIONですが、こちらは、巨細胞性動脈炎(側頭動脈炎)などの血管炎による血流障害が病因と考えられています。)
ED治療薬の副作用として、NAIONのが取り上げられたことがありました。 以下に、米国食品医薬品局(FDA)のステートメントの要約を記載します。
2005年7月、米国食品医薬品局(FDA)にて、PDE5阻害剤(バイアグラ、レビトラ、シアリスなどED治療薬は、ここに属します)の添付文書の改訂がなされました。 FDAは、NAIONが、PDE5阻害剤(ED治療薬)に起因するものか、前述の通り、高血圧や糖尿病等によって生じた血流障害に起因するものか、あるいはこれらの要因の組み合わせによるものか、 現時点では不明としながらも、PDE5阻害剤(ED治療薬)服用者に対し、突発的な視力低下又は視力喪失を認めた場合は、服用を中止し、直ちに医師等に相談するように注意を促しております。
NAIONは、日本におけるED治療薬の臨床治験では、発症は認められておりません。また、池袋スカイクリニックでは、多くの方にED治療薬を処方させていただいておりますが、当院でもNAION発症を経験しておりません。
written by バイヤグラは池袋スカイクリニック