陰茎海綿体神経は、骨盤神経叢由来の自律神経で陰茎に分布します。
交感神経および副交感神経の節後線維で構成されており、勃起時の陰茎の血流を調節する役割を持ちます。
勃起は、性的興奮を引き金に、陰茎海綿体神経の副交感神経末端から放出されるアセチルコリン、並びに、
血管作動性腸管ペプチド(VIP)の作用により海綿体の血管平滑筋が弛緩し、
動脈血の海綿体への流入を促進させて、勃起を発生させます。
一方、勃起の消退は、交感神経から放出されるニューロペプチドYとノルアドレナリンの作用により海綿体の血管平滑筋が収縮し、
動脈血の海綿体への流入が低下することにより起こります。
もし、この陰茎海綿体神経が、何らかの原因で、損傷されると、
陰茎海綿体繊維症
や勃起不全を生じます。
何らかの原因によって損傷されると、陰茎海綿体平滑筋のアポトーシスが誘発され、
結果として海綿体線維症を発症するとされています。
前立腺や直腸などの骨盤腔内手術や、外傷などが、主な損傷理由です。
本神経は性機能温存手術にて重要な組織の一つになります。
最近では、術後のQOL(生活の質)を高めるために、この陰茎海綿体神経を温存するような術式が考えられているが、 神経の走行に個人差、バリエーションが認められるため、術後の勃起機能維持が、思うように得られていません。
written by 勃起不全は池袋スカイクリニック