血液透析患者におけるED治療薬服用に対する考察



ED治療を希望する血液透析患者に関する報告

 第21回日本性機能学会東部総会での報告です。
東邦大学泌尿器科学講座、小林秀行先生等の報告です。
多少の解説を加えながらご紹介いたします。

血液透析患者は、年々増加傾向にあります。
その原因の最たるものは、糖尿病性腎症ですが、糖尿病が国民病として問題とされていますが、それによる血液透析患者の増加も、また、大切な問題です。
透析患者において、高率に勃起不全を合併することが知られています。
私たちスカイクリニックにも、血液透析中の患者様が、勃起不全治療を希望され、大勢来院して頂いております。
ここでは、血液透析患者における勃起不全治療について発表されています。

東邦大学医療センター大森病院リプロダクションセンターを1999年3月から2010年12月に受診した4526例の中で、 勃起障害等を主訴に受診した血液透析患者についての検討です。

勃起不全等を主訴に受診した血液透析患者は、17例。17例の中で、透析導入となった基礎疾患は、糖尿病性腎症が9例、糖尿病以外の腎症は8例。
透析期間は、平均8.3年。
17例の内訳は、勃起不全が15例、射精障害および挙児希望が1例、陰茎硬化症が1例、患者平均年齢は、48.75歳。

勃起不全15例で、勃起不全治療として10例がバイアグラの投与、1例がシアリス錠の投与、1例がテストステロン筋注、 2例がブロモクリプチンの投与、1例が経過観察であった。
バイアグラを投与した10例において、勃起のやや改善が1例、陰茎が多少太くなったものが3例、無効が3例、投与後受診してないものが3例。
副作用は、バイアグラの投与で、ほてりが2例、眠気が1例。
その後、勃起不全に対する追加治療を希望した2例の患者に対して陰茎プロステーシスの挿入を行っている。

勃起不全等を主訴に、東邦大学医療センター大森病院リプロダクションセンターを受診する血液透析患者は非常に少なく、 年齢は平均50歳以下と、比較的、若年者であった。
バイアグラは重篤な副作用がなく、安全に使用できることが分かった。
また、バイアグラ等の内服薬以外での、勃起不全治療を以外の治療を希望する患者は少ないことが分かった。

大学病院と言うバイアスがかかってしまっているので、この報告通りではないでしょう。
大学病院では、プライバシーも確保できないでしょうし、実際に、スカイクリニックには、より大勢の透析中の患者様がいらっしゃっています。
この報告で、参考にすべきは、透析患者さんにおける勃起不全治療薬の安全性です。
症例数が少ないのですが、バイアグラは、透析患者さんでも、有効であり副作用も許容できるものであったとする報告が見受けられます。
さらに、この報告では、シアリスの処方も行っています。
シアリスについては、添付文書上、処方は難しそうですが。
透析患者さんにおけるシアリスの有効性・安全性が確認できるといいですね。


勃起不全は池袋スカイクリニック