ED治療薬と陰茎海綿体自己注射を併用した2例のケースレポート



ED治療のために陰茎海綿体自己注射とPDE5阻害薬の併用を行った2例

 第21回日本性機能学会東部総会での報告です。
東邦大学泌尿器科学講座、神戸茂樹先生等の報告です。
多少の解説を加えながらご紹介いたします。

現在、ED治療の第1選択としてバイアグラなどのED薬の使用が中心的である。
多くの場合は、ED薬にて改善いたしますが、一部の方では、ED薬を最大用量を服用して頂いてもED改善傾向が得られなく、 陰茎海綿体自己注射(ICI)を行う方もいらっしゃるのも事実です。 ICIにてED改善が得られるも、時間経過と伴に徐々に勃起持続時間が短くなる場合も、認められます。 ED薬と陰茎海綿体自己注射(ICI)の併用により、EDの改善が得られた報告も散見されます。 ここでも、ED薬と陰茎海綿体自己注射(ICI)併用治療を行っている2例につき報告されています。

71才男性。ED、逆行性射精を主訴に来院。
既往歴:糖尿病・陰茎硬化症。
陰茎海綿体自己注射(ICI)を開始し、これにより90分程の勃起持続時間を得ていましたが、徐々に勃起持続時間が低下。 勃起持続時間が1時間程になり満足度が低下したため、ED薬併用開始となる。 現在、陰茎海綿体自己注射(ICI)単独では30分、ED薬併用にて60分の勃起持続時間が得られている。

43才男性。ED、射精障害を主訴に来院。 既往歴:糖尿病、慢性腎不全にて透析中。 ED薬の内服にてED改善効果が得られないため、陰茎海綿体自己注射(ICI)の単独治療が開始となる。 以後、勃起は180分程持続可能だったが、徐々に勃起持続時間が低下。勃起持続時間が30分程となったところで、ED薬の併用を開始となる。 現在、陰茎海綿体自己注射(ICI)単独では30分、ED薬併用にて45分の勃起持続時間を得ている。

ED薬はcGMP、陰茎海綿体自己注射(ICI)で用いられるプロスタグランジンE1はcAMPを介し、勃起を生じさせるため、作用機序が異なります。 ED薬と陰茎海綿体自己注射(ICI)の併用療法は、この作用機序の違いを利用した、ED改善療法と言えます。 プロステーシス挿入術を施行する前に、ED薬と陰茎海綿体自己注射(ICI)の併用治療を試みる価値があるかもしれません。


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