糖尿病男性は高率にEDを合併する



糖尿病のED合併率に関する報告

 第21回日本性機能学会東部総会での報告です。
済生会松山病院内科、池田健太郎先生等の報告です。
多少の解説を加えながらご紹介いたします。

いまや、糖尿病は国民病とも言われるほど、一般的な病気となっております。
一般人の4人に1人は、何らかの耐糖能異常を有していると報告されています。
国策としても、糖尿病は重要で、医療費を抑制する必要があるのはもちろんですが、国民の健康を維持し、 社会生活を過ごす事の出来るようにすることが、国の責務でもあります。
糖尿病は、動脈硬化を引き起こし、心筋梗塞や脳梗塞の基礎疾患になる病気です。
EDもまた、糖尿病により引き起こされることが知られています。 ある調査報告では、EDの有病率は90%以上と報告されています。 本邦における糖尿病患者様のED有病率の報告があったのでが、ご紹介します。

某県内の糖尿病患者300余名の男性を対象とし、年齢、身長、体重、20歳時の体重、過去の最大体重、擢病期間、 インスリンの使用の有無等について調べられました。
EDの診断は、IIEF5(IntemationallndexofErectileFunction5)スコアを用い、IIEF5スコアが21点以下のものをEDと診断している。 重症度別に年齢、確病期間、BMI、インスリン使用の有無、ヘモグロビンA1cについて検討されています。

平均年齢は60歳程度、BMI(BodyMasslndex)は24程度とやや肥満傾向、羅病期間は長く平均およそ(±約10年)、インスリンの使用率はおよそ3割。 インスリン使用率が、一般開業医と比較してやや高率です。 基幹病院に通院されている患者さんでは、それだけ糖尿病が重症なのかもしれません。
EDの指標としてIIEF5を記入したものは90%弱。EDと診断された者は、その95%におよび、重症度別では軽症14.2%、軽症から中等度17.5%、 中等度15.2%、重症48.6%とのことです。
ED重症例では高齢となる傾向があり、軽症例と比較して有意に確病期間も長期間に及ぶことが多くなります。当然と言えば当然ですが。
BMIですが、重症例が中等度例と比較して低値。
重症例の危険因子の検討では年齢が有意な因子であった。

今回のEDの有病率の報告では、ED有病率95%で、重症例はその半数を占めています。
重症例のリスクファクターとして糖尿病権病期間やBMI低下があったが、年齢がもっとも高いリスクファクターだったそうです。

糖尿病患者さまにおけるED有病率は、非常に高率であることが示されました。
糖尿病の罹病期間が影響を与えるのは、妥当でしょう。
BMI低下、つまり痩せてきた患者様では、EDの危険が高まるということは、一般の方には理解できないかもしれません。 糖尿病と言うと、体重がオーバーしており、医者からは”痩せて下さい”と指示されるイメージでしょう。 しかし、糖尿病は、重症例になるほど、体重が減少することがございます。医療従事者からみると、至極当然な結果です。 考えさせられるのは、ED有病率の高さです。
糖尿病も問題ですが、少子化問題も重要です。糖尿病人口の増加は、ED人口の増加につながり、少子化を招く可能性があります。
また、諸説ございますが、糖尿病患者様では妊娠し難いとも言われております。
やはり、糖尿病は、国をあげて取りくまなければならない病気と言えます。


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