シアリスと比較したリピトール(アトルバスタチン)のED改善効果



脂質異常症治療薬であるリピトール(アトルバスタチン)はEDを改善する-シアリスとの比較-

脂質異常症の治療薬であるリピトール(atorvastatin)に、ED改善効果が期待できるとの報告です。
脂質異常症で治療されている方も、非常に多くいらっしゃいます。
その中心的薬剤であるリピトール(アトルバスタチン)が、どうやらED改善をきたす可能性がありそうです。
International urology and nephrology. 2012 Jan 18;に記載された研究報告です。

男性にとってEDは、重要な関心事項ですが、脂質異常症も大切な疾患です。 脂質異常症は、動脈硬化を生じ、心筋梗塞などの動脈硬化性疾患を生じるだけでなく、 やはり、動脈硬化から、血管性EDを生じえます。
この報告では、タダラフィルシアリス)の服用と比較して、リピトール(アトルバスタチン)が、 どの程度、ED改善効果を示すかというものです。

120人の中等度~重症ED患者様を対象とし、無作為に、毎日リピトール10mgを服用する群、 タダラフィル(シアリス)20mgを週3回服用する群、なにも服用しない群の3群に振り分け、調査されています。
対象となる男性の平均年齢は56歳。
各群間で、研究開始時および、3カ月後に、テストステロン値(男性ホルモン)、血清コレステロール値、 IIEFスコア、NPTテスト(夜間陰茎腫脹テスト)が調べられ、比較されております。
当然ですが、研究前の各パラメーターの差異はございません。

結果ですが、当然と言えば当然ですが、勃起機能の一番の指標になるIIEFスコアは、タダラフィル(シアリス)服用群で、最も改善を認めています。
注目は、リピトール(アトルバスタチン)服用群ですが、なにも服用していない群に対して、IIEFスコアが有意に改善しています。
NPTテストにおいても、同様の傾向がしめされています。

タダラフィル(シアリス)服用群は、リピトール群や、何も服用しない群に対して、明らかに、勃起機能が改善されています。
リピトール服用群ですが、タダラフィル(シアリス)服用群には及びませんが、何も服用しない群より、やはり、勃起機能は改善されています。 この傾向は、血清コレステロール値が、高い方に強く表れているとのことです。

なぜ、リピトール(アトルバスタチン)が、EDを改善したのでしょうか?
最近では、リピトール(アトルバスタチン)などのstrong statinと呼ばれる脂質異常症治療薬の、血管内皮機能の改善作用が指摘されています。 恐らくは、これが、関係しているのでしょう。
それとも、他になにか機序があるのでしょうか?
また、strong statinと呼ばれる薬剤は、クレストール(ロタバスタチン)、 リバロ(ピタバスタチン)などもございます。 リピトールだけの特別な作用なのでしょうか?
興味は尽きません...

脂質異常症が、動脈硬化より血管性EDを来たすことを考えると、治療しないわけにもいかないと思いますが、その治療薬の選択の一助になる報告です。
脂質異常症が改善し、EDも改善するなら、治療しない手はないですね。


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