前述されていますが、一般人口において、性行為中の突然死の頻度は、非常に珍しいものであります。
不整脈の既往のある患者における、性行為が誘発する不整脈の頻度を示すデータは限られています。
心血管疾患を患っている患者の(ICD留置術(植え込み型除細動器)を含む)、性行為sex中の心室性不整脈のリスクは、身体運動や運動負荷テストにくらべ、増加するようには見受けられていません。
それゆえに、スポーツレジャーなどに安全に参加可能な患者は、性行為sexも可能と考えられています。
これらには、心房細動や心房粗動、コントロールされた心室性不整脈が含まれます。
心室結節性リエントリー性頻脈や心室リエントリー性頻脈、コントロールされた心房性不整脈や、ペースメーカー留置術後の患者、
一時予防のためにICD(植え込み型除細動器)の留置術を受け、不整脈に対して複数回の電気ショックを受けたことない患者、ICD(植え込み型除細動器)を二次予防のために留置され、
性行為sexと同等レベルの運動により、心室性頻拍や心室細動が誘発されない、ICD(植え込み型除細動器)による電気ショックを頻回に受けていない患者も含まれます。
頻回にICDによる電気ショックを受けている患者は、性行為sexを行う前に、不整脈が安定コントロールされているか、不整脈の原因疾患がコントロールされているか、慎重に判断する必要があります。
過去に頻回に電気ショックを受けた既往自体は、患者が現在の性行為sexを行うことに対しての禁忌事項ではありません。
先に示したように、、ICD(植え込み型除細動器)留置術自体が性行為sexに対する禁忌事項ではなく、ICD(植え込み型除細動器)留置患者の多くは、性行為sexを継続して行うことができます。
ICD(植え込み型除細動器)患者において、性行為に対するパートナーの過剰な対応と電気ショックの恐怖は、重大な関心事項となります。
そのため、ICD(植え込み型除細動器)留置術後には、性行為sexを控えることが、しばしば見受けられます。
性行為中にICD(植え込み型除細動器)から放電が生じた場合、性行為sexのパートナーは、それが自身の除細動になるとは、信じていません。
負荷試験は、患者自身やパートナー、配偶者に、性行為は不整脈を引き起こしたり、増悪させたりしそうにないという、再保証を与えます。
診療指針は、ヘルスケアに従事する者に、ICD(植え込み型除細動器)患者とそのパートナーのカウンセリングをするにあたり有益となり、
”Cardiology Patient Page”には、患者とそのパートナーのために関心事項が記載されている(現在閉鎖中)
池袋スカイクリニックからの補足
ペースメーカーは、基本的には、除脈性不整脈、つまりは、心拍数が低下する不整脈に対して行う治療です。
例を挙げるとすると、洞不全症候群や完全房室ブロック、除脈性心房細動等です。
ペースメーカーにより最低限の脈拍を確保する事を目的としております。
ペースメーカーを留置されている患者様によっては、運動時(セックスも含む)は、ご自身の心拍で、運動に見合った心拍数まで増加する方もいらっしゃいますし、
完全に心拍をペースメーカーに依存してしまっている場合もございます。
後者の場合は、多少問題が生じます。
現在のペースメーカーは、残念ながら、設定された心拍数が固定されています。運動運動量に見合った心拍の増加が得られません。
運動時に、体中への酸素供給が不足するため、息切れ等が生じる場合がございます。
この可能性があるからといって、性行為sexを諦める必要はございません。
きちんとご自身の病状を、ペースメーカーというものを理解して欲しいのです。
もし性行為sex中に息切れ等認める場合は、休憩を取ったり、男性の場合は女性を上位にするなどし、ご自身の運動量を低減する工夫をして下さい。
これに対して、ICD植え込み型除細動器は、頻脈性不整脈に対して留置されます。
ICD植え込み型除細動器の適応となる不整脈は、多くが致死性の不整脈です。心室頻拍や心室細動等です。
一次予防というのは、この不整脈の既往がないが、今後可能性が高いとして予防する事です。
二次予防というのは、この不整脈の既往があり、再発を予防するという事です。
似ていますが、私たち医療従事者からすると、大きな違いがあります。
先にもAHAのガイドラインにも記載されていますが、”安定”していることが重要です。
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