池袋スカイクリニック » フィナステリド・デュタステリド・ミノキシジル|AGA治療 » ミノキシジルの副作用などの諸問題
池袋スカイクリニック
池袋スカイクリニックでは、ミノキシジル内服薬の取り扱いはございません。その理由は、長期の安全性が見込めないからです。副作用の懸念から、世界中のどこの国も、AGA治療薬として内服薬は認可しておりません。承認されているのはミノキシジル外用薬のみです。
もし、上記リストが当てはまる場合は、処方を受けた医療機関に、ご確認ください。説明受け、皆様の理解を得た上での処方に関しては、何も言うことがありません。しかし、説明を聞いていないのなら、話は別になります。
AGA治療だけではありませんが、医療行為にはインフォームドコンセントが必要です。医療法第1条の4第2項では、『医師、歯科医師、薬剤師、看護師その他の医療の担い手は、医療を提供するに当たり、適切な説明を行い、医療を受ける者の理解を得るよう努めなければならない』
とも記載されています。詳細な説明無く”ミノキシジルの内服”を薦めら得た場合は、即決するのでは無く、立ち止まって、良く考えた上で決定してください。
このような潜在的なリスクに対応するため、ミノキシジルの内服をどうしても行わないといけない場合は、心拍数をコントロールする薬剤(β受容体遮断薬など)と、むくみを取る利尿薬を併用することが必要とされています。
ミノキシジルの内服は、循環器系に負担を強いる薬剤です。いずれの副作用も、将来の心臓疾患につながる可能性があります。仮に、1〜2年で副作用が生じなくとも、長期に使用することで、大きな問題に変化する可能性があります。
ミノキシジルの一般的な短期的な副作用で、最も頻度の高いものは、体毛の増加です。その他には、低血圧、頻脈、心のう液貯留、四肢浮腫、心室性期外収縮、心電図変化(頻脈、T波の変化)などが指摘されています。
日本皮膚科学会AGA治療ガイドラインでは、”推奨度D(行うべきではない)”となっています。
参照:
Minoxidil: a review of its pharmacological properties and therapeutic use
Drugs.1981 Oct;22(4):257-78.
ミノキシジル1mgを内服すると、心拍数が、約5%上昇するとする報告があります。しばしば、頻脈発作は無かったとする研究報告がありますが、自覚できるような頻脈発作は、当然、生じてはならない副作用です。ここで問題にしているのは、”平均した心拍数の増加”です。
内科医や循環器専門医は、心拍数の増加を来す薬剤を嫌います。その理由は、『心拍数の増加=心臓の疲弊につながる』からです。心不全診療において、心拍数のコントロールは、最重要課題です。心臓をゆっくり動かし、エネルギー消費を抑えることが予後改善につながります。同様に、高血圧治療においても、脈拍を増加させる降圧薬は、長期予後を悪化させる懸念から、使用が避けられています。ミノキシジルの内服薬が、これに当たります。
一般的に、1日あたり10万回の心拍数があるとされます。5%で5,000回です。365日で1,825,000回、5年で9,125,000回になります。この心拍数の増加が、将来の心疾患の可能性を高めるほか、生命予後を短縮させる可能性があります。
ネットクリニックや、美容外科、インターネット通販で、AGA治療薬として処方または市販されているミノキシジル内服薬、俗に言う”ミノタブ”は、全て、海外および日本国内でAGA治療薬として認可されているものではありません。ミノキシジル内服薬は、本邦未承認ですので、厚生労働省が認可したものは、存在しません。ほぼ全てが、海外製の、しかもコストを優先したジェネリック医薬品となります。
『そもそも、全世界で承認されていないAGA治療薬としてのミノキシジル内服薬を、何処の誰が製造するのでしょうか?』
日本は、規制が緩いため、インドや中国で製造された偽造医薬品であっても、合法的に輸入することができます。正規品に見せかけた模造品・偽造品である場合もあります。医師であっても区別することが出来無い場合もあります。輸入ブローカーを信じるしか無いのですが、どうにも信用できないケースも多々あります。それを分かっていて海外製医薬品を処方する医療機関もあります。逆に、まとまった量の正規医薬品を輸入するには、厚生労働省の製造承認など認可が必要なため、難しいかもしれません。
海外製医薬品の見分け方は、多くの場合、比較的簡単です。
医師個人が自分の所属する医療機関で処方するために個人輸入したミノキシジルは、もし、薬害が生じた場合であっても、医薬品副作用被害救済制度が適応されません。
処方にあたり、問診票や処方承諾書の片隅に、”注意書き”があるかもしれません。このような場合は、処方にあたり、内容を理解したことになり、処方を受けた医療機関に責任を問うことができません。
きちんと説明を受け、インフォームドコンセント(説明と同意)が得られているならばまだしも、海外製医薬品は非正規品であること、医薬品副作用被害救済制度が適応されないことを、説明されていないケースも多数見受けます。
全世界でAGA治療薬として認可されていないミノキシジル内服薬になるため、どのような製薬会社が製造しているか、不安を覚える方もいると思います。実際に、このような経緯で製造された薬剤は、品質の問題を抱えることが多く、表記通りの成分量が含まれていないために、発毛効果がなかったり、不純物などのために薬害が生じるリスクが高くなります。
安心安全のために、正規の医薬品でAGA治療を行なって下さい。
日本で正規に流通する薬剤は、厚生労働省の承認を得るため、日本語で薬の説明書きがあります。
一眼見て、何の薬かわかるように、薬剤名を日本語で記載する必要があります。これが無いと認可されません。
コストをかけて、わざわざパッケージを作る必要はありません。ブランド化する意味合いもあるでしょうが、製造元を隠すためとも受け取れます。
全世界で未承認です。認可されているのはミノキシジル『外用薬』になります。
ミノキシジルは、もともとは降圧薬でしたがは、長期予後を悪化させる(余命を短縮させる)ため、最近では、ほぼ使用されていません。
AGA治療に使用する用量と降圧薬として使用する用量が異なるため、安全であると主張するには、長期使用ので安全性のデータが存在しません。現状、AGA治療薬に転用するには、慎重にならざるおえません。
ミノキシジル『外用薬』は、アメリカ食品医薬品局FDAが初めて男性型脱毛症治療薬として認可した薬剤です。
血管内皮成長因子vascular endothelial growth factor (VEGF) やプロスタグランディンを増加させることが知られており、これが、ヘアサイクルにおいて成長期を延長し、休止期を短縮させます。これによって、増毛効果が得られます。
世界的には、ミノキシジル2%製剤または5%製剤が認可されており、1mlを1日2回塗布します。用量依存性の効果が確認されており、2%製剤と比較し、より高用量である5%製剤の方が効果高くなっています。しかし、5%製剤の方が刺激が強いため、痒みなどの皮膚局所症状が強く出現する可能性があります。
10%や15%など、より高濃度のミノキシジル外用薬は、未承認薬です。品質的な保証がありません。
ミノキシジルは、高血圧の治療薬として1970年代に開発された、古いタイプの降圧剤です。ミノキシジルは、血管平滑筋のカリウムチャンネルに作用し、血管拡張させることで、降圧作用を示します。高血圧治療薬として一部の国々で承認されていますが、古典的な薬剤で、現在、ほぼ使用されていません。
使用されない理由は、長期使用に伴う危険性があるからです。長期に使用する事で、心臓肥大や、心拍数や心拍出量の増加から来る心臓の疲弊を招き、心臓疾患を誘発する可能性があります。将来、重大な健康被害を招く可能性があります。そのため、本来の適応である高血圧においても、ほとんど使用されていません。
つまり、安易にAGA治療に転用すべき薬剤ではありません。
ミノキシジルは、本来は降圧薬ですが、現代では、ほぼ使うことのない古典的な降圧薬です。
別項で述べたような、ミノキシジル特有の副作用もありますが、基本的に、急速に血圧を変化させる薬は使用しません。その理由は、血圧の変化が、脳血管疾患や心臓血管疾患を誘発するからです。血圧は緩徐に変化させないと危険です。ミノキシジルの内服薬は、血圧を変動させるため、危険が伴います。
例えばですが、かつては、高血圧緊急症に頻用されたニフェジピンの舌下投与ですが、脳卒中のリスクを数倍に高めるとし、現代では、逆に禁忌となっています。
別項でも何度も説明していますが、ミノキシジルの内服薬は、男性型脱毛症AGA治療薬として、全世界で承認されていません。
降圧薬として承認されてますが、ほぼ、使用されていません。ミノキシジルの内服には、重大な健康被害が生じるため、他のタイプの降圧薬の最大用量に十分に反応しない耐性高血圧症の患者にのみ、使用されています。
降圧薬と脱毛症治療薬とで使用する用量が異なるため安全であるという主張もありますが、長期に使用した場合のデータはありません。多くの研究報告は、最長でも3年程度の観察期間です。男性型脱毛症は、必要があれば10年以上治療を継続します。10年以上使用した場合における安全性を示すデータはありません。
AGA治療として使用される用量のミノキシジルが、心拍数を増加させるとする報告もあります。
そのため、現時点では、安易に手を出して良い薬剤ではありません。
参照:Low dose oral minoxidil and the conundrum of cardiovascular complications
Dermatol Online J. 2023 Aug 15;29(4).
ミノキシジルは、AGA治療のターゲットであるジヒドロテストステロンに影響する薬剤では無いため、単独での発毛効果は限界があります。ミノキシジルの単独治療では、およそ3割の方が無効だったとする報告があります報告があります。外用薬も内服薬も同様です。
外用薬と内服薬で効果を比較した場合、内服薬の方が発毛効果が高い傾向にあります。直接比較した報告では、ミノキシジル5%外用薬は、ミノキシジル1mgの内服治療と同程度の発毛効果としています。
副作用については、ミノキシジル外用薬は世界各国で承認されるくらいですので、大きな副作用はなく、安心して使用できます。塗布されたミノキシジルの99%以上は、頭皮内に止まり、全身に循環することはありません(全身の副作用は無い)。主な副作用は、全員に生じるわけではありませんが、局所の”過敏症”が挙げられます。
ミノキシジルを内服した場合は、全身性の副作用が懸念されます。長期使用に伴う懸念事項として、心拍数の増加が挙げられます。将来の心疾患のリスクにつながる可能性があります。
AGA治療薬としての長期の使用実績がないため、はっきりお答えできません。
『低用量だから副作用の問題は無い』とするのは、やや無責任な印象があります。実際に、ミノキシジル1mgの服用で心拍数がおよそ5%増加するとする報告もあります。わずかな変化と思われるかもしれませんが、長期に内服した場合の影響は無視できません。 循環器領域では、心不全治療や高血圧診療では、心拍数の増加する薬剤は予後を悪化させるため御法度です。
AGA治療は長期に渡ります。その効果と副作用を正しく理解した上で治療して下さい。
ミノキシジル内服薬を処方している医療機関に直接ご質問ください。
池袋スカイクリニックとしては、長期の安全性が確認されるまでは、ミノキシジル内服薬を処方するつもりはありません。
日本の制度では、医師の申請があれば、それが、本物であろうが、偽物であろうが関係なく、輸入が可能です。
基本的には許可制ではなく、申請制とお考えください。”申請に対し単純に受け付けている”だけです。
厚生局が発行する「輸入確認証」をもって、”厚生労働省認可”とする広告もありますが、品質の保証ではありません。
その為、正規品なのか偽造品なのかは、公的に保証されていません。薬害が生じた場合も、医薬品副作用被害救済制度が適応されないばかりか、恐らくは、自己責任ということになり、処方した医療機関も保証してくれません。
海外製ミノキシジルの処方は違法ではありません。
医師には、治療における絶大な権限が与えられています。治療に必要と判断されれば、麻薬や偽薬(プラセボ)の使用も許されています。
ただし、治療にあたって、インフォームドコンセントは必要と考えます。
日本語では、”説明と同意”と訳されます。つまり、
など、説明義務があると考えます。
池袋スカイクリニックでは、皆様に、納得していただいた上で治療をしていただきたいと考えます。些細な疑問でも、ご質問があればお尋ねください。
開院時間
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日曜・祝日:10〜16時
注:祝日であっても、日程により、20時まで開院している場合があります。
(詳しくは”お知らせ”を確認して下さい)
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