女性と同棲する事は男性ホルモン値とEDに与える変化



加齢によるテストステロン値と勃起能の低下と女性との共棲の関係についての報告

 第21回日本性機能学会東部総会での報告です。
札幌医科大学泌尿器科、金谷正秀先生等の報告です。
多少の解説を加えながらご紹介いたします。

加齢男性におけるパートナーの存在が、総テストステロン値や勃起に与える影響するのでしょうか?
そこで今回、加齢雄ラットが若年雌ラットと共棲した際の総テストステロン値と勃起能について検討した。

加齢雄Splague-Dawley(SD)ラット(20~22カ月齢)を対象とし、全ラットに試験開始前に両側精管結紫術を行い、 加齢雄ラットをランダムに抽出し、9週齢の雌SDラットと共棲させた共棲群(、=5)、雄単独の単独群(、=5)に分けて検討しています。
精管結紫術後1週間で共棲群は雌と共棲させ、その1週間後に各群で総テストステロン値を測定。
更にその1カ月後、各群でT、及びコルチゾール、エストラジオールを測定しています。
骨盤神経の電気刺激による海綿体内圧測定を施行し、勃起能を評価した。
また、骨盤神経節、陰茎を摘取し、それぞれ、NOS免疫染色、アザン染色を施し、 骨盤神経節の、NOS陽性細胞数、陰茎海綿体平滑筋、コラーゲン比を測定した。

共棲1週間後の総テストステロン中央値は、共棲群L245ng/ml、単独群0.60,9/ml(p=0.011)と、共棲群で有意に高値を示しました。
一方、共棲1カ月後の総テストステロン中央値は、共棲群0.63,9/ml、単独群0.43,9/ml(p=0.917)で有意差を認めず。
コルチゾール、エストラジオールも有意差を認めなかった。
また、陰茎海綿体組織の平滑筋とコラーゲン面積比、骨盤神経節中の、NOS陽性細胞数、海綿体内圧/血圧比も有意差を認めなかった。

パートナーとの共棲により血中総テストステロン値は短期的には上昇するものの、組織学的に海綿体組織の回復は認めず、 生理学的にも勃起能回復は認めなかった、と結論されています。

ユニークな面白い、そして興味のある報告でしたので、取り上げてみました。
ここでは、ラットを対象にしていますが、人間男子にも当てはまるでしょうか?
人間の方が、より複雑です。女性の外見もそうでしょうが、お互いの気持ちも重要なファクターと思います。飽きてしまうってこともあるでしょうし。
個人的には、人間男性でも同様の傾向を示すと思います。
それが続くかどうかは、難しいですね。


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