ニトログリセリンとその類似薬|池袋スカイクリニック

ニトログリセリンとその類似薬

池袋スカイクリニック

ニトログリセリンとその類似薬

2026年2月13日

Table of Contents

ニトロ・ニトログリセリン

硝酸薬はED治療薬と併用禁忌である

ニトログリセリンは、狭心症の治療薬です。硝酸薬ともいわれます。

爆薬の成分としても知らておりますが、現在、医薬品として用いられるニトロ、ニトログリセリンは、添加物が加えてあったり、ニトロ基を有する類似の薬剤が中心であり、もちろん爆発する危険性はありません。

冠動脈を拡張することにより、血流を改善し、抗狭心症作用を発揮する。

ちなみに、ニトログリセリンを扱う工場の従業員が、自宅では狭心症発作が生じるが、工場で勤務中は、発作が生じない」のが発見の契機とも言われています。

ED治療薬との併用は、禁忌です。ニトログリセリン系薬剤を服用されている方、バイアグラ、レビトラ、シアリスとも残念ながら、服用できません。
各ED治療薬とニトログリセリン系薬剤を併用すると、過度な血圧低下が生じるためです。

アイトロール|一硝酸イソソルビド

「アイトロール」。(トーアエイヨー-アステラス)

狭心症の内服治療薬。一硝酸イソソルビドisosorbide mononitrateが成分。
硝酸イソソルビドの活性代謝産物。

硝酸剤、ニトログリセリン系薬剤に分類されます。

他の、硝酸剤と同様、冠動脈を拡張することにより、抗狭心症作用を発揮します。

残念ながら、他の硝酸剤、ニトログリセリン系薬剤と同様に、バイアグラ、レビトラ、シアリスとの併用は禁忌となっております。

アイトロールは、副作用の少ないお薬ですが、頭痛を認める事がございます。

これは、脳内の血管拡張作用によります。

ジェネリック医薬品も多く市販されております。

ニトロール・ニトロールR|硝酸イソソルビド

ニトロール、ニトロールRは、いわゆるニトログリセリンに属する薬剤で、狭心症の治療薬です。エーザイ社製。

成分は、ニトログリセリンではなく、硝酸イソソルビドisosorbide dinitrateです。「ニトロールR」は、徐放製剤です。

その他、スプレー製剤、注射製剤など様々な剤形がございます。

やはり、バイアグラ、レビトラ、シアリスとの併用は禁忌とされています。

同薬剤のジェネリックは、多数発売されております。

シグマート|ニコランジル

「シグマート」。(中外製薬)

急性冠症候群や、狭心症の治療に使用される薬。内服薬、注射薬ともにあり、急性期から慢性期まで幅広く使用可能です。

その成分は、nicorandilで、いわゆる硝酸薬、ニトログリセリン系薬剤に分類されます。冠動脈を拡張することにより、作用いたします。

一般的な硝酸剤やニトログリセリン系薬剤と異なるのは、カリウムチャンネル開口作用を有す事です。(専門的になるので割愛致します)

硝酸剤、ニトログリセリン系薬剤と同様に、バイアグラ、レビトラ、シアリスとの併用は禁忌となっております。

ジェネリック医薬品として、多くの製剤が発売されております。
ニコランジル「製薬会社名」と記載されます。

硝酸薬の使い分けについて

これら薬剤の使い分けですが、厳密にはございません。

いずれの薬剤も硝酸薬に分類され、一酸化窒素NOを供給する薬剤です。一酸化窒素NOは、可溶性グアニル酸シクラーゼを活性化させ、cGMPを増加、冠動脈を拡張させます。

体内での代謝過程(活性化経路)や速さ、臓器特異性には違いがあります。

ニトログリセリンは、肝臓での初回通過効果が強い(代謝される)ため、経口投与での効果が弱くなります。

逆に、イソソルビドは、肝臓での代謝産物が活性作用を有すため、持続時間が長くなります。

また、強いて挙げるとすると、シグマートは、カリウムチャンネル開口作用を有すため、これを期待して、使用するドクターがいます。

また、シグマートは、他の薬剤と比較し、降圧作用が少ない印象です。

そのため、血圧が低い冠動脈疾患患者にも、比較して投与し易い薬剤です。

最も降圧作用が強い薬剤は、ニトログリセリンで、ニトロールは、ニトログリセリンとシグマートの中間のイメージです。

ニトログリセリン、ニトロール、シグマートには、注射剤が有るため、例えばですが、急性心筋梗塞患者が訪れた場合、これらを、血圧が高めの方にはニトログリセリン、低めの方にはシグマート、中間の場合はニトロールといったように、
血圧など、全身状態に応じて使い分ける場合がございます。

因みにですが、一般外来に急性心筋梗塞患者が来た場合、このときは、もちろん、集中治療室のある病院に転送する事になるのですが、注射剤を準備する時間が無い場合もございます。その場合は、ニトログリセリンテープを2枚、前胸部に貼ります。

これにより、おおよそ0.2γのニトログリセリンを注射しているのと同様の効果が得られるとされます。

硝酸剤の耐性の問題

硝酸剤は、しばしば、その耐性が問題にされます。

そのため、同一患者でこれら薬剤をローテーションして使用する医師もいます。(あまり意味がないとの意見もあります)

最近では、急性期の使用に止めることが多くなっております

効果が既に期待できないにも関わらず、漫然と長期間使用している場合もあります。

いずれの硝酸薬もED治療薬との併用はできませんが、このような理由から、漫然と使用している場合は、中止をご提案させていただくこともございます。(ご自身で判断せず、主治医と相談して下さい)

【ED】に関する最近の記事

夜間勤務や交代勤務に睡眠障害が加わった場合、EDの有病率が上昇する可能性がある
夜間勤務者はEDが多い?

夜間勤務者とED(勃起不全)のリスクを検証した研究があります。夜勤や交替勤務を行う男性は、日勤の男性に比べて勃起機能が低下していることが示されています。勤務形態によって生じた睡眠不足や生活リズムの乱れが、勃起機能に影響を与えそうです。また、ここでは、テストステロン補充療法の効果についても考察されています。詳しい内容を知りたい方は、ぜひ続きをお読みください。

Read More »
治療法の有効性は、プラセボ効果を排除した二重盲検試験でなされるべきである
プラセボ(偽薬)効果と二重盲検試験

プラセボ効果とは、薬の有効成分ではなく、治療への期待感や安心感によって症状が改善する現象です。特にED治療においては、心理状態が大きな影響を与えることがあります。二重盲検試験では、実薬とプラセボの効果を客観的に比較し、ED治療薬がプラセボを上回る効果を示すことが確認されています。しかし、低強度体外衝撃波療法では、プラセボ効果の影響を排除することが難しく、科学的根拠が不十分な場合もあります。詳しくは本文をご覧ください。

Read More »
バルデナフィルには、適応症はないものの、前立腺肥大症による下部尿路症状を改善する効果がある
バルデナフィルの下部尿路症状LUTSに対する効果

バルデナフィルの前立腺に対する効果についての研究結果をご紹介します。タダラフィルのネット広告などでは、前立腺肥大症に伴う下部尿路症状の改善効果が宣伝されている場合もございますが、それはタダラフィル固有の作用ではなく、バルデナフィルも同様の効果があることが示されています。共に、前立腺肥大症そのものを改善・予防するものではなく、それによって生じる症状を改善させます。ED治療薬は、やはり勃起改善効果を第一に考えましょう。タダラフィルとの比較も含め、詳細をぜひご覧ください。

Read More »
prp注射は多血小板血漿を用いたED治療ですが、未だ研究段階で実臨床に応用するには時期尚早です。
PRP注射:ED治療における多血小板血漿の効果

PRPとは多血小板血漿の略であり、その注射は、自己血由来の成長因子を利用して陰茎の血管や組織の修復を促すEDの治療法です。しかし、現在のところ、PRP注射は研究段階にあり、標準的なED治療法としては推奨されていません。軽症〜中等症の血管性EDに有効である可能性はありますが、臨床試験は小規模なものしか無く、治療方法も統一されていないため、慎重な判断が求められます。ED治療におけるPRP注射の可能性と限界について、詳しく見ていきましょう。

Read More »
抗精神病薬の副作用として体重増加が知られているが、その治療・予防にマンジャロが有効である
マンジャロは抗精神病薬誘発性体重増加を改善

抗精神病薬による体重増加は、精神的な健康に深刻な影響を及ぼす可能性があります。最近の研究では、GLP-1受容体作動薬であるマンジャロやオゼンピックが、抗精神病薬誘発性の体重増加を改善する効果が示されています。66,574人を対象にした後ろ向きコホート研究では、体重減少の幅が薬剤のリスクによって異なることが明らかになりました。精神と肥満の悩みを抱える患者にとって、これらの新しい治療法がどのように役立つのか、詳しく見ていきましょう。

Read More »
ボトックス注射によるED治療は、研究段階の治療法であり、一般診療として行うことは推奨されていない
ボトックス注射によるED治療について

ボトックス注射をED治療に応用しようとする試みがあります。シルデナフィルなどのPDE5阻害剤が一般的な治療法として広まる中、ボトックス注射は、ED治療薬の無効例に対して新たな選択肢として研究されています。しかし、現時点では標準治療ではなく、効果や安全性についてはまだ十分な科学的根拠がありません。この記事では、ボトックス注射のメカニズムや臨床研究の結果、ガイドラインでの位置づけについて詳しく解説します。興味のある方は、ぜひ続きをご覧ください。

Read More »