血管原性勃起不全に対するアスピリンの有効性|池袋スカイクリニック

血管原性勃起不全に対するアスピリンの有効性

池袋スカイクリニック

血管原性勃起不全に対するアスピリンの有効性

2026年2月13日

Table of Contents

血管原性勃起不全に対するアスピリンの有効性:無作為化比較試験のメタ分析

動脈硬化よる血管内皮機能の低下と血流減少はEDを引き起こす

EDの器質的な原因を考える場合

  • 血管
  • 神経
  • ホルモン
  • その他

を考慮する必要があります。

ここでは、血管原性EDに対して、抗血小板薬であるアスピリンの有効性を示す論文をご紹介します。

生活習慣病例の増加に伴い、動脈硬化から、血管原性EDを生じる例が増加中です。

簡単に言うと、高血圧や脂質異常症、糖尿病、最近ではメタボリック症候群によって、動脈硬化、つまり血管の老化現象が惹起されます。

喫煙も同様です。

動脈硬派は血管内皮細胞の障害です。明らかな、血管の狭窄や閉塞が無くとも、内皮細胞の機能が低下している場合も含まれます。明らかな異常が認められなくとも、EDの原因なります。

狭心症や心筋梗塞、脳梗塞などは、血管が閉塞する疾患です。その予防に対して、血流を改善させる目的で、しばしば、アスピリンを代表とする抗血症板薬が使用されます。いわゆる血液をサラサラにする薬です。

同様の理由から、動脈硬化を原因とするEDに対して、アスピリンが有効ではないかという着想からの研究報告は多数存在します。

勃起には、陰茎海綿体の血流を増加させる必要があります。それには、一酸化窒素NOの働きを強める必要があります。それが、バイアグラなどのED治療薬の作用にあたりますが、アスピリンは、抗血小板作用だけで無く、血管内皮細胞の一酸化窒素の合成を刺激し、血管拡張作用をもたらします。

そのレビューになります。

ここでは二つのランダム化比較試験が、比較的質の高い研究報告として扱われ、内容が検討されています。

血管原性ED例(18〜76歳)に対しアスピリンを100mg/日、躁うつ病で炭酸リチウムで治療中であり、炭酸リチウムの血管内皮障害によるEDが疑われる例(20〜45歳)に対し240mg/日を使用しています(214例)。

EDの評価は、IIEFスコアで行われています。

この報告では、アスピリン使用群は、IIEFスコアの優位な改善(21.3〜22.8)を認めており、プラセボ(偽薬)群では改善を認めていないため(15,8〜16.3)、血管原性EDに対するアスピリンが、非常に有効であることを示唆しています。

参照:

Efficacy of Aspirin for Vasculogenic Erectile Dysfunction in Men: A Meta-Analysis of Randomized Control Trials

Am J Mens Health. 2020 Oct 28;14(5)

doi: 10.1177/1557988320969082

【ED】に関する最近の記事

抗精神病薬の副作用として体重増加が知られているが、その治療・予防にマンジャロが有効である
マンジャロは抗精神病薬誘発性体重増加を改善

抗精神病薬による体重増加は、精神的な健康に深刻な影響を及ぼす可能性があります。最近の研究では、GLP-1受容体作動薬であるマンジャロやオゼンピックが、抗精神病薬誘発性の体重増加を改善する効果が示されています。66,574人を対象にした後ろ向きコホート研究では、体重減少の幅が薬剤のリスクによって異なることが明らかになりました。精神と肥満の悩みを抱える患者にとって、これらの新しい治療法がどのように役立つのか、詳しく見ていきましょう。

Read More »
ボトックス注射によるED治療は、研究段階の治療法であり、一般診療として行うことは推奨されていない
ボトックス注射によるED治療について

ボトックス注射をED治療に応用しようとする試みがあります。シルデナフィルなどのPDE5阻害剤が一般的な治療法として広まる中、ボトックス注射は、ED治療薬の無効例に対して新たな選択肢として研究されています。しかし、現時点では標準治療ではなく、効果や安全性についてはまだ十分な科学的根拠がありません。この記事では、ボトックス注射のメカニズムや臨床研究の結果、ガイドラインでの位置づけについて詳しく解説します。興味のある方は、ぜひ続きをご覧ください。

Read More »
レノーヴァRENOVAなどの体外衝撃波療法はED治療に有用なのでしょうか?
ED治療における体外衝撃波療法の立ち位置

最近、体外衝撃波療法によるED治療が話題を集めていますが、その実際の効果はどうなのでしょうか?患者満足度は高いとする報告もありますが、勃起機能の改善幅は小さく、結果に乖離が認められる場合もあります。さらに、アメリカでは未承認であり、治療法としての位置づけも各国で異なります。そのため、池袋スカイクリニックでは、体外衝撃波療法には慎重な立場をとっています。ED治療薬が効かない方のための特効薬ではないことを理解する必要があります。詳しくは、本文をご覧ください。

Read More »
慢性副鼻腔炎を有す男性は、EDのリスクが1.5倍あります
慢性副鼻腔炎とEDの関係

慢性副鼻腔炎とED(勃起不全)の関係についての研究が進んでいます。慢性副鼻腔炎を抱える患者は、EDのリスクが1.51倍高いことが示されています。これらの疾患は一見無関係に思えますが、慢性炎症が全身に影響を及ぼし、EDの原因となる可能性があるのです。鼻づまりによる低酸素状態や生活の質の低下も、性欲に影響を与える要因として考えられています。興味のある方は、ぜひ詳細を読み進めてみてください。

Read More »
亜鉛サプリメントの摂取がEDや精力増強につながるとする科学的根拠(エビデンス)は限定的
亜鉛はED勃起機能を改善する?

亜鉛は男性機能や勃起力の改善に効果が期待されていますが、一方で、実際の医学的根拠は乏しいとされています。亜鉛欠乏のある男性には改善の可能性があるものの、十分な亜鉛を摂取している人に対しては効果が証明されていません。さらに、亜鉛サプリメントがEDや性欲の向上に寄与するかどうかは、まだ明確な結論が出ていません。亜鉛の役割やその効果について、詳しく知りたい方はぜひ続きをご覧ください。

Read More »
ED治療薬は因果関係は不明であるものの、心血管イベントと死亡リスクを低下させる
ED治療薬は心臓病と死亡リスクを低下させる

ED治療薬が心臓病や死亡リスクを低下させるという研究報告があります。約125万人のデータを解析したメタ解析では、ED治療薬の使用群は、因果関係不明ながらも、重大な心血管イベントのリスクが22%、全死亡リスクが30%も減少することが示されています。ここでは、ED治療薬(PDE5阻害剤)が、心臓に負担をかける危険な薬剤などといった、風評被害とも言えるイメージを払拭する一助になると思い解説しています。ぜひ続きをご覧ください。

Read More »