前立腺がん治療とEDの発症リスクの予想



Prediction of Erectile Function Following Treatment for Prostate Cancer

前立腺がん治療後のED発症のリスクは予見できるか

 論文は2011年10月The Journal of Amercan medical associationに掲載されたものです。

前立腺がん治療後は、性機能の減弱を来たす事が多く、生活の質を低下させる。しかし、前立腺がんの治療前に、個別に勃起不全を予見する指標がありません。
個別に、治療法別にこれを予見する方法はないだろうか、という論文です。

2003~2006年にかけて行われた、大学病院等の多施設臨床研究の結果を解析し、前立腺がんの治療2年後の勃起障害の予測モデルを作成(ここではHRQOLスコアと呼んでいます)、検証したのに加え それを他の機関であるCancer of the Prostate Strategic Urologic Research Endeavor (CaPSUREと略されます。日本語に当てはまるワードがないため、そののまま記載致します。 アメリカにおける、前立腺がんの発症、治療動向などの大規模な臨床調査報告です) にて、1995~2007年にかけて検証しています。 最終的には1027人のデータをもとに勃起障害予測モデルを作成し、1913人の患者で、このモデルの妥当性が調べられています。

前立腺がん治療2年後の勃起不全は、治療前の勃起障害予測スコア、年齢、PSA値、人種、BMI、選択した治療法に関連する事が確かめられました。 これらから、勃起不全の発症率を10%から70%の範囲で推測できるとの事です。

この勃起不全予測モデルですが、77~90%の正確との事です(前立腺摘出術では77%、放射線外部照射で87%、小線源放射線療法 (小型密封放射線源を体内の疾患部位に埋め込み、そこから患部に放射線を長期間照射することによって治療する体内照射療法)で90%の正確性が認められています。)

とりあえず、abstractです。後日、詳細をお届けいたします。

JAMA. 2011;306(11):1258-1259. doi:10.1001/jama.2011.1363


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