冬虫夏草のED改善効果についての報告



ラットを用いた冬虫夏草の勃起改善効果の検討

 第21回日本性機能学会東部総会での報告です。
東北薬大・機能形態、米漂章彦先生等の報告です。
多少の解説を加えながらご紹介いたします。

冬虫夏草は、バッカクキン科に分類される菌類が昆虫の幼虫に寄生して形成された子実体と寄主である幼虫の死体の複合物である。 古くから滋養強壮を目的に使用されてきたが、免疫力の強化、抗ストレス効果なども報告されている。 また、性機能に関しては勃起機能の低下を改善すると言われているが詳細は明らかではない。 今回は、対象が人間ではなく、若齢ならびに老齢ラットを用いて冬虫夏草の勃起不全に対する影響を検討しています。

10週齢(若齢)と100週齢(老齢)のwistarSTラットを用いた。勃起機能は、l)自発的勃起の発現(投与150分後まで測定)および、 2)apomorphine(0.1mg/k9,s.c、)誘発性勃起(投与後30分間測定)を指標に評価した。 冬虫夏草は、菌床栽培のものを子実体と菌糸体に分けて実験に供した。

若齢ラットの自発的勃起に及ぼす影響です。
子実体(100-1000mg/kg)の経口投与は、自発的勃起の発現を増加し、500mg/kg投与群では、全例のラットに勃起が発現した。
一方、菌糸体(10-1000mg/kg)の経口投与は、自発的勃起の発現は増加傾向を示したが、対照群との間に差は認められなかった。

老齢ラットの勃起機能低下に対する影響です。
老齢ラットの勃起機能低下を指標に子実体の効果を検討した。
その結果、対照群と子実体群の0週目(投与前値)におけるapomorphine誘発性勃起は極めて低値を示し、 老齢ラットの勃起機能は著しく低下していた。子実体(100mg/kg)の経口投与を開始すると、 2週後より勃起が発現し、3週後には7匹中6匹に勃起を認めています。
一方、対照群ではapomorphine誘発性勃起は漸次減少し、3週後には全例で消失した。
子実体の効果を検証する目的で3週間休薬し、その後再投与を行った際の効果を検討した。
その結果、子実体の勃起改善効果は休薬によりほぼ完全に消失したが、再投与2週後より勃起機能は回復し始め、3週後には7匹中4匹のラットに勃起発現を認めた。
以上の結果より、冬虫夏草の子実体は勃起機能を促進し、特に老齢ラットの勃起機能低下に対して改善効果を示すことが示唆されました。

冬虫夏草というと、なにか神秘的な力を感じてしまうのは、私だけでしょうか?
今回の報告では、冬虫夏草の勃起不全を改善する効果が示されました。
勃起薬に頼りたくない方は、お試ししてみてもいいかもしれません。


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