乾癬は、モンゴロイドでは0.3%程度の有病率と言われる、比較的目にする事のある皮膚疾患です。
免疫細胞であるT細胞の異常によって生じるとされています。
乾癬は、皮膚症状にとどまらず、肉体的、精神的にも影響が及ぶとしています。
一般的な合併症は、乾癬による関節炎や心血管系疾患、メタボリック症候群、精神疾患などが挙げられます。
最近になって、乾癬に罹病している男女は、ともに性機能障害で有る事が多いことが示されました。
およそ6割の男性患者が、国際勃起機能評価スケールである
IIEF-5によって、
EDで有る事が疑われたとしています。
重度の皮膚乾癬と乾癬性関節炎患者は、性行為頻度そのものが減少しているともされています。
その原因は、皮膚炎により外観が傷付いてる事、動脈硬化の合併、精神面での影響が考えれらています。
一部のケースレポートを除き、乾癬とEDについての報告はございません。
乾癬とEDの有病率との相関も明らかになっておりません。
これを調べるために、台湾から、国民が登録されたデータベースを基にし、
10000人以上にも及ぶ男性乾癬患者を対象にした、報告がございました。
対象患者のうち1割強が関節炎を合併しており、3割程度が、メトトレキセートやレチノイド、
その他サシクロスポリン等の免疫抑制薬などの治療を受けています。
この報告によると、乾癬患者は、一般事項と比較し、糖尿病や高血圧、
脂質異常症など動脈硬化性疾患の有病率が高く、
同様に、冠動脈疾患や脳卒中の有病率も高率である事が示されています。
精神疾患の有病率も高率です。
これらすべてはEDのリスクファクターですので、これだけでもED患者数は高率である事が容易に想像できます。
実際に、乾癬患者においてはEDが殆どですが、それだけでなく、より広範に性機能障害を認めています。
様々な要因を補正しても、つまり、高血圧などのEDのリスクファクターを除外しても、
乾癬である事自体が独立した性機能障害の危険因子である事が示されています。
全身性の治療行為自体は、独立した危険因子とされていません。
乾癬だけでなく、神経皮膚炎や手の湿疹症、白斑症など、他の皮膚疾患でも、
性機能に影響を及ぼす事が指摘されています。
皮膚疾患によって外観が損なわれる事が精神的なストレスになって、
EDや性機能機能障害を引き起こしている事が指摘されます。
実際に、乾癬症患者は、自分自身の事を、年齢よりも老いて見え、皮膚落屑を伴う事が、
性的に魅力的でないと感じているとする報告も有ります。
皮膚症状が性器周辺に及ぶ場合、より顕著であるとしています。
乾癬やリウマチ性関節炎でのメトトレキセートの服用は、EDに関与するとする報告がございます。
エストロゲンやテストステロンのバランスが崩れる為ではないかと推測されています。
レチノイドの使用もEDに関与する可能性が指摘されています。
腎移植患者が使用する免疫抑制剤もまた、EDに関与するとも指摘されています。
しかし、この報告では、これらの治療との因果関係は否定され、逆に、EDの発症を抑制するとしています。
乾癬患者のEDは、様々な要因によって発症してると考えられます。
乾癬とEDの関係には、全身性の炎症が関与しているかもしれません。
全身性の炎症は、酸化ストレスやTNFαやロイコトリエンなど炎症性サイトカインを増加させ、
血管内皮細胞の障害を来たし、勃起機能に影響を与える可能性が考えられています。
バイアグラ等のED治療薬は、乾癬への影響は指摘されておりません。
乾癬治療薬に関しても、概ね併用は可能です。
判断には、ED治療に精通した医療機関の受診をお勧めします。
J Sex Med 2013;10:1212-1218
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