陰核(クリトリス)と陰茎(ペニス)|池袋スカイクリニック

陰核(クリトリス)と陰茎(ペニス)

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陰核(クリトリス)と陰茎(ペニス)

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陰核|クリトリスとは

陰核とは、女性性器を形成する突起物で、部分的に小陰唇前端で被われる陰門前方にある膨張体=海綿体を指します。クリトリスとも呼ばれます。

クリトリスは陰核亀頭(glans of clitoris)、クリトリス体(body of clitoris)、クリトリス脚(crus of clitoris)から構成され、クリトリス亀頭は露出した陰核先端部で、前面はクリトリス包皮(prepuce of clitoris)で被われています。

前庭球が合してできるクリトリス体は、クリトリス亀頭から続き左右一対の陰核海綿体よりなります。

クリトリス体基部は靭帯で恥骨結合前面に固定されています。

クリトリス脚は陰核海綿体が左右両側に分かれた部分の事であり、恥骨下部に付き坐骨海綿体筋に被覆される。

Krause小体は刺激の受容体

Krause小体は、陰茎やクリトリスなどの性器部位に存在する感覚器で、19世紀に発見されて以来その機能は不明でした。

最近では、Krause小体は単なる構造ではなく、性に関連した触覚振動刺激を高感度に検出する重要なセンサーであり、性行動の正常な発現に不可欠であると結論づけられています。

男性のペニス同様クリトリスも勃起する

 クリトリスは、知覚神経終末や血管に富んでおり、性的興奮により陰核海綿体が膨張・充血して硬くなり勃起状態になります。

陰核クリトリスは、発生学的に男性の陰茎(ペニス)に相当します。男性の陰茎背側部に相当します。

男性の陰茎と異なり、泌尿器の機能は併せ持ってなく、性感を得る神経が集中している部位であり、陰核クリトリスは純粋な性器の一部です。

性的な刺激で、陰核も陰茎と同様、充血し勃起致します。

男性で見受けられる、いわゆる朝立ち(夜間勃起現象)も、女性の陰核クリトリスでも認められます。

バイアグラでクリトリスが勃起する可能性

しばしば、

バイアグラ(シルデナフィル)は、女性にも効果がないのか?

とのお問い合わせをいただきます。

バイアグラの女性陰核クリトリスへの効果についての報告がございますが、陰茎が勃起するのと同様、女性陰核クリトリスも勃起する可能性はございますが、
あくまで、性的刺激が加わった場合に勃起を促すだけで、バイアグラ(シルデナフィル)を服用したからと言って、性欲が増加するものではございません

催淫作用は、ございません。

陰茎

陰茎は男性の排尿器官・交接器官であり、恥骨下面より突出する円柱状の器官です。

会陰の尿生殖三角に結合した根とそれに続く棒状の体部、先端の亀頭により構成されます。

亀頭の先端には外尿道口が開口する。

陰茎内部は、背側に左右2つの陰茎海綿体と腹側に1つの尿道海綿体と呼ばれる円柱状の勃起性組織があり、
血液を充満して膨らむ特性があります。

これらは強靭な結合組織性の白膜によって包まれている。

尿道海綿体は内部を尿道が通り、その前端部は著しく膨大して陰茎亀頭を形成する。

大量の血液が、陰茎海綿体内に存在する内皮細胞に被覆された特異的な血管腔である海綿体洞内に蓄えられる事により勃起状態を引き起こします。

海綿体

膠原線維、弾性線維網、平滑筋よりなる小柱と、その間の内皮細胞で被われた腔である海綿体洞よりなるスポンジ状の構造物。

陰茎や陰核の主体をなしており、陰茎には一対の陰茎海綿体と1個の尿道海綿体が、陰核には一対の陰核海綿体がある。

陰茎海綿体は、陰茎の背部のほぼ全体を占める一対の組織で、陰茎海綿体は陰茎脚を経て、坐骨枝内側縁につながっています。

一方、尿道海綿体は陰茎の腹側にある細長い棒状の組織で、尿道を覆うように陰茎を縦走し、先端部で傘状に拡大し、陰茎亀頭を形成します。

空虚な際には裂隙状にすぎない海綿体洞は、血液が充溢すると直径数mmにまで拡張し、全体が膨張するとともに硬化し、陰茎や陰核が勃起する。

勃起不全の原因精査目的で、陰茎海綿体に血管拡張薬(プロスタグランディン)を注射して、勃起機能、陰茎の血管の検査や、同じく自己注射では、勃起不全治療として行われます。

前庭球

前庭球は腟前庭の左右両側深部にある勃起性膨張体である。

男性の陰茎海綿体にあたる部位で、刺激によりやはり、勃起いたします。

前庭球はきわめて密な静脈叢を有します。長さ約3.0cm,幅約0.8cmで球海綿体筋に被われており、
形状としては扁平棍棒状を呈する。前端は陰核亀頭に連なる。

後方は腟前庭,尿道口,腟口により左右に分けられ、後端で大前庭腺に接する。

性的興奮で勃起し腫脹すると、前庭球後方の大前庭腺を圧迫して分泌物を腟前庭に排出する。

外陰

外陰とは、人間の外性器の総称にあたる言葉になり、いくつかの身体部位を内包します。外陰は男性と女性とで、その概念が、内包する身体部位が変化します。

男性では外陰とは陰嚢ならびに陰茎がそれに当たり、女性では外陰とは陰唇、陰核、恥丘などがそれに当たります。

外陰には男性と女性の間で発生学的に同起源の身体部位が多数あり、一例としては、亀頭と陰核、また陰嚢と大陰唇などは発生学的起源を同じくする身体部位になります。

陰嚢、大陰唇、恥丘には思春期以降になると陰毛が生えてきます。

なお女性における膣・卵巣などは内生殖器にあたり、外陰の概念には含まれません。

一方、男性の睾丸は卵巣同様のホルモン分泌臓器であり、生殖システムの最重要部分に所属しますが、睾丸として外陰に含まれます。

会陰

会陰perineumとは、男性であれば睾丸から肛門にかけての両側大腿の間の部分を示します。

一方、女性では膣から肛門にかけての両側大腿の間の部分を示します。

陰毛は少ない部分で、皮下の直近には骨は存在せず、強靭な筋膜が同部を保護しています。

男性では、会陰部が何らかの障害や疾病にさらされる事は多くありませんが、女性では出産時に会陰部における障害が出現する可能性が高いと言われています。

出産時の胎児の膣における通過などが原因となって、会陰部分が裂けてしまい、裂傷を生じてしまう事があります。

その場合、表層の裂傷であればごくシンプルな処置で加療可能ですが、会陰裂傷に便失禁などを伴うようなケースの場合は会陰形成術:perineoplastyが施行される場合があります。