夜間勃起と朝立ちとEDの関係|池袋スカイクリニック

夜間勃起と朝立ちとEDの関係

池袋スカイクリニック

夜間勃起と朝立ちとEDの関係

2026年2月13日

Table of Contents

夜間勃起現象とは

健康な男性はレム睡眠中に無意識に勃起している
夜間勃起現象は、心因性EDと器質性EDの鑑別に有用である

レム睡眠はご存知でしょうか?

人は、睡眠時に、レム睡眠とノンレム睡眠を繰り返しています。レム睡眠は、夢を見やすい睡眠と言われておりますが、このレム睡眠中に、陰茎が勃起すると言われております。

これが夜間勃起現象です。

夜間勃起は、ほとんどが睡眠中のレム期に同調して発生します。高齢になるとノンレム睡眠時に生じるとも言われております。

詳しい機序は不明な点が多い生理現象の一つです。

夜間勃起現象は正常な身体に生じる生理現象

夜間勃起現象は、 正常な身体に発生する生理現象の一つです。特に性的刺激を介在する事なく発生します。

みなさん、夜ふと目覚めたら、陰茎が怒張していたという経験はありませんか?この勃起がそれにあたり、エッチな夢を見ていた等関係なく、レム睡眠に一致して生じえます。

一晩あたりの回数は、青年期男性では、90分程度の周期で、1回数十分で1夜で3~6回くらい起こすとされています。

夢精|夜間遺精

このレム睡眠は、私たちが夢を見ている時間帯ともされております。
生理的勃起に性的な夢が、クロスオーバーすると夢精(=夜間遺精)が出現する事が有ります。

夜間勃起現象の意義

最近では、簡便に夜間勃起現象を測定できる方法・装置(リジスキャンなど)が開発され、EDの診断や分類が有用となっています。

糖尿病性神経障害や動脈硬化などの身体の器質的障害による器質的ED(器質的性交不能症)では、この現象は、消失または著しい障害が認められます。

それに対し、ストレス等の精神的な問題(心因性)の場合には、正常に夜間勃起現象は認められます。

本現象の有無が、EDの原因が器質性であるか心因性であるか、診断する上で、参考になります。

朝立ち・朝勃ち

朝立ちも、夜間勃起現象と同様のメカニズムと考えられています。

レム睡眠は、朝方に延長してゆくので、確率的にレム睡眠から起床する事が多くなります。この場合には勃起が認められ、朝立ちとなります。ノンレム睡眠から起床した場合、朝立ちは認められません。

つまり、毎朝、朝立ちがあるというわけではございませんので、朝立ちがなくても、心配する必要はありません。

ちなみに、男性のペニスにあたる部位、女性のクリトリスにも同現象や朝立ち・朝勃ちを認めます。性的な興奮は伴っておりません。

EDと朝立ち・朝勃ちの関係

この朝立ち・朝勃ちが、EDの診断に役立つ場合がございます。

陰茎海綿体や、その血管、支配神経が障害を受けると、朝立ち・朝勃ちがしなくなります。

つまり、朝立ち・朝勃ちがある場合は、器質性EDが除外できます。簡単には、お体の中に病気が存在し、それが原因でEDを生じている可能性が少なくなります。

この場合のEDは、心因性と考えられます。社会的ストレスなどです。また、単純に疲れていたり、寝不足が原因であったりもします。

すぐに心配する必要はない

注意しなければいけないことは、朝立ち・朝勃ちがないからと言って、すぐEDであると診断することはございません。

夜間レム睡眠中のみ勃起し、朝には、勃起が収まっていることも多くございます。朝立ち・朝勃ちがないからと言って、器質性EDの診断になるわけではなく、あわてる必要はございません。

夜間勃起現象が、朝まで遷延していないだけということもございます。

夜間陰茎腫脹テスト

夜間就寝中にレム睡眠期に一致して起こる夜間勃起を調べる検査の総称です。

夜間勃起が、朝立ちなどで自覚できない場合や、性的な視覚的刺激や聴覚的刺激に反応しない場合などで、心因性EDと器質性EDを鑑別するのに有用な検査法です。<

方法としては,就寝時の陰茎周囲長と硬度の変化を連続的に記録できるリジスキャンを用いるのが信頼性が高いとされており、これが一般に用いられます。リジスキャンを用いた場合、器質性EDの原因診断の一助になります。

この他に簡便なものとしては、郵便切手を陰茎に巻き付けておき起床時に切手間のミシン目が切れていれば勃起があったとするスタンプテスト、マジックテープに目盛りのついたテープを巻き付けておき、起床時に目盛りの変化を読むことにより陰茎周囲長の変化を確認するエレクチオメーター法、一定の張力で切れるテープによってつながれたバンドが、切れたか否かで勃起の有無とその強さを確認するスナップガーゼ法などがあります。

本検査は睡眠状態に影響されるため、3晩連続での測定が推奨されています。
また、交通外傷後の脊髄損傷によるEDなどの後遺症診断や、離婚訴訟におけるED診断(EDが離婚の原因となっている場合など)の際には必須の検査方法でもあります。

スタンプテスト

スタンプテストは、夜間陰茎勃起現象の簡易テストです。
【方法】

  • 睡眠時に、切手のシートを、陰茎に巻きつけお休み下さい。
  • 起床時に、この切手シートが切れていれば、勃起現象が生じていたことになります。

朝立ち・朝勃ちがなく、不安に思われている方は、簡単な検査なので、一度お試しください。

朝立ち・朝勃ちがある場合、または、スタンプテストで切手が切れていれば、器質性EDの可能性は低くなり、心因性EDの可能性が高まります。

心因性EDの場合は、器質性ED以上に、バイアグラなどのED治療薬が有効なケースが多くなります。

リジスキャン

リジスキャンは、EDの診断に用いられる検査法の一つで、夜間勃起現象の評価試験です。

リジスキャンは、陰茎周長と硬度の変化を連続的に記録する事が可能で、勃起の有無・回数だけでなく、勃起の程度や勃起の持続時間も計測可能な診断装置です。測定用に2つのループをもち、冠状溝ならびに陰茎基部のサイズの変化を測定する事が可能です。

夜間勃起の有無を検査するに当たり、最も信頼性が高いとされる検査方法になります。

性的な視覚的刺激・聴覚的刺激による勃起能検査にも用いることが可能です。

金子の分類|夜間勃起現象

正常の男性では8時間の睡眠中に10から15分継続する勃起状態が3~6回起こるとされており、
それらは陰茎基部で3cm、冠状溝部で2cm以上の周囲長の増加と70%以上の硬度の増加を伴うとされています。

リジスキャンの診断としては通常、金子の分類(1)が使用されます。

正常、硬度不均一、硬度腫脹不一致、(硬度持続)短時間、低硬度、平低の6型に分類されます。

頻度、硬度、周径変化、持続時間がすべて正常なものが正常型(normal)とします。

これら4項目のうち1つでも異常があれば器質性EDと診断されます。

原因疾患によって夜間勃起パターンに差がある

礎疾患に循環器系疾患が存在した場合、低硬度型、平低型35%と硬度・腫脹が低下した症例が多いとされます。これに対して、中枢神経系疾患群では短時間型が60%と最も多く、低硬度型47%、平低型7名であり、両者間にリジスキャンのパターンの違いを認めるとのことです。

糖尿病群では、インスリン非依存患者がさまざまなリジスキャンのパターンをとるのに対し、インスリン依存患者では低硬度型、平低型が多かったとされています。
夜間陰茎硬度腹脹連続測定法は、そのパターンの解析と他の検査結果との総合的な判定により、器質性勃起不全と心因性勃起不全の鑑別診断のみならず、
器質性EDの原因疾患の診断にも役立つことが期待されます。

(1)日本泌尿器科學會雜誌 81(12), 1889-1895, 1990-12-20

【ED】に関する最近の記事

慢性副鼻腔炎を有す男性は、EDのリスクが1.5倍あります
慢性副鼻腔炎とEDの関係

慢性副鼻腔炎とED(勃起不全)の関係についての研究が進んでいます。慢性副鼻腔炎を抱える患者は、EDのリスクが1.51倍高いことが示されています。これらの疾患は一見無関係に思えますが、慢性炎症が全身に影響を及ぼし、EDの原因となる可能性があるのです。鼻づまりによる低酸素状態や生活の質の低下も、性欲に影響を与える要因として考えられています。興味のある方は、ぜひ詳細を読み進めてみてください。

Read More »
亜鉛サプリメントの摂取がEDや精力増強につながるとする科学的根拠(エビデンス)は限定的
亜鉛はED勃起機能を改善する?

亜鉛は男性機能や勃起力の改善に効果が期待されていますが、一方で、実際の医学的根拠は乏しいとされています。亜鉛欠乏のある男性には改善の可能性があるものの、十分な亜鉛を摂取している人に対しては効果が証明されていません。さらに、亜鉛サプリメントがEDや性欲の向上に寄与するかどうかは、まだ明確な結論が出ていません。亜鉛の役割やその効果について、詳しく知りたい方はぜひ続きをご覧ください。

Read More »
ED治療薬は因果関係は不明であるものの、心血管イベントと死亡リスクを低下させる
ED治療薬は心臓病と死亡リスクを低下させる

ED治療薬が心臓病や死亡リスクを低下させるという研究報告があります。約125万人のデータを解析したメタ解析では、ED治療薬の使用群は、因果関係不明ながらも、重大な心血管イベントのリスクが22%、全死亡リスクが30%も減少することが示されています。ここでは、ED治療薬(PDE5阻害剤)が、心臓に負担をかける危険な薬剤などといった、風評被害とも言えるイメージを払拭する一助になると思い解説しています。ぜひ続きをご覧ください。

Read More »
肥満はEDの原因の一つであり、特に中等度以上のEDと関与している。BMIを確認しましょう。
肥満は中等度以上のEDと関与

肥満と勃起不全(ED)の関係についての研究は、多数報告されております。しかし、その多くが欧米人を対象としております。欧米人とアジア人では、肥満の程度と有病率が異なります。そのため、その結果を、アジア人に、そのまま当て嵌めてよいものか、疑問が生じます。ここでは、男性性機能外来を受診したアジア人(若年中国人)男性において、肥満とEDの関係を調査した研究報告をご紹介いたします。果たして、どのようなBMIが男性機能に影響を及ぼすのか?詳細をぜひご覧ください。

Read More »
タダラフィルは慢性炎症を改善し、アンチエイジング効果を発揮する可能性が有る
低用量タダラフィルは炎症マーカーを改善する

タダラフィルは、ED治療薬として知られるだけでなく、炎症マーカーを改善する可能性があることが注目されています。慢性炎症は老化を促進させる要因の一つであり、タダラフィルの服用がアンチエイジングに繋がるかもしれません。最近の研究では、タダラフィルが炎症マーカーを改善することが示され、シルデナフィルとの比較も行われました。この興味深い結果が、今後のアンチエイジング医療にどのような影響を与えるのか、ぜひご覧ください。

Read More »
シルデナフィルなどのED治療薬は大腸がん術後の死亡リスクと遠隔転移リスクを低下させる
大腸がん術後のED治療薬の使用は死亡と転移リスクを減少させる

大腸がん術後のED治療薬の使用が、死亡リスクや転移リスクを減少させる可能性があるという研究結果が報告されています。スウェーデンの全国データベースを基にした解析では、術後にED治療薬を使用した患者は、使用しなかった患者に比べて死亡リスクが18%低下し、転移リスクも15%減少したことが示されています。ED治療薬が術後の免疫力回復に寄与する可能性について言及されています。

Read More »