腹部肥満とEDと食生活|池袋スカイクリニック

腹部肥満とEDと食生活

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腹部肥満とEDと食生活

2026年5月2日

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中心性肥満は勃起不全の原因

全世界的に肥満例は増加傾向であり、公衆衛生上の重要な問題となっております。 肥満は、今や一つの疾患と捉えられています。 治療は、食事や運動となりますが、肥満は、外見上の変化はあるものの、自覚症状に乏しいため、ライフスタイルの改善に繋がりにくいとされます。

EDと肥満は合併することが知られています。

欧米人は、アジア人と比較して、肥満率が高いため、その研究データを日本人に当てはめることが難しい場合があります。 イタリア人は、比較的、肥満率が低いため、参考にできるかもしれません。

ここでは、イタリアにおける腹部肥満(いわゆるメタボ)とEDの傾向についての研究報告をご紹介いたします。

イタリア人と肥満

勝手な思い込みかもしれませんが、イタリア人は、体系的にスマートな印象があります。 実際には、2025年のOECD(経済協力開発機構)の報告によると、イタリア人の肥満率は、約12%程度とされています。欧州全体の平均が、約19%とされているのと比較すると低率です。 しかし、イタリアにおいても肥満率が上昇傾向にあるとされています。 BMIが25〜30の過体重の割合は、およそ35~40%とされています。

ちなみに、OECDの基準に則った場合の日本人男性の肥満率は、3〜4%とされています。 OECDの肥満の定義はBMI≧30であり、日本の肥満の定義はBMI≧25と、異なっていることを考慮する必要があります。 日本の基準に則った場合、日本人男性の肥満率は25〜30%程度と考えられています。

ウエスト周囲径(内蔵肥満)とEDの重症度が正の相関

8つのセンター(フィレンツェ(イタリア)、ルーヴェン(ベルギー)、ウッチ(ポーランド)、マルメ(スウェーデン)、マンチェスター(英国)、サンティアゴ・デ・コンポステーラ(スペイン)、セゲド(ハンガリー)、タルトゥ(エストニア))が参加した、欧州男性加齢研究では、フィレンツェ(イタリア)の集団が、最も肥満率の低い集団であったとされています。 フィレンツェの集団において、ウエスト周囲径とEDの重症度に相関を認めたとしています。 また、BMIとEDには有意な相関は無く、傾向のみだったとしています。

ここでお伝えしたいことは、肥満度の低い(といってもアジア人よりは高率ですが)集団において、EDの重症度は、ウエスト周囲径(内蔵肥満)に、より強く関係しているということです。


ちなみに、この研究全体としては、BMI<30かつウエスト周囲径<102cmの群と比較して、BMI≧30および/またはウエスト周囲径≧102cmの群は、EDになる可能性が2倍高いことが指摘されています。 その他の肥満の他の合併症と同様に、EDの発症予測ではウエスト周囲径がBMIよりも優れているとされます。

ウエスト周囲径(内蔵肥満)とテストステロン(男性ホルモン)は負の相関

内蔵肥満と男性ホルモンであるテストステロンの関係は、様々な研究で報告されています。

欧州男性加齢研究においても、同様です。 ウエスト周囲径の増加は、テストステロンの減少と関連していることが認められています。

他の報告では、テストステロンの低下自体が内蔵肥満(ウエスト周囲径)の増加の原因となることが指摘されており、テストステロンとウエスト周囲径は、双方向的な関係とも言えます。

この男性ホルモンの低下は、当然かもしれませんが、EDの原因に繋がる可能性があります。

ウエスト周囲径の1cmの増加はEDを3%増加させる

しかし、この報告では、ウエスト周囲径は、テストステロン値とは関係ない、EDの独立した危険因子であったことが示されています。 その他にも、喫煙習慣、Short Form 36 Health Surveyの身体的複合スコア、Beck Depression Inventory(BDI)の合計スコア、International Prostate Symptom Scoreなどの、勃起機能に影響を与えるであろう因子を補正した場合であっても、ウエスト周囲径は、独立した危険因子であったとしています。

つまりは、内蔵肥満(腹部肥満)そのものが、EDの危険因子であると、お考えください。

ちなみにですが、ウエスト周囲径が1cm増加すると、EDが3%増加するとしています。

地中海食事と日本食

体重コントロールには、食事と運動が大切です。

イタリア含む地中海沿岸では、伝統的に地中海食と呼ばれる食事形式が取られておりました。地中海食は、野菜・果物・魚・オリーブオイル・豆・全粒穀物を多く摂取し、豚肉や牛肉などの赤肉の摂取量が少ない食事形式です。

イタリア人の肥満率は、この食事内容によって、ヨーロッパ平均を下回っていたとも言えます。

対して、日本食はいかがでしょうか?

今、健康志向の高まりから、世界的に注目を集めています。

日本動脈硬化学会では、日本食The Japan Dietが推奨しています。

主食・主菜・副菜の料理をそろえることが基本となります。注意点は、日本食は、比較的、塩分摂取量が多くなる傾向があることです。塩分摂取とEDは、因果関係は少なそうですが、高血圧の原因となるため注意が必要です。

肥満はEDの原因となる以外にも、様々な疾患の原因となります。

本記事を参考にしていただき、日頃の食生活を見直していただけたら、幸いです。

Erectile dysfunction and central obesity: an Italian perspective

Asian J Androl. 2014 Mar 28;16(4):581–591.

doi: 10.4103/1008-682X.126386

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