オゼンピックの偽造医薬品についての注意喚起|池袋スカイクリニック

オゼンピックの偽造医薬品についての注意喚起

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オゼンピックの偽造医薬品についての注意喚起

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オゼンピックの偽造品に関してのアラート|WHO世界保健機関

世界保健機関(WHO)は、2024年6月に、偽造オゼンピック(セマグルチド)に対して医療製品アラートを発令しました。

このアラートは、2023年10月にブラジル、2023年10月に英国(グレートブリテンおよび北アイルランド)、および2023年12月に米国で見つかった3件の偽造オゼンピックに端を発しています。

WHOグローバル・サーベイランス・アンド・モニタリング・システム(GSMS)は、2022年以降、すべての地域で偽造されたオゼンピック(セマグルチド製品)に関する報告の増加を観察しているとしています。

このアラートは、いくつかの報告が確認された後、WHOによって発行された最初の公式通知になります。

オゼンピック(セマグルチド)だけでなく、同成分のリベルサス、同系統のマンジャロ(チルゼパチド)も同様とお考え下さい。

世界的に需要のある薬剤ほどターゲットになりやすい

男性のED治療薬もそうですが、世界的需要のある薬剤ほど、偽造医薬品としてターゲットにされます。

逆説的ですが、偽造医薬品が流通する薬剤は、世界的に需要がある薬剤とも言えます。

オゼンピックはじめ、GLP-1受容体作動薬は、比較的最近市販された、高価な糖尿病治療薬です。高価なため、いわゆる途上国での使用は少なく、WHOでも、高コストが故に、公衆衛生の観点から糖尿病治療薬としては推奨していません。

偽造医薬品の多くは、ネット上で売買されています。糖尿病治療薬として処方される場合は、医療機関で診察を受けた上での処方にになり、偽造品の可能性は、ほぼありません

世界的なオゼンピックの需要増加はダイエット用であり、偽造オゼンピックは、ダイエット目的に使用する需要に応じたものです。

体重のコントロールは全世界的な課題

オゼンピックは、2型糖尿病や肥満の治療に使用される医薬品で、GLP-1受容体作動薬に分類される薬剤です。

成分はセマグルチドで注射剤になります。同成分で内服薬のリベルサスも存在します。

GLP-1受容体作動薬は、食欲を抑制することで、自然と摂取カロリーを低下させ、それによって高血糖を改善、または体重減少を得ることができる、画期的な薬剤として注目されています。

GLP-1ダイエットに使用される薬剤と言ったほうが、馴染みがあるかもしれません。

海外セレブや、イーロン・マスク氏が使用し、ダイエットに成功したり、話題にもなりました。

全世界的に肥満例が増加し、それに伴い、美容上だけでなく、肥満に伴って生じる様々な疾患の増加が危惧されており、人々の体重をコントロールすることが喫緊の課題となっています。

偽造品に騙されないように自分自身で注意する必要がある

偽造医薬品やその有害な影響から身を守るために、ご自身も、偽造品が流通しているとの認識を持ち、注意を払う必要があります。

最近では、オンライン薬局やオンライン専門クリニックと称するサイトで、購入や処方を受けるケースが増加しています。

本邦では、オンライン薬局でオゼンピックやリベルサスを購入することはできません。

また、オンライン専門クリニックであった場合でも、実際に外来診療を行っていない(実店舗での開業していない)ケースや、何の専門性も持たない場合もあります。

ダイエット用に処方してもらう場合は、特に自由診療(保険外診療)であり、医薬品副作用被害救済制度が適応されません。診察を受けた上で、説明に『納得できない』、『違和感がある』など、不信感がある場合は、断る勇気も必要です。

参照:

WHO issues warning on falsified medicines used for diabetes treatment and weight loss

βブロッカー|ベータ遮断薬

βブロッカー(ベータ遮断薬)は、高血圧や心不全などの治療に欠かせないお薬ですが、その使用には注意が必要です。特に、喘息やCOPDの患者さんには禁忌とされることもあります。さらに、代謝異常や高齢者への影響も考慮しなければなりません。心機能を改善し、生命予後を向上させる一方で、薬剤性EDの原因ともなり得ます。医師との相談が重要です。

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アスピリンとED治療薬の併用は可能です。
アスピリン

アスピリンは、解熱鎮痛剤として広く知られていますが、最近では、それ以上に抗血小板剤として広く使用されます。心筋梗塞や脳梗塞の治療に用いられ、血液をサラサラにする効果が期待されています。器質性EDの一つである血管原性EDにも効果がある可能性が指摘されています。腸溶錠の「バイアスピリン」は、胃の負担を軽減しているため、利便性が向上しています。

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カルシウム拮抗薬は高血圧治療の中心的薬剤
カルシウム拮抗薬とは

カルシウム拮抗薬は、高血圧や狭心症の治療に欠かせない薬剤群です。ジヒドロピリジン系、フェニルアルキルアミン系、ベンゾチアゼピン系といった多様な種類があり、それぞれ異なる作用機序を持っています。EDへの影響は無いと考えられ、ED治療薬との併用も可能です。

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