心因性EDに対するシアリスの漸減療法|池袋スカイクリニック

心因性EDに対するシアリスの漸減療法

池袋スカイクリニック

心因性EDに対するシアリスの漸減療法

2025年8月26日

Table of Contents

現在は、何かとストレスが多い社会です。

最近では、若年者の心因性EDが増加していることが指摘されています。

しかし、心因性EDは、若年者だけの問題にとどまりません。

EDの原因は、器質性および心因性に大別されますが、クリアーカットに、どちらかに分けられるものではなく、多くのケースでは、お互いの要素を持ち合わせています。

ここでは、主たる原因が心因性であった場合の、シアリスの漸減療法の効果について、ご紹介します。

シアリスの漸減群と5mgの定期服用群の3ヶ月後の比較

心理的要因による勃起不全ED(psychogenic ED)に対して、シアリスの用量を段階的に減量する(de‑escalation)治療法が、3か月間の治療において、どのような影響を与えるかが評価されています。

性行為時にシアリスを頓服する群に対し、ここでは、シアリス5mgを毎日定期服用する群が対照とされています。

効果判定は、国際勃起機能スコアIIEF‑5、SEPアンケート(Sexual Encounter Profile)、PAIRS(Psychological and Interpersonal Relationship Scales、心理・対人関係尺度)、EHS(Erection Hardness Score)が用いられています。

シアリス漸減群の方が有意に勃起機能を改善

ベースラインと比較して、両群とも全ての評価指標で有意な改善が見られています。

しかし、改善の度合いは シアリス漸減群の方が5mg毎日定期服用群よりも、改善度合いが有意に大きかったとしています。

さらに、SEP‑3、PAIRS、EHSにおける改善も、シアリス漸減群の方が良好であったとしています。

EDの重症度も、シアリス漸減群では治療後により軽減しており、その改善も5mg群と比較して有意に優れていたとしています。

この研究報告の意味するところ

この研究では、単に、ED治療薬であるシアリスが、心因性EDに有効であることを示しているのではありません。

心因性EDの治療において大切なことは、まずは、セックスを成功させる(自信を回復させる)ことです。

興味深いのは、治療終了後の勃起機能が、漸減群の方が良好であったとする点です。

治療初期に十分量を服薬することが(それがやや高用量であっても)、セックスの成功に繋がり、自信回復に繋がることを示しています。

心因性EDといえどもED治療薬は非常に有効

しばしば、心因性EDに抗不安薬などを処方する例を見受けますが、これは、はじめに行う治療法としては悪手です。

心因性ED例は、器質性ED例と比較し、ED治療薬が有効なケースが多いです。

逆に、例えば動脈硬化の進行した器質性ED例のほうが、効果が得にくいです。

抗不安薬などは、性的な興奮も抑制するため、緊張などで性欲が抑制されている状態で使用すると、余計に性欲が高まりにくくなります。つまり、勃起が萎えます。

必要十分量を使用し成功体験を得る

様々な研究報告では、シアリス20mgを必要時のみ服用する方法と、5mgを毎日定期に服用する方法と比較した場合、両者のED改善効果は同程度と報告されています。

今回ご紹介した研究報告は、心因性EDに限定した報告であり、まず、しっかりと、必要量を使用することが、勃起機能の改善に、より有効としています。

池袋スカイクリニックでも、しばしば、不安感が強い方などには、治療開始時には、やや強めな用量をご提案させていただいています。

中途半端な用量で開始し、セックスを失敗してしまうと、自信を喪失してしまいます。

セックスが成功することが、自身に繋がり、次のセックスへの不安感の解消に繋がります。

Efficacy of Tadalafil De-Escalation in the Treatment of Psychogenic Erectile Dysfunction

Urol Int. 2017;98(2):205-209.

DOI: 10.1159/000444860

ED治療薬は初回に処方された薬剤と同一薬剤を継続する傾向が高い
ED治療薬の他剤への切り替え率と重複使用率

初回のED治療薬処方後、多くの患者が同じ薬剤を継続して使用する一方で、他のED治療薬への切り替え率は意外にも低いことが分かっています。特にシルデナフィルは、他の薬剤に比べて切り替え率が最も低く、効果と副作用のバランスが評価されています。タダラフィルの重複使用率が高い理由や、患者の背景についても考察されています。

Read More »
マンジャロやリベルサスなどGLP--1ダイエットで使用する薬剤による自殺念慮や抑うつ増悪との因果関係は否定的
自殺念慮について|GLP-1ダイエット

GLP-1受容体作動薬と、抑うつの増悪や自殺念慮や自殺企図との因果関係に関して、注目されたことがございました。これにより、欧州医薬品庁(EMA)およびアメリカ食品医薬品局(FDA)の調査が行われ、2024年に、その結果が報告されています。両機関は、現時点において因果関係を支持する証拠は発見されていないとの結論に至っています。関心のある方は、ぜひ引き続きお読みください。

Read More »
2.5mgや5mgの低用量タダラフィルを毎日服用した場合、その効果は頓服よりも効果がある?
低用量タダラフィルの毎日服用療法の長期ED改善効果

最近、低用量タダラフィルの連日服用がEDに効果があるのか?と言ったお問い合わせがあります。実際に、連日服用は必要時服用よりも優れているのでしょうか?タダラフィルの連日服用の有効性は、用量によって異なります。メリットとデマリットを理解し、あなたに最適な治療法を選択して下さい。

Read More »
オゼンピックによるGLP-1ダイエット中に円形脱毛症が発症としたとするケースレポート
ダイエットのためのオゼンピック治療後の円形脱毛症

オゼンピックによるダイエット治療中に、円形脱毛症が合併したとするケースレポートが報告されました。23歳の女性が、GLP-1ダイエット開始から3ヶ月後に円形脱毛症を発症しています。急速な体重減少が髪の健康に与える影響や、オゼンピックとの関連性についての考察がされています。

Read More »
日本人男性とCOVID-19後遺症としてのEDの経過

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の後遺症として、勃起不全(ED)の発症が注目されています。日本人男性を対象にした調査では、感染後の精神的な要因が大きく影響していること推察されています。EDの改善が見られない患者も多く、精神的ケアや生活の質の向上が重要とされています。

Read More »
EDは新機能の指標の一つである拡張不全と関連する
EDは左心室拡張期機能障害と関連している

勃起不全(ED)は、心臓の拡張機能障害との関連が指摘されています。心不全は通常、収縮力の低下を想像させますが、実際には収縮機能が保たれた拡張不全を病態とする心不全も存在します。ここでは、EDと拡張不全の関係が研究報告されています。

Read More »