マンジャロは既存薬と異なりGLP-1受容体とGIP受容体の両方に作用する

マンジャロ(チルゼパチド)は、最も新しいGLP-1受容体作動薬の1つで、その血糖降下作用から、糖尿病診療のガイドラインにおいても、上位に位置付けられ、推奨されています。
また、体重減少作用から、ダイエット用としても認可されています。やや適応に制限があるものの、本邦でもゼップバウンドとして認可されています。適応が異なるため、異なる名称で市販されていますが、成分はマンジャロと全く同じです。
マンジャロ含めGLP-1受容体作動薬は、比較的、新しいタイプの薬剤のため、長期に使用した場合の副作用は慎重に見ていく必要があります。また、マンジャロは、既存のGLP-受容体作動薬と異なり、グルコース依存性インスリン分泌刺激ポリペプチド(GIP)受容体を刺激する作用を持つことから、その効果や副作用が異なる可能性もあります。
実際に、ティルゼパチドは代謝や非アルコール性脂肪肝疾患の改善、および腎機能低下の抑制効果を指摘されています。
糖尿病患者のEDをいかに抑制するか
古くからEDの罹病率が、糖尿病患者においては、高いことが知られています。
糖尿病自体が、もともと自覚症状の乏しい疾患であるため、EDが唯一の症状であることも珍しくありません。また、EDはQOLを著しく損ねる可能性もあるため、EDの発症を抑制することは重要です。
そこで、糖尿病の治療薬は、EDに対して、どのような影響を及ぼすのか検討が必要です。
先に市販されているマンジャロ以外のGLP-1受容体作動薬において、多くの報告は、EDを改善する、もしくは、影響がないことが報告されていますが、なかには、セマグルチドの使用がEDの相対リスクを4.5倍に高めるといった報告もあります。
同じGLP-1受容体作動薬であっても、各薬剤で違いが生じることもあるため、丁寧な検証が必要です。
マンジャロの新規ED発症抑制効果
この報告では、シタグリプチン(ジャヌビア)、注射用セマグルチド(オゼンピック)、デュラグルチド(トルリシティ)と比較して、2型糖尿病の男性におけるティルゼパチド(
マンジャロ)と勃起不全(ED)を発症するリスクとの関連が評価されています。
この研究は、2022年5月13日から2025年5月17日までのTriNetXグローバルヘルスリサーチネットワークが使用され、2型糖尿病でED歴のない18〜70歳の男性患者が対象とし、マンジャロとジャヌビア、オゼンピック、またはトルリシティの3剤の比較が行われています。
エンドポイントは、EDの診断またはバイアグラなどのPDE-5阻害剤の処方となっています。
マンジャロ(ティルゼパチド)は、3剤全ての比較でEDのリスクを有意に低下させています。
ED診断またはPDE-5阻害剤使用の複合結果の相対リスク比(RR)は、対ジャヌビア(シタグリプチン)で0.70(95%CI:0.64,0.76)、対オゼンピック(注射用セマグルチド)で0.67(95%CI:0.62,0.72)、対トルリシティ(デュラグルチド)で0.55(95%CI:0.51,0.59)でした。
現時点では男性のGLP-1ダイエットにはマンジャロが最有力候補
この結果を信じるのであれば、男性のメタボ肥満患者には、マンジャロによるダイエットが有効に思えます。
他のGLP-1受容体作動薬も、EDにネガティブな影響は、殆ど無い〜無視できるほど軽微と考えますが、影響は少ないに越したことはありません。
例えば、非糖尿病の肥満例ではどうなのか?、対プラセボで、どの程度の効果があるか気になるところです。
注意すべきは、急激なダイエットは体力の低下につながり、EDの原因にも成り得るということです。
今後の研究報告に期待します。
Association of tirzepatide with erectile dysfunction in people with type 2 diabetes
J Diabetes Complications. 2025 Jun 30;39(10):109116.
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