日本人を対象としたコロナ感染後遺症の調査

新型コロナウイルス(COVID-19)の後遺症として、世界各国からEDの報告が相次ぎました。
EDは、短期的に回復するとするものから、長期に継続するとする報告もあります。
新型コロナウイルス感染症は、その経過と予後に人種差があるため、後遺症としてのEDが、アジア人(とりわけ日本人)において、どのような経過を辿るのか、知りたいところでした。
この報告は、日本で実施された、長期的かつ包括的な、新型コロナウイルス感染症罹患後の症状についての調査CORES II (COVID-19 Recovery Study II)の二次解析によるものです。
日本人の為のエビデンス(科学的根拠)とも言えます。
勃起不全(ED)の頻度と関連要因
日本におけるCOVID‑19で入院した患者(2021年3~9月初感染)を対象に、感染後1年〜2年にわたる勃起不全(ED)の頻度と関連要因が評価されています。
対象は609名の男性。年齢の中央値は56歳。
ちなみにですが、この調査では、調査開始時のEDの有無については、評価されていません。
609名のうち116名(19.0%)が感染後1年または2年でEDを経験
1年後の調査では、86人の回答者がEDの症状を報告し、2年後の調査では70人の回答者がEDの症状を報告しています。また、1年後および2年後の調査では、40人がEDだったとしています。
79人(68.1%)の被験者がCOVID-19感染から28日以内にEDを発症したと報告し、6人(4.3%)がCOVID-19感染後2〜5か月後にED症状を発症しています。
被験者30人(25.2%)が2年後の調査で、初めてED症状を報告しています。つまり、感染後1年以上経過してからEDを自覚しています。
およそ半数は2年後もEDが改善せず
ED患者116人のうち、25%にあたる29人が2年間の研究期間中にED症状の改善を示しています。
そのうちの約半数(15人)が1ヶ月以内にED症状の改善しています。
しかし、57人の患者(49.1%)は、感染後2年の時点でEDの明らかな改善が認められなかったとしています。
(残り30人は追跡できず)
関連要因と精神面の関連性
EDを認める例では、自己の回復実感が低く、息切れや疲労のスコアが高い傾向を認めています。
さらに、うつ傾向があり、痛み/不快感、および、不安/抑うつ、の項目も悪化していたとしています。
睡眠障害との関連性が示唆されていますが、感染の重症度、再感染、ワクチン接種回数、抗ウイルス治療との関連は観察されなかったとしています。
精神的・生活の質の影響が強い
この調査では、調査開始時のEDの有無については、評価されていません。
しかし、年代別のEDの有病率と比較すると、新型コロナウイルス感染後に、後遺症としてEDが発症することは明らかです。
一般的に考えられている、EDのリスク因子(年齢・喫煙・生活習慣病など)とは関連せず、むしろ精神的・生活の質の側面による影響が顕著であることが特徴的であるとしています。
こういったケースでは、精神的なケアや睡眠マネジメントが重要ではないかとしています。
Prevalence of erectile dysfunction as long-COVID symptom in hospitalized Japanese patients
Sci Rep. 2025 Feb 21;15(1):6279.





