日本人男性とCOVID-19後遺症としてのEDの経過|池袋スカイクリニック

日本人男性とCOVID-19後遺症としてのEDの経過

池袋スカイクリニック

日本人男性とCOVID-19後遺症としてのEDの経過

2025年11月4日

Table of Contents

日本人を対象としたコロナ感染後遺症の調査

新型コロナウイルス(COVID-19)の後遺症として、世界各国からEDの報告が相次ぎました。

EDは、短期的に回復するとするものから、長期に継続するとする報告もあります。

新型コロナウイルス感染症は、その経過と予後に人種差があるため、後遺症としてのEDが、アジア人(とりわけ日本人)において、どのような経過を辿るのか、知りたいところでした。

この報告は、日本で実施された、長期的かつ包括的な、新型コロナウイルス感染症罹患後の症状についての調査CORES II (COVID-19 Recovery Study II)の二次解析によるものです。

日本人の為のエビデンス(科学的根拠)とも言えます。

勃起不全(ED)の頻度と関連要因

日本におけるCOVID‑19で入院した患者(2021年3~9月初感染)を対象に、感染後1年〜2年にわたる勃起不全(ED)の頻度と関連要因が評価されています。

対象は609名の男性。年齢の中央値は56歳。

ちなみにですが、この調査では、調査開始時のEDの有無については、評価されていません。

609名のうち116名(19.0%)が感染後1年または2年でEDを経験

1年後の調査では、86人の回答者がEDの症状を報告し、2年後の調査では70人の回答者がEDの症状を報告しています。また、1年後および2年後の調査では、40人がEDだったとしています。

79人(68.1%)の被験者がCOVID-19感染から28日以内にEDを発症したと報告し、6人(4.3%)がCOVID-19感染後2〜5か月後にED症状を発症しています。

被験者30人(25.2%)が2年後の調査で、初めてED症状を報告しています。つまり、感染後1年以上経過してからEDを自覚しています。

およそ半数は2年後もEDが改善せず

ED患者116人のうち、25%にあたる29人が2年間の研究期間中にED症状の改善を示しています。

そのうちの約半数(15人)が1ヶ月以内にED症状の改善しています。

しかし、57人の患者(49.1%)は、感染後2年の時点でEDの明らかな改善が認められなかったとしています。

(残り30人は追跡できず)

関連要因と精神面の関連性

EDを認める例では、自己の回復実感が低く、息切れや疲労のスコアが高い傾向を認めています。

さらに、うつ傾向があり、痛み/不快感、および、不安/抑うつ、の項目も悪化していたとしています。

睡眠障害との関連性が示唆されていますが、感染の重症度、再感染、ワクチン接種回数、抗ウイルス治療との関連は観察されなかったとしています。

精神的・生活の質の影響が強い

この調査では、調査開始時のEDの有無については、評価されていません。

しかし、年代別のEDの有病率と比較すると、新型コロナウイルス感染後に、後遺症としてEDが発症することは明らかです。

一般的に考えられている、EDのリスク因子(年齢・喫煙・生活習慣病など)とは関連せず、むしろ精神的・生活の質の側面による影響が顕著であることが特徴的であるとしています。

こういったケースでは、精神的なケアや睡眠マネジメントが重要ではないかとしています。

Prevalence of erectile dysfunction as long-COVID symptom in hospitalized Japanese patients

Sci Rep. 2025 Feb 21;15(1):6279.

DOI: 10.1038/s41598-025-88904-6

日本人男性とCOVID-19後遺症としてのEDの経過

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の後遺症として、勃起不全(ED)の発症が注目されています。日本人男性を対象にした調査では、感染後の精神的な要因が大きく影響していること推察されています。EDの改善が見られない患者も多く、精神的ケアや生活の質の向上が重要とされています。

Read More »
EDは新機能の指標の一つである拡張不全と関連する
EDは左心室拡張期機能障害と関連している

勃起不全(ED)は、心臓の拡張機能障害との関連が指摘されています。心不全は通常、収縮力の低下を想像させますが、実際には収縮機能が保たれた拡張不全を病態とする心不全も存在します。ここでは、EDと拡張不全の関係が研究報告されています。

Read More »
新型コロナウイルス後遺症としてEDが生じることが全世界から報告されている
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)とED

新型コロナウイルスのパンデミックは、私たちの健康にさまざまな影響を及ぼしましたが、その中でも特に注目されているのが勃起不全(ED)です。男性ホルモンの減少や血管内皮細胞の障害、さらには心理的ストレスがEDの発症に関与していることが明らかになっています。

Read More »
マンジャロのダイエットの使用は、本当に危険なのでしょうか?
マンジャロはニュースになるほど危険な薬なのか?

マンジャロは、糖尿病治療薬として注目される一方で、ダイエット目的での使用に対して批判的な意見も多く存在します。特に、膵臓疾患や胆道疾患のリスクについての懸念が報じられていますが、実際の研究結果はどうなのでしょうか?本記事では、マンジャロの副作用やリスクについての最新の調査結果を詳しく解説し、ダイエット治療におけるその位置づけを考察します。あなたの健康管理に役立てて下さい。

Read More »
EDとメタボの関連が指摘されていますが、体重調整ウエスト指数は、よりEDとの相関性が高い
EDとメタボの新たな指標|体重調整ウエスト指数

メタボリック症候群、いわゆるメタボと勃起不全(ED)の関係について新たな指標が提案されています。体重調整ウエスト指数は、内臓脂肪の影響をより正確に反映し、EDのリスクを予測することが示されています。この指標は、従来のBMIやウエスト周囲径よりも優れた予測能力を持つため、意識することで、メタボの改善がEDの予防につながる可能性があります。

Read More »
低強度体外衝撃波治療は血管原性EDを改善する可能で位があるが神経原性EDには無効
EDに対する低強度の体外衝撃波療法

勃起不全(ED)に対する低強度体外衝撃波療法(LI-ESWT)の臨床的有効性についての研究結果を紹介します。920名の男性を対象にしたレビューでは、348名が統計的に有意な改善を示した一方で、572名は効果を得られなかったことが明らかに。特に血管性EDには効果が期待されるが、改善幅は軽微です。一方、神経性EDには限界があるとされています。治療法の選択において、過度な期待を持たず、医師と相談することが重要です。

Read More »