長時間の座位はEDの原因になる?|池袋スカイクリニック

長時間の座位はEDの原因になる?

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長時間の座位はEDの原因になる?

2026年9月27日

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長時間座っているとEDになる?

長時間の座位はEDの原因となる可能性があります
8時間以上の座位は中等度から重度EDと関連があるとする研究報告

ご来院された患者様には、適度な運動習慣はED改善に有効と、お話させていただいておりますが、職業によってはデスクワークが主であり、運動不足で悩んでいる方も大勢いると思います。 デスクワークであっても上手に運動不足を解消している方もいるので、必ずしも、デスクワーク=運動不足ということではありません。

では、”座っている”時間が長い事自体は、EDの原因にならないのでしょうか?上手に運動する時間を持つことができれば影響はないのでしょうか?

ここでは、座位時間とEDの関係を示した報告をご紹介いたします。

マレーシアからの横断的なEDの研究

マレーシアでプライマリーケアを行うクリニック4施設において、2022年8~12月において、実施されています。 対象は、通院中の男性で、原則として3人に1人を抽出する系統的無作為抽出が行われています。

EDは国際勃起機能スコアで評価されています。

集団の特徴

解析対象となった集団のED有病率は71%にも及び、一般的なED有病率とはかけ離れています。つまり、通院中であるというバイアスがかかっていると、お考え下さい。

プライマリケア外来の受診者は、平均年齢が比較的高く、糖尿病や高血圧などの併存疾患を持つ人が非常に多い集団です。この研究報告における対象集団において、ED以外の併存疾患を有す率は91.5%に及んでいます。例を上げると、高血圧69.2%、脂質異常症59.7%、糖尿病57.7%、心疾患11.1%です。その他の項目として、BMI27.5以上52.5%、喫煙(現在)28.5%、1日8時間以上の座位32.8%となっています。

1日8時間以上の座位は中等度以上のEDの独立したリスク

この研究では、様々な項目が解析されています。ユニークなのは、やはり、座位時間における差異が検討されているところです。 報告によると、1日の座位時間が8時間以上のED患者では、8時間未満の患者より、中等度~重度EDであるオッズが約5.84倍としています。

しかも、研究では「運動習慣」と「座位時間」が別々に評価されています。例えば、朝や夜に運動していても、日中10時間座って仕事をする人は、「身体活動あり」であると同時に「長時間座位」にも該当してしまいます。この研究報告の解析では、「1日8時間以上の座位」は、中等度〜重度EDと独立して関連していたとしています。つまり、単純に、座位時間が長い=運動不足ではなく、運動習慣がっても、長時間の座位は、中等度以上のEDのリスクであることになります。

その他の有意差の生じた項目は、年齢(60歳以上)(オッズ比8.29)と糖尿病(オッズ比3.63)が挙げられています。

立ち仕事が多いからといって座位が短いわけではない

ここでいう座位時間には、

  • 職場で座っている時間
  • 自動車に乗っている時間
  • 自宅でテレビなどを見ている時間
  • 余暇に座っている時間

などが含まれます。したがって、立ち仕事をする、いわゆるブルーカラー職でも、通勤や帰宅後を含めて総座位時間が長い場合があります。逆に、デスクワーク中心のホワイトカラー職でも、定期的に歩く、立つ、運動する人は総座位時間が短い可能性があります。 先程も指摘したように、「身体活動」と「長時間座位」は別であり、身体活動が活発であっても、長時間座位している場合もあります。

座位時間とEDの直接の因果関係は不明

長時間の座位によって、

  • 下肢や骨盤領域の血流が減る
  • 血管内皮への刺激が減少する
  • インスリン抵抗性が悪化する
  • 肥満、糖尿病、脂質異常症につながる
  • 動脈硬化や血管内皮機能障害が進む

といったメカニズムが考えられますが、この研究報告は、横断研究であり、メカニズムについての検討はされていません。

着目点としては興味深い

本研究は、横断研究であるため、あくまで、観察された時点での結果であって、因果関係を調査したものではありません。「長時間の座位」が直接的に影響しているのか、他の要因による副次的なものなのか、判断できません。 そのため、「長時間の座位によってEDが重症化した」とは言えません。

研究の視点で見ると、

  • 研究規模が小さい
  • 通院中の患者のみを対象にしている
  • ED例のみを対象としている
  • 座位時間はあくまで申告によるもので実際とは異なる可能性

など、研究デザインから来る限界があります。ただし、取り掛かりとしては、興味深い視点を持っていると思います。これを手がかりとし、より詳細な研究報告が待たれます。

心疾患と座位時間に関する研究報告

座位時間が長い人ほど、心血管疾患の発症や心血管死亡が多いことを示す研究は複数あります。特に最近は、質問票による自己申告だけでなく、加速度計で実際の座位時間を測定した大規模前向き研究でも関連が確認されています。また、座位時間の一部を運動に置き換えることによって、心疾患のリスクが低下するとも報告されています。

EDと心疾患は、原因が共通であることも多いため、EDと座位時間の関係に注目することは、自然な流れではあります。EDは医学の中ではマイナーな分野なため、心疾患ほど研究が進んでいません。しかし、繰り返しますが、原因が共通であることも多いため、心疾患に関する研究報告は、大いに参考にできます。個人的な意見になりますが、座位時間とEDには関連があるように思います。座位時間を減らし、運動量を増やすことは、EDにも好影響を与える可能性があるかもしれません。ご参考下さい。

Prevalence of erectile dysfunction and its moderate to severe associated factors among primary care clinics attendees

Sci Rep. 2023 Dec 6;13:21483.

doi: 10.1038/s41598-023-48778-y


Accelerometer-Measured Sedentary Behavior and Risk of Future Cardiovascular Disease

J Am Coll Cardiol. 2025 Feb 11;85(5):473-486.

doi: 10.1016/j.jacc.2024.10.065

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