ミノキシジル外用液に含まれるプロピレングリコールとブチレングリコール|池袋スカイクリニック

ミノキシジル外用液に含まれるプロピレングリコールとブチレングリコール

池袋スカイクリニック

ミノキシジル外用液に含まれるプロピレングリコールとブチレングリコール

2025年11月19日

Table of Contents

ミノキシジル外用薬の基材|プロピレングリコールとブチレングリコール

しばしば、先発医薬品と後発医薬品(ジェネリック)の違いについて質問されます。

主成分とその含有量に関しては、”同じ”です。

厚生労働省が”同じ”であることを確認し、承認に至るため、そこは間違いありません。

しかし、添加剤(薬剤を形作るために必要)は各製薬メーカーによって異なる場合もあります。

添加剤すら”同じ”にし、製造する製薬メーカーも存在しますが、添加剤は異なることは少なくありません。

添加剤に関しては、薬剤の効果に影響を及ぼすことは、ほぼありません。

それでも、添加剤の違いが、薬剤のアレルギーなど、副作用の違いにつながることは否定できません。

それは、先発品だろうと後発品だろうと同様です。

初めて内服や外用する場合は、先発品であっても、使用されている添加剤でアレルギーなどを引き起こす可能性を考慮しないといけません。

外用薬(塗り薬)については、皮膚の弱い方などは、注意をする必要があります。

ここでは、ミノキシジルの先発品(リアップ)と後発品(ジェネリック)の添加剤(基材:プロピレングリコールとブチレングリコール)の説明をいたします。

プロピレングリコールとブチレングリコールの違い

プロピレングリコール(PG)とブチレングリコール(BG)は、どちらも保湿剤・溶剤として化粧品でよく使われますが、性質や使用感にいくつかの違いがあります。

項目 プロピレングリコール(PG) ブチレングリコール(BG)
化学的分類 ジオール(2価アルコール) 同じくジオール
炭素数 3 4
主な用途 保湿剤、溶剤、防腐補助 保湿剤、溶剤、防腐補助
保湿力 中等度 やや高い(PGより優しい)
刺激性 人によって刺激やアレルギーが出やすい(比較的高い) PGより低刺激
ベタつき ややベタつく PGより軽く、比較的さっぱり
揮発性 低い PGよりさらに低い(保持しやすい)
防腐補助効果 高い やや高い
価格 安価 やや高価

プロピレングリコールの刺激性について

接触性皮膚炎が疑われる患者(アレルギーのハイリスク集団)を対象に行われたパッチテストでは、プロピレングリコールのアレルギー感作率は0.85%、刺激性率0.35%と低率であるとの報告(#1)があります。

健常者を対象とした、纏まった規模の報告が無いため、明らかではありませんが、少なくとも、この研究報告よりも、低頻度になることが予想されます。

副作用は、体質の変化や、その時々の体調によって発症が修飾されることもあります。

プロピオングリコールのアレルゲン感作率は年々上昇している?

古い報告では、プロピオングリコールのアレルギーは稀とする報告(#2)がありましたが、プロピレングリコールに対するアレルゲン感作率は年々上昇しているとの報告(#3)もあります。

それに対して、プロピレングリコールはアレルゲンとして頻度は高くなく、感作率の変化はないとする報告(#4)もあります。

リアップ(1%)にはプロピレングリコール、リアップx5(5%)にはブチレングリコール

主成分であるミノキシジルは固体であるため、外用液を製造するには、それを溶かすための溶剤(基材)が必要です。

古くから使用されていたのがプロピレングリコールであり、健常者が使用する分には、なんら問題なく使用できるとされます。

実績や副作用報告も蓄積されています。

それに対して、比較的、新しい医薬品では、ブチレングリコールが基材として使用されつつあります。

理由は、プロピレングリコールの刺激性を嫌ってのことになります。

おそらくは、ブチレングリコールの方が、刺激性やアレルギー性が少ないであろうと考えられていますが、まだまだ、大規模な報告が無いため、断言することはできません。

しかし、医療現場や美容医薬品では、基材(添加剤)として、ブチレングリコールの使用が広がりつつあるのも事実です。

ちなみに、初めに市販された1%ミノキシジル製剤であるリアップは、基材(添加剤)として、プロピレングリコールが使用されています。

後に市販されたリアップx5などの5%ミノキシジル製剤(ジェネリックを除く)ではブチレングリコールが使用されています。

ちなみに、日本より先にアメリカでは5%ミノキシジル製剤であるロゲインが市販されていましたが、ロゲインの基材(添加剤)はプロピレングリコールです。後に、フォーム剤(泡製剤)が市販され、基材(添加剤)はブチレングリコールに変更されています。

基材(添加剤)の変更は、時代の流れとも言えます。

ミノキシジル外用薬(リアップのジェネリック)にはプロピレングリコール

リアップのジェネリックであるミノキシジル外用薬のほとんどは、基材(添加剤)として、プロピレングリコールが使用されています。

コスト抑制の意味合いが強いと思われます。

では、ジェネリック製剤を使用していて良いのでしょうか?

健常者であれば、問題なく使用可能であることは、過去のプロピレングリコールの使用実績から判断できます。

アメリカで市販された1%ロゲインの基材(添加剤)がプロピレングリコールであったことからも、副作用が出ないのであれば、効果に影響を及ぼすことも少ないと考えられ、一般の方の使用には、問題はないと思われます。

まず、繰り返し使用することで、刺激性が増加する可能性は否定できませんが、皮膚が弱いと思われる腕の内側などに試験的に塗布していただき、ご確認していただくのが良いと思われます。

皮膚が弱い方や過去に外用薬で副作用が出現した方は注意

しかし、皮膚が弱い方やアレルギー体質の方は、基材(添加剤)としてブチレングリコールが使用されている、先発品であるリアップを使用する方が無難であるかもしれません。

実際のところ、副作用が出現するのか否か、使用してみないと判断できませんが、過去に、外用薬によるアレルギーや皮膚障害の既往がある方は、注意が必要となります。

アルコールがダメな人は控えましょう

また、基材成分は、主にアルコール類になります。

そのため、アルコールで皮膚がかぶれやすい方は、先発品リアップと後発品(ジェネリック)ミノキシジル外用薬、ともに、使用は控えてきださい。

ミノキシジル1%製剤と5%製剤の濃度の差による刺激性も考慮

当然と言えば当然ですが、濃度が高いミノキシジル外用薬の方が、発毛・育毛効果が高いのですが、反面、刺激性が高まります。

「5%外用液でかゆみ・刺激が“2%液より多かった”」という報告(#5)もあります。

このため、皮膚の弱い方は、1%製剤から開始するのも良いと考えます。

ちなみに、未認可の10%以上の高濃度(12〜15%)も存在しますが、刺激・かゆみが増えるため、推奨されていません。

注:正式に認可されているミノキシジル外用薬の最高濃度は5%です。

選択の仕方|先発品リアップと後発品ミノキシジル外用薬

以上をまとめると、
  • アレルギーや、過去に外用薬で皮膚障害の経験がある方は、ブチルグリコールを基材としているリアップ
  • >そして、濃度の低い1%製剤から開始するのが無難
  • となります。

    特にアレルギーを有しておらず、今までも、外用薬で皮膚のトラブルを経験したことがない方は、プロピレングリコールを基材としている後発薬のミノキシジル外用薬でも、問題ないと考えられるかもしれません。

#1:Patch Testing to Propylene Glycol: The Mayo Clinic Experience

Dermatitis. 2018;29(3):140–145.

DOI: “10.1097/DER.0000000000000393


#2:Skin irritation caused by propylene glycols

Hautarzt. 1982 Jan;33(1):12-4.


#3:Patch Testing Results from the Massachusetts General Hospital Occupational and Contact Dermatitis Clinic, 2017–2022

Dermatitis. 2018 Jul/Aug;29(4):200-205.

doi: doi: 10.1089/derm.2023.0085.


#4:Prevalence of reactive allergens in contact patch testing studies using the Brazilian standard battery: a systematic review

An Bras Dermatol. 2025 Jul-Aug;100(4):501126.

doi: doi: 10.1016/j.abd.2025.501126.


#5:A randomized clinical trial of 5% topical minoxidil versus 2% topical minoxidil and placebo in the treatment of androgenetic alopecia in men

J Am Acad Dermatol. 2002 Sep;47(3):377-85.

doi: doi: 10.1067/mjd.2002.124088.

前立腺肥大症におけるタダラフィルの使用は、2型糖尿病の新規発症を予防する
前立腺肥大症に対するタダラフィルは糖尿病の新規発症を抑制

タダラフィル5mgの常用が糖尿病発症を抑制する可能性があることが、前立腺肥大症患者を対象にした研究で明らかになりました。タダラフィルは、従来のα遮断薬と比較して、新規2型糖尿病の発症率を約53%減少させることが示されています。この研究は、日本の大規模な保険請求データベースを基にしており、タダラフィルの血管内皮機能改善作用が好影響を与えた可能性が指摘されていますが、現時点では、明らかになっておりません。

Read More »
セマグルチドはダイエット用に使用されることが多いですが、ニコチン依存症のリスクを回避させる可能性がある
タバコ使用障害のリスク低下の可能性|セマグルチド

セマグルチドは、糖尿病や肥満治療に用いられるGLP-1受容体作動薬ですが、最近の研究でタバコ使用障害のリスクを低下させる可能性が示されています。セマグルチド製剤であるリベルサスやオゼンピックを使用した患者では、喫煙欲求が減少したとの報告があります。さらに禁煙後の体重増加を抑制する可能性もあります。タバコ使用障害の診断基準など、詳しくは本文をご覧ください。

Read More »
全身性炎症反応指数を用い、前もってED治療薬タダラフィルの効果を予測しようとする研究報告
全身性炎症反応指数で見るタダラフィルの効果予測

全身性炎症反応指数(SIRI)が、ED治療薬タダラフィルの効果を予測する可能性についての研究があります。SIRIは血液中の免疫細胞のバランスから炎症状態を数値化した指標で、がんの予後や動脈硬化や心血管疾患との関連が示されています。この研究では、タダラフィルが無効だった患者の特徴を明らかにし、ED治療における新たなアプローチを提案しています。

Read More »
マンジャロなどの、いわゆるGLP-1ダイエットで使用される薬剤は、アルコール依存症を改善させる可能性が有る
アルコール依存性にマンジャロやオゼンピックが有効である可能性

アルコール依存症の治療に新たな可能性が見えてきました。最近の研究では、ダイエット薬として知られるGLP-1受容体作動薬、特にマンジャロやオゼンピックが、飲酒欲求の低下や飲酒量の減少に寄与する可能性が示唆されています。ここで紹介するSNSを利用した調査や153名への聞き取り調査から得られた研究報告は、これらの薬剤がアルコール依存症に対する新たなアプローチとなるかもしれないことを示しています。

Read More »
ED治療薬であるシルデナフィルの使用者はアルツハイマー病のリスクが低下する
シルデナフィル使用者はアルツハイマー病のリスクが低い

シルデナフィル使用者はアルツハイマー病のリスクが低いという興味深い研究結果が報告されています。ED治療薬として知られるシルデナフィルは、認知機能に対する効果が注目されており、特にその使用者は、アルツハイマー病のリスクを54%も低下していたとする報告があります。しかし、直接的な因果関係は明らかではなく、生活習慣や他の要因も影響を及ぼすことが考えられています。詳細な研究結果や今後の展望について、ぜひご覧ください。

Read More »
妊孕性(妊娠力)を高めるには、GLP-1ダイエットによる肥満の解消が重要です。
妊孕性はGLP-1ダイエットで向上しうる

GLP-1ダイエットが女性の妊孕性を向上させる可能性があることをご存知ですか?肥満は、妊娠に関するリスクを高める一因とされており、体重管理が不妊治療に重要な役割を果たします。最新の研究では、GLP-1受容体作動薬は、単に妊娠前のダイエットに有効なだけではなく、生殖機能に直接的なプラス効果をもたらすことが報告されています。妊娠を希望する女性にとって、無理のないダイエット治療の最有力候補となりえます。

Read More »