リベルサスとオゼンピックは同成分の薬剤

GLP-1ダイエットに使用されるリベルサスとオゼンピックは、内服薬と注射剤という違いはございますが、成分はセマグルチドであり、基本的には同じ薬剤になります。
使用する用量の違いは、内服薬と注射剤の吸収効率の違いから生じます。
経口薬であるリベルサスの方が、注射剤であるオゼンピクト比較し、吸収効率が悪いため、高用量の設定となっておりますが、その分、ダイエット効果が高いわけではありません。
用量の設定によって効果は異なってきますが、実際に、どのくらいに減量効果に違いがあるのでしょうか?
例えばですが、リベルサスから、他のGLP-1受容体作動薬に変更したい場合、その切り替えの目安は、何mgなのでしょうか?
リベルサトの何mgがオゼンピックの何mgに相当するのでしょうか?
ここでは、2剤の比較をした研究報告があるので、ご紹介したいと思います。
リベルサスは内服薬
GLP-1ダイエットの中でも、最も手軽なのが、内服薬であるリベルサスです。
一般の皆さんには、注射剤の恐怖感や抵抗感があるかと思います。
実際に、リベルサスでダイエットを開始する方が多くなっています。
開始用量は3mgで、1ヶ月服薬していただいた後に7mgに増量、7mgでも効果が得られ無い場合は、14mgに増量します。
オゼンピックは注射薬
内服薬であるリベルサスに対して、オゼンピックは注射剤になります。
注射剤は、実は簡単で、痛みもほとんど伴わず、注射タイミングの制限がなく、週一回注射するだけなので、簡便です。
開始用量は、0.25mgです。4週継続した後に、0.5mgに増量します。効果が得られない場合は1mgに増量します。
ダイエット効果の違い|リベルサス14mgとオゼンピック0.5mgが同程度
リベルサスとオゼンピックのダイエット効果を直接比較した研究報告は、現時点ではありません。
各々の独立した研究報告間での比較になります。
リベルサスを対象とした臨床試験PIONEERとオゼンピックを対象とした臨床試験SUSTAINで得られたデータの比較になります。
PIONEER1(リベルサス+運動療法:観察期間26週、平均体重88.1kg)では、リベルサスの単独療法により、7mgで-2.3kg、14mgで-3.7kgの減量に成功しています。
SUSTAIN1(オゼンピック+運動療法:観察期間30週、平均体重91.9kg)では、0.5mgで-3.7kg、1mg-4.5kgの減量に成功しています。
直接比較ではないことを念頭に置く必要がありますが、概ね、リベルサス14mgとオゼンピック0.5mgが同程度のダイエット効果を認めています。開始時の体重や観察期間の差を考えると、ダイエット効果はリベルサス14mgの方が、ややダイエット効果が高いかもしれません。
ちなみにですが、両剤とも、糖尿病治療薬であり、そのコントロール指標であるヘモグロビンA1cの改善についても報告されています。リベルサス7mgで-1.2%、14mgで-1.4%、オゼンピック0.5mgで-1.5%、1mgで-1.6%となっております。
リベルサス7mgでダイエット効果が乏しい場合
この比較から言えることは、もし、リベルサス7mgで効果が得られず、治療を強化したい場合、薬は変更せず14mgに増量するか、
それとも、オゼンピックであれば、0.5mgに変更するかという、選択が考えられます。
自己注射を避けたい場合はリベルサスを14mgに増量、注射に抵抗感がなければオゼンピックに変更でも良いと思われます。
最近では、より効果の高いマンジャロが利用可能です。
マンジャロは注射剤になりますので、注射剤でも良ければ、マンジャロも選択肢となりえます。
マンジャロ5mgはオゼンピックの1mgよりもダイエット効果が高いとの報告もあります。
そのため、リベルサス7mgからマンジャロ2.5mgに切り替えてみるのも良いかもしれません。
Efficacy of Semaglutide in a Subcutaneous and an Oral Formulation
Front Endocrinol (Lausanne). 2021 Jun 25;12:645617.