オゼンピックやリベルサスはアルツハイマー認知症を抑制する|池袋スカイクリニック

オゼンピックやリベルサスはアルツハイマー認知症を抑制する

池袋スカイクリニック

オゼンピックやリベルサスはアルツハイマー認知症を抑制する

2026年2月13日

Table of Contents

セマグルチドはアルツハイマー病を予防する

糖尿病や肥満症は、アルツハイマー認知症のリスクとして認識されています。

つまり、これらを治療することが、アルツハイマー認知症の発症抑制に繋がります。

今や、糖尿病治療や肥満治療の中心的な薬剤であるGLP-1受容体作動薬は、さらに、神経保護作用や抗炎症作用も指摘されています。

GLP-1受容体作動薬の中でも、特にセマグルチド(オゼンピックやリベルサス)は、血糖効果作用やダイエット効果に優れており、既存の抗糖尿病薬以上に、アルツハイマー認知症の発症に有益ではないかと期待されています。

ここでは、アメリカからの報告をご紹介いたします。

アルツハイマー病の治療は喫緊の重要課題

アメリカの推測では、2024年には、65歳以上のアメリカ人の約690万人がアルツハイマー病(AD)を患うとされ、2060年には、1,380万人に増加すると予測されています。

本邦においては、2012年は認知症患者数が約460万人、高齢者人口の15%という割合だったものが、2025年には5人に1人(20%)に増加するとする報告もあります。

世界保健機関WHOの推計では、世界規模では毎年1,000万人近く、3秒に1人が新たに認知症になっているとしています。

人類にとっての、最大の課題の一つとなります。

糖尿病や肥満症が激増している現在、将来のアルツハイマー認知症の増加が懸念されており、これを如何に抑制できるかと言った研究が盛んに行われています。

米電子カルテ(EHR)データを用いた100万人規模の擬似ランダム化試験

アメリカ疾病予防管理センターCDCが管轄するNational Electronic Health Records Surveyより、約1,094,761名の2型糖尿病患者(アルツハイマー認知症の既往なし)を対象に、リベルサスまたはオゼンピック、更にはウゴービの使用開始者を、他の抗糖尿病薬使用開始者と同数ずつ傾向スコアマッチングにより比較。

比較薬は、インスリン、メトホルミン、DPP-4阻害薬、SGLT2阻害薬、スルホニルウレア(SU)、チアゾリジンジオン(TZD)、および他のGLP-1受容体作動薬。

フォローアップ期間は、最大3年間。

エンドポイントは、アルツハイマー認知症の初回診断となっています。

セマグルチドは有意にアルツハイマー認知症のリスクを低下

セマグルチド使用開始は、他の抗糖尿病薬に対して、アルツハイマー認知症のリスクを40~70%減少させたとしています。

インスリンに対してのリスク低下が最も高く、ハザード比は0.33(95% CI: 0.21–0.51)、つまり67%リスクを低減させたとしています。

他のGLP-1受容体作動薬と比較した際にはハザード比0.59(95% CI: 0.37–0.95)と、やや弱いながら有意なリスク低減が見られたとしています。

アルツハイマー病に関連する薬の処方も、セマグルチド群で有意に少なかったとのことです。

これらは、性別、年齢層、肥満の有無で層別解析を行っても、ほぼ同様の傾向が認められています。

高齢になるとアルツハイマー認知症の発症リスクは高まりますが、この報告では、年齢に関わらず、セマグルチドはリスクを同様に低減したとしています。

因果関係を検討するには、さらなる研究が必要

2025年9月現在、早期のアルツハイマー病に対して、経口と皮下注射のセマグルチド(リベルサスとオゼンピック)に対して、 その影響や安全性、末梢性および中枢性の炎症に与える影響などを、検討する二重盲検試験が実施中です。

ただ、発症抑制に関するランダム化比較試験(RCT)は、現時点では無かったと思います。

この研究報告は、アルツハイマー認知症予防に関するものですが、試験デザインの関係から、セマグルチドとアルツハイマー認知症の因果関係の確定には至っていません。

そのため、ランダム化比較試験(RCT)による検証が必要という結論が強調されています。

GLP-1受容体作動薬は、非常に面白い薬剤です。

今は、糖尿病やダイエット用に使用されておりますが、もしかしたら、今後、その適応は拡大されるかもしれません。

Associations of semaglutide with first‐time diagnosis of Alzheimer’s disease in patients with type 2 diabetes: Target trial emulation using nationwide real‐world data in the US

Alzheimers Dement. 2024 Oct 24;20(12):8661–8672.

doi: 10.1002/alz.14313

【アンチエイジング】に関する最近の記事

低強度体外衝撃波治療は血管原性EDを改善する可能で位があるが神経原性EDには無効
EDに対する低強度の体外衝撃波療法

勃起不全(ED)に対する低強度体外衝撃波療法(LI-ESWT)の臨床的有効性についての研究結果を紹介します。920名の男性を対象にしたレビューでは、348名が統計的に有意な改善を示した一方で、572名は効果を得られなかったことが明らかに。特に血管性EDには効果が期待されるが、改善幅は軽微です。一方、神経性EDには限界があるとされています。治療法の選択において、過度な期待を持たず、医師と相談することが重要です。

Read More »
マンジャロとオゼンピックの用量別ダイエット効果の比較
マンジャロvsオゼンピック|ダイエット効果

マンジャロとオゼンピック、どちらがダイエット効果に優れているのでしょうか?最新の研究結果を基に、これらの薬剤の比較を行います。特に、マンジャロはオゼンピックよりも体重減少や糖尿病のコントロールにおいて優れた結果を示しています。ダイエットを成功させるための選択肢を知りたい方は、ぜひ続きをご覧ください。

Read More »
バイアグラとシアリスの効果などの直接比較を解説しています
バイアグラとシアリスの効果の直接比較

バイアグラとシアリス、どちらが優れているのでしょうか?1998年に登場したバイアグラと、2003年に市販されたシアリスは、ED治療に欠かせない薬剤です。最新のメタ解析によると、両者のED改善効果に差はないことが示されていますが、使用感や副作用には違いがあります。果たして、どちらがあなたに合った選択肢となるのでしょうか?詳しい比較と選び方について、ぜひご覧ください。

Read More »
プロピレングリコールはブチレングリコールと比較し刺激性が強いとされるが健常者が使用する分には問題はない
ミノキシジル外用液に含まれるプロピレングリコールとブチレングリコール

ミノキシジル外用薬の基材(添加剤)の違いの説明。プロピレングリコールとブチレングリコールでは、アレルゲンや刺激性が異なる可能性があります。特に、皮膚が敏感な方やアレルギー体質の方は、どちらの基材が自分に合っているのかを理解することが大切です。この記事では、これらの添加剤の特性や使用時の注意点について詳しく解説します。あなたの髪の健康を守るために、ぜひご一読ください。

Read More »
高麗人参はEDや早漏症など男性機能を改善する
高麗人参のEDと早漏症に対する効果

高麗人参は古くから滋養強壮に効果があるとされ、男性機能の向上を目的に摂取されることも多いかと思います。この研究では、高麗人参抽出エキスが勃起機能や早漏症に与える影響が評価され、実際に国際勃起機能スコアや早漏症評価ツールによって改善が確認されています。

Read More »
マンジャロによるダイエットの成功は閉塞性睡眠時無呼吸症候群を改善する
マンジャロは肥満を合併した睡眠時無呼吸症候群を改善

マンジャロは、肥満を合併した閉塞性睡眠時無呼吸症候群の改善に注目されています。特に、ダイエット効果に優れたGLP-1受容体作動薬として、体重を減少させることで無呼吸症候群の症状を軽減する可能性があります。最近の研究では、マンジャロを52週間投与した結果、無呼吸指数が著名に改善され、体重も大幅に減少したことが報告されています。睡眠時無呼吸症候群に悩む方々にとって、マンジャロは新たな治療の選択肢となるかもしれません。

Read More »