シルデナフィル使用者はアルツハイマー病のリスクが低い|池袋スカイクリニック

シルデナフィル使用者はアルツハイマー病のリスクが低い

池袋スカイクリニック

シルデナフィル使用者はアルツハイマー病のリスクが低い

2026年2月13日

Table of Contents

ED治療薬のシルデナフィルの使用はアルツハイマー認知症のリスク低下と相関する

先進国の多くは、人口が高齢化が進行しており、高齢化に伴い発症リスクの高まるアルツハイマー病に対する、発症予防や治療が、重大な課題となっております。
ED治療薬は、PDE5阻害剤に属する薬剤ですが、市販時より、ED改善効果以外の作用にも注目されていました。
そのうちの一つが、認知機能に対する効果です。
ここで紹介する研究では、主にシルデナフィル、バルデナフィル、タダラフィルのアルツハイマー病(認知症)に対する影響が検討されています。

シルデナフィル、バルデナフィルおよびタダラフィルのアルツハイマー病に対する解析

シルデナフィル、タダラフィル、バルデナフィルによる治療を受けた被験者と、他の治療を受けた、または治療を受けていない対照群を比較した6件の研究(参加者総数8,337,313人)が解析されています。

シルデナフィルはアルツハイマー病のリスクを54%低下

本研究では、PDE5阻害薬使用者と対照群を比較したアルツハイマー病の累積ハザードリスクは0.53であり、PDE5阻害薬使用群ではアルツハイマー病の発症を著しく低下(47%低下)したことを示しています。
特に、シルデナフィル(バイアグラ)の使用は有意なリスク低下(54%の低下)を示しています(HR: 0.46)。
しかし、これに反し、タダラフィルとバルデナフィルでは有意な結果は得られていません。
ちなみに、サブグループ間の解析では、アルツハイマー病のリスクにおいて、男性と女性の参加者間に差は認められなかったとしています。

シルデナフィル使用とアルツハイマー病の直接の因果関係を示したものではない

何を言いたいかと申しますと、シルデナフィルを使用することが、直接、アルツハイマー病の発症リスクを低減させることに繋がるかは、この研究では明らかではない、ことです。
本研究では、シルデナフィルの使用歴が有る群と無い群と比較した場合、使用歴が有る群の方が、アルツハイマー病のリスクが低かったという事実を報告しています。
具体的な患者背景などの詳細は明らかとなっていません。
使用法の差異についても、検討がされていません。ED治療薬としてシルデナフィルを使用する場合は、基本的には、性行為の1時間前に服薬していただきます。つまり、性行為の頻度によって、使用回数が大きく異なります。極端な例を挙げると、たった一度でも、シルデナフィルを服用したことが有る場合、アルツハイマー病のリスクは低下するのでしょうか?そうではないと予想する方が大半かと思います。

アルツハイマー病の発症リスクは複雑で多岐にわたる

生活習慣や高血圧や糖尿病などの慢性疾患、肥満、喫煙歴、医療アクセスへの容易さ、学歴、経済状況、地域差など、さまざまな要素が、影響を及ぼしていることが、これまでの研究報告から明らかになっています。
シルデナフィルの使用には、パートナーの有無や、入手の容易さ、経済状況などが、やはり、様々な要素が関係します。
つまり、アルツハイマー病の発症リスクとシルデナフィルの使用に影響する要素が、共通である可能性があります。

ED治療薬であるPDE5阻害剤が直接的にアルツハイマー病を抑制する可能性を示唆する研究も存在する

ヒト由来のiPS細胞を用いた実験やラットを使用した実験では、アルツハイマー病の原因とされるアミロイドβやタウ蛋白の減少や、記憶や学習のテスト成績を改善すると言った効果も指摘されています。

このような結果をもとに、シルデナフィルがアルツハイマー病の再目的化(ドラッグリポジショニング)候補薬となり得ることを示唆され、研究が継続されています。

認知症予防のためにシルデナフィルを使用する必要はない

現時点では、アルツハイマー病の予防のためにシルデナフィルを服用する必要はありません。
まだ、推奨できるほどの科学的根拠(エビデンス)が揃っていません。
PDE5阻害剤の可能性を示唆している研究報告です。
もしかしたら、近い将来、アルツハイマー病に対する、シルデナフィル類似のPDE5阻害剤が開発されるかもしれません。

参照:

Phosphodiesterase-5 inhibitors use and the risk of alzheimer’s disease: a systematic review and meta-analysis

Neurol Sci. 2024 May 25;45(11):5261–5270.

doi: 10.1007/s10072-024-07583-9

【アンチエイジング】に関する最近の記事

低強度体外衝撃波治療は血管原性EDを改善する可能で位があるが神経原性EDには無効
EDに対する低強度の体外衝撃波療法

勃起不全(ED)に対する低強度体外衝撃波療法(LI-ESWT)の臨床的有効性についての研究結果を紹介します。920名の男性を対象にしたレビューでは、348名が統計的に有意な改善を示した一方で、572名は効果を得られなかったことが明らかに。特に血管性EDには効果が期待されるが、改善幅は軽微です。一方、神経性EDには限界があるとされています。治療法の選択において、過度な期待を持たず、医師と相談することが重要です。

Read More »
マンジャロとオゼンピックの用量別ダイエット効果の比較
マンジャロvsオゼンピック|ダイエット効果

マンジャロとオゼンピック、どちらがダイエット効果に優れているのでしょうか?最新の研究結果を基に、これらの薬剤の比較を行います。特に、マンジャロはオゼンピックよりも体重減少や糖尿病のコントロールにおいて優れた結果を示しています。ダイエットを成功させるための選択肢を知りたい方は、ぜひ続きをご覧ください。

Read More »
バイアグラとシアリスの効果などの直接比較を解説しています
バイアグラとシアリスの効果の直接比較

バイアグラとシアリス、どちらが優れているのでしょうか?1998年に登場したバイアグラと、2003年に市販されたシアリスは、ED治療に欠かせない薬剤です。最新のメタ解析によると、両者のED改善効果に差はないことが示されていますが、使用感や副作用には違いがあります。果たして、どちらがあなたに合った選択肢となるのでしょうか?詳しい比較と選び方について、ぜひご覧ください。

Read More »
プロピレングリコールはブチレングリコールと比較し刺激性が強いとされるが健常者が使用する分には問題はない
ミノキシジル外用液に含まれるプロピレングリコールとブチレングリコール

ミノキシジル外用薬の基材(添加剤)の違いの説明。プロピレングリコールとブチレングリコールでは、アレルゲンや刺激性が異なる可能性があります。特に、皮膚が敏感な方やアレルギー体質の方は、どちらの基材が自分に合っているのかを理解することが大切です。この記事では、これらの添加剤の特性や使用時の注意点について詳しく解説します。あなたの髪の健康を守るために、ぜひご一読ください。

Read More »
高麗人参はEDや早漏症など男性機能を改善する
高麗人参のEDと早漏症に対する効果

高麗人参は古くから滋養強壮に効果があるとされ、男性機能の向上を目的に摂取されることも多いかと思います。この研究では、高麗人参抽出エキスが勃起機能や早漏症に与える影響が評価され、実際に国際勃起機能スコアや早漏症評価ツールによって改善が確認されています。

Read More »
マンジャロによるダイエットの成功は閉塞性睡眠時無呼吸症候群を改善する
マンジャロは肥満を合併した睡眠時無呼吸症候群を改善

マンジャロは、肥満を合併した閉塞性睡眠時無呼吸症候群の改善に注目されています。特に、ダイエット効果に優れたGLP-1受容体作動薬として、体重を減少させることで無呼吸症候群の症状を軽減する可能性があります。最近の研究では、マンジャロを52週間投与した結果、無呼吸指数が著名に改善され、体重も大幅に減少したことが報告されています。睡眠時無呼吸症候群に悩む方々にとって、マンジャロは新たな治療の選択肢となるかもしれません。

Read More »