マンジャロは肥満を合併した睡眠時無呼吸症候群を改善|池袋スカイクリニック

マンジャロは肥満を合併した睡眠時無呼吸症候群を改善

池袋スカイクリニック

マンジャロは肥満を合併した睡眠時無呼吸症候群を改善

2025年11月4日

Table of Contents

マンジャロは、睡眠時無呼吸症候群の肥満例に有効

睡眠時無呼吸症候群」、聞いた事がある方も多いかと思います。

特に運輸業に携われている方は、そのチェックを上kたことがある方も多いと思います。

初めに睡眠時無呼吸症候群が注目されたのは、2003年2月に起きた山陽新幹線の岡山駅ホームはみ出し事件です。運転手は100kgを超える肥満例であり、普段から眠りが浅いなど、本症を疑う症状を認めており、事件発症時も、運転席で居眠りをした状態で発見されています。

マンジャロやゼップバウンドなどのチルゼパミドTirzepatide製剤は、体重を落とすことで、睡眠時無呼吸症候群を改善する可能性が指摘されています。

日本国内に睡眠時無呼吸症候群の患者は900万人

睡眠時無呼吸は中枢性と閉塞性と、その混合型に分類され、その殆どが閉塞性タイプとされています。

2019年、中等症以上の成人の閉塞性睡眠時無呼吸症候群の患者数が900万人いると報告されました。

また、そのうちの治療を行っている患者は、わずか50万人であったともしています。

閉塞性睡眠時無呼吸症候群の症状は、「いびきをかく」ことです。

もし、ご家族からいびきを指摘され、日中に眠気を自覚することがあるならば、睡眠時無呼吸症候群の可能性が高く、精査が必要となります。

肥満は閉塞性睡眠時無呼吸症候群の原因

肥満例は、その体型から、気道の閉塞を来しやすくなるため、閉塞性無呼吸症候群を発症しえます。

治療をされている方であれば、医師より減量を指示されている方も、大勢いるかと思います。

しかし、お仕事の都合などで、減量に時間を割くことができない場合もあります。

運動しようにも、いきなりの運動は、体への負担が大きく、実施できない場合もあります。

そこで注目されているのがGLP-1受容体作動薬を用いた、いわゆるGLP-1ダイエットです。

特にダイエット効果の高いマンジャロは、第一選択薬となり得ると期待されています。

マンジャロは肥満と閉塞性睡眠時無呼吸症候群を改善する

マンジャロが肥満を合併した中等度〜重度の閉塞性睡眠時無呼吸症候群を改善したとする報告をご紹介します。

BMI38.7〜39.1 kg/m²の閉塞性無呼吸症候群の成人例を対象に、マンジャロを投与し、52週間後の変化をプラセボと比較検討されています。

睡眠時無呼吸症候群の重症度の指標である無呼吸/低呼吸指数 (AHI:Apnea–Hypopnea Index:1時間に何回無呼吸が記録されたかとお考え下さい)は、非陽圧呼吸治療群で51.5イベント/時間、陽圧換気治療群は49.5イベント/時間。

これが、マンジャロで52週間治療することで、非陽圧呼吸治療群で−25.3イベント/時間(プラセボ群は−5.3イベント/時間)、陽圧換気治療群で−29.3イベント/時間(プラセボ群は−5.5イベント/時間)と、著名な改善を認めています。

体重減少率は、非陽圧呼吸治療群で約17.7%(プラセボ群は約1.6%)、陽圧呼吸治療群で約19.6%(プラセボ群は約2.3%)と、大幅な減量に成功しています。

マンジャロは、いびきと日中の眠気と肥満を同時に解消する可能性

マンジャロは、ダイエット効果に優れるGLP-1受容体作動薬です。

ダイエットが成功すれば、肥満を原因とする閉塞性睡眠時無呼吸症候群を改善できることは、容易に想像できます。

もし、軽度の睡眠時無呼吸症候群を指摘され、その治療がダイエットであった場合、マンジャロは有力な選択肢の一つになる可能性があります。

中等度〜重度の睡眠時無呼吸症候群を指摘された場合は、持続陽圧呼吸療法(CPAP)などで無呼吸を改善さえ、それと並行してダイエット治療を進める必要があります。

食生活や運動習慣などライフスタイルの改善によってダイエットを図るのが理想ですが、現実的な治療法として、マンジャロなどのGLP-1ダイエット治療薬を使用することは、一つの選択枝と考えます。

Tirzepatide for the Treatment of Obstructive Sleep Apnea and Obesity

N Engl J Med. 2024 Oct 3;391(13):1193-1205.

doi: 10.1056/NEJMoa2404881

硝酸薬はED治療薬と併用禁忌である
ニトログリセリンとその類似薬

ニトログリセリンは狭心症の治療薬として広く知られていますが、その使用には注意が必要です。特に、ED治療薬との併用は禁忌であり、過度な血圧低下を引き起こす可能性があります。さらに、ニトログリセリン系薬剤には様々な種類があり、それぞれの特性や副作用について理解することが重要です。この記事では、ニトログリセリンやその類似薬の効果、使い分け、耐性の問題について詳しく解説します。あなたの健康を守るために、ぜひご一読ください。

Read More »
右脚ブロックであってもED治療薬の服用は可能です。
右脚ブロック|ED治療薬の服用は可能

右脚ブロックは、心電図でしばしば見受けられる変化ですが、実は多くの場合、病的ではなく正常範囲とされています。心臓の電気信号の伝導に関わるこの状態について、詳しく知ることで、運動制限や治療が不要であることが理解できます。また、ED治療薬の服用も可能であるため、安心して性生活を楽しむことができます。しかし、新たに右脚ブロックが指摘された場合は、専門医の診察を受けることが重要です。詳しい情報をぜひご覧ください。

Read More »
健康な男性はレム睡眠中に無意識に勃起している
夜間勃起と朝立ちとEDの関係

夜間勃起現象や朝立ちは、男性の健康において重要な指標です。これらの生理現象は、心因性EDと器質性EDの鑑別に役立ちます。夜間勃起はレム睡眠中に自然に発生し、正常な身体においては性的刺激なしに起こります。朝立ちがある場合、器質性EDの可能性は低く、心因性の問題が考えられます。詳しいメカニズムや検査方法について知りたい方は、ぜひ続きをお読みください。

Read More »
陰核(クリトリス)と陰茎(ペニス)

陰核(クリトリス)と陰茎(ペニス)は、男女の性器において重要な役割を果たしています。特にクリトリスは、女性の性的快感に深く関与しており、勃起することもあります。最近の研究では、Krause小体が性に関連した触覚刺激を高感度に検出するセンサーであることが明らかになりました。バイアグラが女性のクリトリスに与える影響についても興味深い報告があります。性器の構造や機能について、さらに詳しく知りたい方はぜひ続きをお読みください。

Read More »
前立腺肥大症治療薬のアルファ遮断薬に分類される各薬剤の違い
ユリーフとフリバスとハルナール

前立腺肥大症の治療は、α遮断薬が中心となります。各々特徴があるため使い分けが必要です。「ユリーフ」は、特に高いα1A選択性を持つシロドシンを成分とし、早漏症の治療効果も期待されており、性行為の前に服用することで射精時間が延長することが報告されています。詳しい効果や副作用について、ぜひご覧ください。

Read More »
静脈性持続勃起性は緊急を要す疾患で、ペニスにダメージを与える
持続勃起症

持続勃起症は、性欲とは無関係に陰茎が持続的に勃起し、痛みを伴うこともある深刻な状態です。特に静脈性持続勃起症は、陰茎内の血液の流れが悪くなり、組織が虚血に陥る危険性があります。発症から6時間以内に適切な処置を行わないと、陰茎組織が壊死する可能性も。動脈性持続勃起症は痛みを伴わないことが多いですが、どちらのタイプも早期の診断と治療が重要です。詳しい情報を知りたい方は、ぜひ続きをご覧ください。

Read More »