リベルサスとオゼンピックに関するYouTube動画の信憑性|池袋スカイクリニック

リベルサスとオゼンピックに関するYouTube動画の信憑性

池袋スカイクリニック

リベルサスとオゼンピックに関するYouTube動画の信憑性

2026年2月13日

Table of Contents

YouTube動画にあるリベルサスやオゼンピックの情報は信頼に値するのか?

最近の傾向として、情報を得るために、YouTubeやSNSで検索するケースが増えてきています。一般的な検索の方が、廃れてきているとさえ感じます。医療情報も同様です。

YouTubeは、動画投稿サイトとして最大なものになりますが、商業的な動画も多く、商品の紹介などは、その購入に誘導するために、メーカーから依頼(もしくは、動画制作者がメーカーに提案)されて作成されたものも多数あります。いわゆる企業案件というものです。そのため、メーカーに有利な動画となるため、正確な情報が得られなくなっているケースが増えています。

池袋スカイクリニックでも、何度か、著名YouTuberによる動画作成提案(1件あたり〇〇〇万円)をいただいたこともありました。つまり、費用を払うことで宣伝(広告)動画を作成するというものです。

YouTube動画でリベルサスやオゼンピックの内容を検証した論文

ここでご紹介するのは、個人的な意見ではなく、医学論文として掲載されたものです。

セマグルチド、オゼンピック、ウゴービ、リベルサスの各キーワードをYouTubeで検索し、制限時間のない動画(フル動画)30本とショート動画(≤1分)30本を抽出。重複除き、96本のフル動画と93本のショート動画を分析しています。

分析法は、カスタムチェックリスト、グローバル品質スコア(GQS)、および

Modified DISCERNの3つのツールによって評価し、字幕や音声の内容について、字幕や音声の内容について、可読性と感情分析も実施されています。

フルレングス動画(時間制限なしのフル動画)とショート動画(≤ 1分)の違い

視聴回数に有意差は無いものの、コメント数は、フル動画の平均669件に対し、ショート動画は約200件と、フル動画が圧倒的に多く、やり取りの深さが示唆されています。

GQS(グローバル品質スコア)は、フル動画の方が質が高く(2.6ポイントvs1.1ポイント)、Modified DISCERNによる信頼性の評価でもフル動画が優れていたとしています(2.3ポイントvs1.1ポイント)。

カスタムチェックリスト(リベルサスとオゼンピック特有の安全性・副作用に関する12項目)では、フル動画は平均2.9項目を言及しているのに対し、ショート動画は0.7項目で、情報量に大きな差があったとしています。

字幕の可読性は両者に大差はなく、表現のトーンは、どちらも中立的なトーンでしたが、フル動画にはポジティブやネガティブも一定数含まれていた点が特徴でとしています。

「YouTube認証済み健康系チャンネル」と「その他チャンネル」の比較

視聴回数・コメント数は、健康系チャンネルの方が視聴回数も多い傾向にありますが、統計的には有意差ありません。

字幕の可読性は、医療専門チャンネルの方が可読性スコアがやや低め、より専門的で少し複雑な表現だった可能性があったとしています 。

GQSとModified DISCERNの評価は、明らかに、認証済みチャンネルの方が高評価です(GQS:3.3vs2.4、m‑DISCERN:3.1vs2.1)。

カスタムチェックリストは、統計的には有意ではありませんでした

傾向

フル動画は、視聴者への教育的価値や信頼性において、ショート動画より優れていることが明らかです。内容が包括的で、視聴後の理解が深まる可能性があります。

YouTube認証済みの医療系チャンネルであれば、質の高い情報が期待でき、医療的背景や安全面にも配慮されている傾向があります。

ショート動画は、要点を素早く訴える入り口としては有効ですが、安全性や副作用などの重要な情報は省略されがちで、軽く内容に触れるだけでは不十分なケースが多いです。

日本ではリベルサスとオゼンピックはダイエット目的での広告がほとんど

日本と海外のYouTubeに投稿されている内容の差も考慮しないといけません。

海外では、糖尿病治療薬としてのリベルサスであり、オゼンピックの情報も多くあるのに対し、本邦では、ダイエット目的の内容であることがほとんどです。また、いわゆるYouYuberのGLP-1ダイエットの体験を報告する動画だったり、著名YouTuberとのコラボ動画も多く存在します。

このような場合、視聴回数を稼ぎ、利益を得るために誇張した内容である場合も多く、注意が必要です。

先にも述べましたが、当院にも数度、著名YouTuberからの営業がありました。広告目的での動画投稿も非常に多く注意が必要です。

Online Information About Side Effects and Safety Concerns of Semaglutide: Mixed Methods Study of YouTube Videos

JMIR Infodemiology. 2025 Apr 8;5:e59767.

doi: 10.2196/59767

【GLP-1ダイエット】に関する最近の記事

抗精神病薬の副作用として体重増加が知られているが、その治療・予防にマンジャロが有効である
マンジャロは抗精神病薬誘発性体重増加を改善

抗精神病薬による体重増加は、精神的な健康に深刻な影響を及ぼす可能性があります。最近の研究では、GLP-1受容体作動薬であるマンジャロやオゼンピックが、抗精神病薬誘発性の体重増加を改善する効果が示されています。66,574人を対象にした後ろ向きコホート研究では、体重減少の幅が薬剤のリスクによって異なることが明らかになりました。精神と肥満の悩みを抱える患者にとって、これらの新しい治療法がどのように役立つのか、詳しく見ていきましょう。

Read More »
ボトックス注射によるED治療は、研究段階の治療法であり、一般診療として行うことは推奨されていない
ボトックス注射によるED治療について

ボトックス注射をED治療に応用しようとする試みがあります。シルデナフィルなどのPDE5阻害剤が一般的な治療法として広まる中、ボトックス注射は、ED治療薬の無効例に対して新たな選択肢として研究されています。しかし、現時点では標準治療ではなく、効果や安全性についてはまだ十分な科学的根拠がありません。この記事では、ボトックス注射のメカニズムや臨床研究の結果、ガイドラインでの位置づけについて詳しく解説します。興味のある方は、ぜひ続きをご覧ください。

Read More »
レノーヴァRENOVAなどの体外衝撃波療法はED治療に有用なのでしょうか?
ED治療における体外衝撃波療法の立ち位置

最近、体外衝撃波療法によるED治療が話題を集めていますが、その実際の効果はどうなのでしょうか?患者満足度は高いとする報告もありますが、勃起機能の改善幅は小さく、結果に乖離が認められる場合もあります。さらに、アメリカでは未承認であり、治療法としての位置づけも各国で異なります。そのため、池袋スカイクリニックでは、体外衝撃波療法には慎重な立場をとっています。ED治療薬が効かない方のための特効薬ではないことを理解する必要があります。詳しくは、本文をご覧ください。

Read More »
慢性副鼻腔炎を有す男性は、EDのリスクが1.5倍あります
慢性副鼻腔炎とEDの関係

慢性副鼻腔炎とED(勃起不全)の関係についての研究が進んでいます。慢性副鼻腔炎を抱える患者は、EDのリスクが1.51倍高いことが示されています。これらの疾患は一見無関係に思えますが、慢性炎症が全身に影響を及ぼし、EDの原因となる可能性があるのです。鼻づまりによる低酸素状態や生活の質の低下も、性欲に影響を与える要因として考えられています。興味のある方は、ぜひ詳細を読み進めてみてください。

Read More »
亜鉛サプリメントの摂取がEDや精力増強につながるとする科学的根拠(エビデンス)は限定的
亜鉛はED勃起機能を改善する?

亜鉛は男性機能や勃起力の改善に効果が期待されていますが、一方で、実際の医学的根拠は乏しいとされています。亜鉛欠乏のある男性には改善の可能性があるものの、十分な亜鉛を摂取している人に対しては効果が証明されていません。さらに、亜鉛サプリメントがEDや性欲の向上に寄与するかどうかは、まだ明確な結論が出ていません。亜鉛の役割やその効果について、詳しく知りたい方はぜひ続きをご覧ください。

Read More »
ED治療薬は因果関係は不明であるものの、心血管イベントと死亡リスクを低下させる
ED治療薬は心臓病と死亡リスクを低下させる

ED治療薬が心臓病や死亡リスクを低下させるという研究報告があります。約125万人のデータを解析したメタ解析では、ED治療薬の使用群は、因果関係不明ながらも、重大な心血管イベントのリスクが22%、全死亡リスクが30%も減少することが示されています。ここでは、ED治療薬(PDE5阻害剤)が、心臓に負担をかける危険な薬剤などといった、風評被害とも言えるイメージを払拭する一助になると思い解説しています。ぜひ続きをご覧ください。

Read More »