アルコール依存性にマンジャロやオゼンピックが有効である可能性|池袋スカイクリニック

アルコール依存性にマンジャロやオゼンピックが有効である可能性

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アルコール依存性にマンジャロやオゼンピックが有効である可能性

2026年4月7日

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アルコール使用障害(依存症)にGLP-1ダイエット治療薬が有効である可能性

アルコール使用障害(日本ではアルコール依存症の方が病名として普及)は、慢性再発性の脳障害として捉えられています。

本邦でも、アイドルグループのメンバーが飲酒運転事故からアルコール依存症であると診断され、話題になったりもしています。

単に禁欲的に飲酒の欲求を抑制しようとした場合、多くは再発するとされていますが、飲酒欲をコントロールすることが、治療の成否に関わってもいます。

アルコール依存症の治療薬はあるものの、決め手となるような薬剤ではなく、リハビリテーションを含め、根気強く治療を行う必要があります。

そこで、最近注目されているのが、ダイエット/糖尿病治療薬であるGLP-1受容体作動薬です。

ここでは、マンジャロとオゼンピックが、アルコール依存症に有効である可能性を示唆する研究報告をご紹介します。

今どきではありますがSNSの掲示板(Reddit)を利用した調査と、153名の聞き取り調査の2本立てとなっています。

SNSの掲示板(Reddit)を利用したアルコールとGLP-1受容体作動薬の調査

最近、SNSを利用した研究報告が散見されます。

詳細は割愛しますが、簡単に申しますと、SNSに記載されているテキストの単語を解析し、内容であったり傾向を解析しています。テキストマイニングと言った方が伝わりやすいかもしれません。

本研究では、掲示板型のSNSであるRedditにおいて、GLP-1受容体作動薬またはGLP-1/GIP受容体作動薬に関連する約68,250件の投稿を機械学習ベースで記録し、調査しています。

そこでは、アルコール・飲酒が主題となることはありませんが、話の流れの中で、GLP-1受容体作動薬による飲酒量の減少や飲酒欲求の低下が取り上げられていたとしています。

アルコール関連の投稿は962人1580件、その投稿の70%には、GLP-1受容体作動薬による飲酒欲求の低下や実際の飲酒量の減少、あるいは、飲酒によって生じる体への影響など、負の影響が記載されていたとしています。

時系列で見た場合、感謝や肯定的な感情が正の相関を示し、増加傾向であったとしています。

さらに、時間経過とともに、その効果ではなく、実際に使用する用量であったり、入手方法や保険での薬剤処方に話題が遷移していったとしています。

簡単にまとめると、アルコール欲求の低下や飲酒量の減少を実感できたため、その次の段階、より効果を出すための用量であったり、継続するための手段に話題が移ったと言えます。

アルコールとGLP-1受容体作動薬に関する153名の聞き取り調査

SNSで募り、参加した153名が対象となっております。 GLP-1受容体作動薬の使用量の平均は、チルゼパチド(マンジャロ)7.5mg、セマグルチド(オゼンピックまたはウゴービ)1mg、セマグルチド内服(リベルサス7mgまたは14mg:各1名)。 BMI35程度の40歳未満の白人女性の参加者が多数を占めています。

この研究では、チルゼパチドやセマグルチドといった薬物群では、対照群と比較して、平均飲酒量と大量飲酒の確率が著しく低かったとしています。 アルコール使用障害(依存症)同定テストの結果も改善(スコア低下)を示しています。 さらに、アルコールの刺激作用および鎮静作用ともに、GLP-1受容体作動薬により、減弱していたとしています。 簡単に言うと、アルコールによる酔い(酩酊作用)が減弱する可能性を示しています。

中枢性の作用と胃排出抑制作用が関与?

現時点では、GLP-1受容体作動薬のアルコール摂取抑制に対するメカニズムは不明です。

脳に対する直接的な作用を指摘する研究もありますし、胃の排泄を遅延させることが満腹感に繋がり、飲酒量の抑制に繋がると考える研究者もいます。

まだまだ課題は多い

本研究報告は、基本的には自己報告の形式をとっているため、その点、バイアスが生じている可能性は否定できません。また、聞き取り調査の対象が、白人女性に偏っていたため、人種差の評価ができていません。 さらには、肥満例が対象であったため、正常体重例では、どのような結果になったのかもわかりません。

重度のアルコール依存症例では、栄養バランスの悪化等により低体重をきたしている場合もあります。この場合、GLP-1受容体作動薬のダイエット作用・体重への影響も無視できません。

飲酒が過体重の原因となっている例に適している可能性

現時点では、飲酒量の減少は、副次的な効果と考えるに止めた方が良いと思われます。

しかし、例えばですが、飲酒と、それに伴う食事が肥満の原因と考えるのであれば、GLP-1ダイエットは、非常に有力な治療手段となります。

多くの患者様から、マンジャロやリベルサスを使用することで、食事摂取量が減ったことはもちろん、飲酒量が減った、飲酒の欲求が減ったと言った、ご意見を頂いております。

今までの経験から、GLP-1受容体作動薬は、食事と飲酒含めて、トータルのカロリーとしての飲食が減ることは間違いないと感じております。

Semaglutide and Tirzepatide reduce alcohol consumption in individuals with obesity

Sci Rep. 2023 Nov 28;13:20998.

doi: 10.1038/s41598-023-48267-2

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