メタボリック症候群の新しい指標

代謝症候群(メタボリック症候群)の検診、いわゆるメタボ検診で、ウエスト周囲径を測定します。
ウエスト周囲径は、簡便な指標ですが、問題点が無いわけではありません。
例えばですが、体が大きい方は、バランス的にウエスト周囲径が大きくなる、具体的には、高身長の方ほど大きくなると考えられます。
肥満の指標として、身長と体重からBMIを算出したりもしますが、BMIでは内臓脂肪を正確に推測することができません。
メタボの判断に大切なのは、内臓脂肪の有無です。
メタボ自体が、内蔵脂肪を原因とする症候群です。
そこで新しい指標が必要になっています。
その一つが、体重調整ウエスト指数です。
新しい肥満指標 として注目されており、さまざまな要因、特に 心血管疾患と関連があることが示されています。
メタボとEDのより正確な指標
EDは肥満度の上昇とともに有病率が上昇することが知られていますが、先に述べた理由と同様に、よりメタボ(内蔵肥満)に関連付けた指標として、EDと体重調整ウエスト指数が考察されています。
体重調整ウエスト指数の計算法
体重調整ウエスト指数=ウエスト周囲長(cm)÷体重(kg)1/2 となります。
体重調整ウエスト指数の平均は10.5〜11.0程度とされています。
体重調整ウエスト指数とEDは正の相関
米国の全国栄養調査(NHANES)2001〜2004年で、合計3,884名をED群と非ED群に分類し、調査が行われた結果、体重調整ウエスト指数とEDは、正の相関があることが指摘されています。
体重調整ウエスト指数によるED予想の最適カットオフ値は10.920(特異度:0.652、感度:0.732)としています。
この予測値は、BMIやウエスト周囲長と独立しており、これらよりも正確な指標であったとしています。
体重調整ウエスト指数が増加するほど、EDの有病率が増加することが示されています。
ED治療のためにもメタボの解消がおすすめ
メタボを指摘されても、自覚症状が乏しく、そのため、その改善に積極的になれない場合もあると思います。
保健指導で、将来の心血管疾患のリスク上昇につながるなどと”脅されても”、やはり、ピンと来ない方もいると思います。
そのときになってみないと、健康のありがたさは分からなかったりします。
そこで、池袋スカイクリニックからの提案です。
EDはメタボの症状と考えて見たらいかがでしょうか?
メタボの改善はEDの予防に繋がります。
EDは、自覚できるメタボの症状の一つです。EDの重症化、将来のED発症の予防のために、頑張って見ようと思っていただけると、良いのではないでしょうか。
体重調整ウエスト指数
weight‑adjusted‑waist index:WWI
Relationship between weight-adjusted-waist index and erectile dysfunction in the United State: results from NHANES 2001-2004
Front Endocrinol (Lausanne). 2023 Apr 25:14:1128076.





