男性の性器は、交感神経(下腹神経)、副交感神経(骨盤内臓神経と仙骨内臓神経)、及び体性神経(陰部神経)の支配を受けています。
骨盤内臓神経は、骨盤部内臓の自律神経系の副交感神経機能を担当する神経の名称で、勃起に非常にかかわりのある神経です。
陰茎海綿体神経は骨盤神経叢から由来するので、
骨盤内臓神経は陰茎海綿体神経の勃起作用に強く関連する、
副交感神経成分の上位神経になります。
本神経も陰茎海綿体神経同様に性機能温存手術にて重要な組織の一つになります。
脊髄中枢は仙髄にあり、陰茎の勃起作用に大きく関係するので、勃起神経とも呼称されることもございますが、
機能的に泌尿器で排尿神経、消化器で排便神経としても知られています。
この神経が前立腺や直腸の手術的合併症として切断されてしまうと、神経因性膀胱や勃起不全を引き起こします。
第2~4仙骨神経の陰部神経叢臓側枝として10本前後の細枝をもって起こり、骨盤神経叢の一部を構成します。
ちなみに、副交感神経に対する交感神経である下腹神経は、その作用として泌尿器で内尿道口の閉鎖(内尿道括約筋の収縮作用)、 生殖器で順行性射精(射精神経の名称もある)、消化器で内肛門括約筋の収縮があげられます。
骨盤内臓神経は、骨盤隔膜を構成する肛門挙筋神経と共通幹をもって起こる例が正常亜系として3/4に存在します。
子宮支持組織である基靭帯の神経部分を構成し、交感神経とともに骨盤神経叢を形成する。
本神経叢の膀胱枝は主に膀胱子宮靭帯後層外側部を走行し、膀胱運動ならびに膀胱知覚を支配する。
広汎性子宮全摘術施行時に膀胱機能を温存し、合併症としての神経損傷を回避するための手術手技が考案されている。
直腸腟靭帯切断にあたってその外側部にある骨盤神経叢を温存する手技と、膀胱子宮靭帯後層切断の際に膀胱から離れ子宮に近い部位を切断して、
膀胱枝を温存する手技である。
これらの手技により膀胱機能障害の発生を抑制することが可能である。
written by 勃起不全は池袋スカイクリニック