糖尿病の治療薬で、ビグアナイド系経口血糖降下剤に分類される薬です。
商品名としてはメトグルコ(メーカー:大日本住友製薬)、メルビン(大日本住友製薬)、グリコラン(日本新薬)、
ジェネリック薬品としてメデット、ネルビス、メトホルミン塩酸塩錠250mg「トーワ」、メトリオン、メトホルミン塩酸塩錠「JG」等があります。
メトグルコのみが、最大服用量が2250mgまで拡大されており、そのため、市場の大半を占めています。
以下、メトグルコとして記述します。
メトグルコ(メトホルミン)は、主に肝臓や骨格筋に作用し、インスリンの抵抗性の改善、肝臓での糖新生を抑制し血糖値を改善させます。
その他の様々な効果も指摘されていますが、完全な作用機序が不明な薬剤でもあります。
メトグルコは、インスリン抵抗性改善薬ととらえられております。
インスリン抵抗性は、臨床的にHOMA-IRで評価されることがございますが、
メトグルコの効果は、このHOMA-IRとは相関が少ないと指摘されています。
メトホルミンの国際誕生は、1959年と歴史の古い薬です。
一時期同じビグアナイド系の薬剤で乳酸アシドーシスの副作用が問題となり、あまり使われない時期がありました。
しかし、1990年代後半から2000年台にかけてUKPDSという大規模試験の結果において、肥満のある2型糖尿病の方にメトホルミンで治療した所、糖尿病の改善効果はもちろん、
心筋梗塞の抑制効果が示され、さらには、10年後にも心筋梗塞や総死亡の抑制効果が続いていた(レガシー効果)などの報告があり、見直されている治療薬です。
世界的には、メトグルコ(メトホルミン)は糖尿病治療薬の第一選択薬になっております。
本邦では、最近まで認可された用量が最高750mgと少なく、血糖改善効果が乏しかったことと、乳酸アシドーシスという重篤な副作用のイメージがあるためか、やや使用頻度の少ない薬剤でした。
最近では、専門医の間では、高用量で、広く処方されておりますが、一般臨床実地医家の間では、
まだまだ、処方数が少ない状況です。
2010年になり、世界的に広く使用されている用量(1500~2250mg)まで増量する事が認可され、これとともにメトホルミンは広く使われるようになってきております。
メトホルミンは、その抗糖尿病効果もさることながら、薬価が安い薬剤としても注目されております。メトホルミン250mg1錠当たりおよそ10円です。
医療費の高騰が問題視されている昨今です。しかも糖尿病患者数は爆発的に増加しております。
まさにメトホルミンは、現代医療のニーズにあった薬品といえます。
メトグルコは、使い方を間違えなければ、安全な薬剤ですが、やはり、副作用への注意は必要です。
中等度以上腎機能障害のある方、重度の肝機能障害のある方、心不全の方、過度のアルコール摂取者、脱水症、脱水が懸念される下痢などの胃腸症状のある方、
重症感染症、手術前後、重篤な外傷のある方などは投与しない事になっています。乳酸アシドーシスを起こしやすい人には投与が禁止されており、また高齢の方も慎重投与になっています。
一般的な副作用としては、消化器症状が挙げられます。
メトグルコは、他の糖尿病薬と併用していない場合、単独での低血糖の危険性は少ない薬剤です。
ビタミンB12の吸収阻害を来すことが知られておりますが、臨床的に問題になる事は、あまりありません。
糖尿病のある方は、糖尿病がEDの原因の可能性もあり、糖尿病の治療が必要です。
同時にEDの治療としてED治療薬、バイアグラ、
レビトラ、シアリスの併用は通常可能です。
ご来院の上ご相談下さい。
written by レトビラなら池袋スカイクリニック