日本人男性に特化したペニスのリハビリテーション法



邦人男性のための陰茎のリハビリテーションについて

 第21回日本性機能学会東部総会での報告です。
筑波大学泌尿器科、末富崇弘先生等の報告です。
多少の解説を加えながらご紹介いたします。

前立腺術後の勃起不全の発症は、以前より広く知られており、術後のQOLの低下をもたらします。 最近では、単に病気を治療するだけでなく、術後の生活の質QOLの向上にも注力されるようになり、 術後の勃起不全の抑制にも注目が集まっております。 ペニスのリハビリテーションについては、まだ歴史が浅く、当初はPGE1海綿体内注射法が報告されています。

1997年のMontorsiらのPGE1海綿体内注射法の報告以来、ペニスのリハビリテーションに関心が寄せられています。 様々な研究が行われていますが、未だに最適な方法に関しては結論が出ていない状況です。
本邦以外に目を向けると、代表的なペニスのリハビリテーションの方法として、勃起薬、陰圧式勃起補助具、陰茎海綿体自己注射、 尿道内注入療法の有効性を示した研究が報告されています。
また最近では、術後のペニスのリハビリテーションによる勃起機能の回復予測や、 コンブライアンスを高めるためのカウンセリングなども報告されています。

一方、本邦では、諸外国に比較し、ペニスのリハビリテーションに関する報告は少なく、とくに、対象がある程度まとまった人数の報告は少ない状況です。
その背景には、海綿体自己注射等の治療法が、保険適応がないこと、また、そもそも諸外国と比較して、性交sex頻度が少く、術後の性行為sexの要求が少ない事も影響しております。

性機能外来受診者およそ100例を対象に、勃起不全に対する治療法の希望調査を行ったところ、回答を頂けた85例では、 (複数回答あり)、内服薬約90%、塗布薬約50%、尿道注入薬約10%、陰圧式勃起補助具約5%、海綿体注射約15%、外科的治療約5%という結果であり、 薬物療法以外の、手術などの侵襲的な治療は希望しないという傾向であった。
この結果がそのまま、前立腺全摘症例に当てはまるわけではないとは思いますが、おおよそ同じ傾向と言えるでしょう。
現在同様の内容のアンケート用紙を用いて、希望する勃起不全治療について、 横断的調査ならびに前向き調査を計画中だそうです。

その他、最適な治療法、開始時期、継続期間、連日投与か必要時だけの投与に限るか、年齢制限等が、今後検討していくべき項目は多数あります。
今後の研究成果を望みます。


勃起不全は池袋スカイクリニック