冷え性の人はED勃起不全が多い?!|池袋スカイクリニック

冷え性の人はED勃起不全が多い?!

池袋スカイクリニック

冷え性の人はED勃起不全が多い?!

2026年5月25日

Table of Contents

手足の冷え性はED勃起不全と関連している

手足の冷え性Cold hypersensitivityは、自律神経機能の低下や血管内皮機能の低下と関連することが指摘されています。

お気づきの方もいらっしゃるかもしれませんが、自律神経機能と血管内皮機能は、勃起にも重要です。 これらの機能低下や障害があると、ED勃起不全が生じます。

つまり、冷え性とEDは、原因が似通っています。

そこで、手足の冷え性とEDの関係を調査しようとした発想が生まれます。

ここでは、台湾の男性を対象とした研究調査を、ご紹介します。

冷え性とは|寒冷過敏症

冷え性とは、周囲の温度がそれほど低くないのに、手足や体が冷たく感じやすい状態のことをいいます。 東アジアの人々(特に女性において)、しばしば認められる症状であり、生活の質を低下させるものです。

冷え性発症の正確なメカニズムは、明らかになっていません。

末梢血管の過敏な血管収縮反応と考えられており、一部、遺伝的な要素も指摘されています。

病気そのものではありませんが、強い冷えが続く場合は、血流や自律神経のバランスに問題があるサインの可能性があります。

冷え性はEDの危険因子を低減させる

冷え性の存在は、高血圧、糖尿病、空腹時血糖障害、脂質異常症、脳卒中、脂肪肝、狭心症などの代謝性疾患や心血管疾患の発生率の低下と関連していることが報告されていますが、これらは、EDの危険因子でもあります。

つまり、冷え性は、EDの危険因子を低減させるため、EDの発症に関与しているとする考えとは矛盾するとも言えます。

自律神経症と血管内皮障害に対して、これらED危険因子の影響の優劣によるとも考えられます。

台湾人男性を対象とした研究報告

ソーシャルメディア上で、研究への参加を募集。20〜40歳の性生活のある男性を対象とし、アンケートを実施。 手足の冷え性は、主観的なアンケート調査を実施しています。

両手または両足の感覚を、「冷たい」、「中間」、「暖かい」の3段階で評価し、両手両足ともに「冷たい」場合に、冷え性と定義しています。

勃起機能については、国際勃起機能スコアIIEF-5で評価されています。 IIEF-5スコアが21点以下の場合をEDと定義しています。 ED治療薬による治療歴がある場合は、除外されています。

これらアンケートの結果を解析しています。 アンケート回答率は36.3%、2,199人の台湾人男性が対象となっています。

冷え性と非冷え性グループの特徴

この報告では、冷え性の有病率は27.9%、EDの有病率は54.2%(あくまで、この研究内での有病率です)。

冷え性例では、そうでない群と比較し、年齢とBMI(Body Mass Index:肥満度)が有意に低かったとしています。

併存疾患に関しては、冷え性例は、精神障害や不眠症が多く、非冷え性例では糖尿病が有意に多かったとしています。その他の併存疾患については有意差は認められていません。

また、喫煙歴は、冷え性例の方が有意に高率であったとしています。

手足の冷え性がある男性はEDのリスクが約1.4倍

EDは、冷え性例では59.5%、非冷え性例では52.1%だったとしています。

IIEF-5スコアは、冷え性例で19.2±4.8、非冷え性例では20.4±4.0となっています。

年齢、肥満、喫煙歴、併存疾患、および運動習慣で補正した後の解析では、冷え性例では、EDのリスクは約1.4倍であったと算出されています。

その他として、年齢(約1.3倍)、肥満(約1.2倍)、精神障害および不眠(約1.6倍)、定期的な運動習慣の欠如(約1.2倍)がEDのリスクとして挙げられています。

冷え性とEDの直接の因果関係は不明

本研究は、冷え性とEDの関連についての調査であり、直接の因果関係は不明です。

喫煙や運動不足、睡眠不足、ストレスなどは、冷え性とEDの共通の危険因子です。 これらの改善を試みることは、有益である可能性があります。

血管内皮障害と自律神経異常が一因と考えるのであれば、禁煙は血管内皮障害を抑制し、運動習慣や良質な睡眠やストレスの発散は、自律神経機能の回復に役立つかもしれません。

冷え性の治療

冷え性の治療については、明確な医学的エビデンスを有す治療法はありません。

冷え性の改善がEDを改善するか否かも分かっておりません。

しかし、冷え性は、生活習慣の改善が奏功することもあるため、その改善を試みても良いかもしれません。

一般的には、運動習慣は、血管内皮機能を改善し、抹消血流を改善するとされています。 さらに、運動による筋肉量の増加は、熱産生に繋がります。

入浴や温熱療法は、皮膚の血管を拡張させ、末梢血流の増加をきたします。医学的エビデンスには乏しいですが、容易に実行可能な方法です。

睡眠の質の改善とストレスの軽減は、交感神経の緊張を改善し、その結果、末梢血管の拡張・血流増加をきたす可能性があります。冷え性に対する医学的エビデンスは乏しいですが、現代人にとって睡眠とストレスを管理することは、とても重要です。

生姜などの体を温めるとされる食事も有効かもしれません。貧血や低栄養(やせ)などがある場合は、その改善を目指して下さい。

喫煙は末梢血管の収縮を引き起こすため、禁煙することは有効であると考えられます。

Cold hypersensitivity in the hands and feet is associated with erectile dysfunction in young Taiwanese men

Sci Rep. 2024 May 8;14:10577.

doi: 10.1038/s41598-024-60260-x

【ED】に関する最近の記事

精力増強を謳うサプリメントや漢方薬の中にED治療薬の成分が検出されるケースが多い
精力増強を謳うサプリメントの安全性と効果

ED勃起不全は多くの男性にとって深刻な悩みですが、インターネット上には勢力増強効果を謳うサプリメントや漢方薬が溢れています。しかし、これらの製品には未表示のED治療薬成分が含まれている可能性が高く、過量投与による副作用のリスクも伴います。例えばですが、「天然成分」や「副作用なし」という宣伝文句は本当に信頼できるのでしょうか?安全性と効果についての真実を知るために、ぜひ続きをお読みください。

Read More »
ED治療薬は初回に処方された薬剤と同一薬剤を継続する傾向が高い
ED治療薬の他剤への切り替え率と重複使用率

初回のED治療薬処方後、多くの患者が同じ薬剤を継続して使用する一方で、他のED治療薬への切り替え率は意外にも低いことが分かっています。特にシルデナフィルは、他の薬剤に比べて切り替え率が最も低く、効果と副作用のバランスが評価されています。タダラフィルの重複使用率が高い理由や、患者の背景についても考察されています。

Read More »
マンジャロやリベルサスなどGLP--1ダイエットで使用する薬剤による自殺念慮や抑うつ増悪との因果関係は否定的
自殺念慮について|GLP-1ダイエット

GLP-1受容体作動薬と、抑うつの増悪や自殺念慮や自殺企図との因果関係に関して、注目されたことがございました。これにより、欧州医薬品庁(EMA)およびアメリカ食品医薬品局(FDA)の調査が行われ、2024年に、その結果が報告されています。両機関は、現時点において因果関係を支持する証拠は発見されていないとの結論に至っています。関心のある方は、ぜひ引き続きお読みください。

Read More »
2.5mgや5mgの低用量タダラフィルを毎日服用した場合、その効果は頓服よりも効果がある?
低用量タダラフィルの毎日服用療法の長期ED改善効果

最近、低用量タダラフィルの連日服用がEDに効果があるのか?と言ったお問い合わせがあります。実際に、連日服用は必要時服用よりも優れているのでしょうか?タダラフィルの連日服用の有効性は、用量によって異なります。メリットとデマリットを理解し、あなたに最適な治療法を選択して下さい。

Read More »
糖尿病治療薬であるピオグリタゾンはシルデナフィルが無効のEDの勃起機能を改善する
シルデナフィル無効ED例におけるピオグリタゾンの効果

シルデナフィルが無効な勃起不全(ED)に対して、ピオグリタゾンがどのように効果を示すのか、興味深い研究結果が報告されています。ED治療薬が無効だった場合、治療の選択肢が限られます。この研究では、ピオグリタゾンが勃起機能を改善する可能性が示唆されています。

Read More »
オゼンピックによるGLP-1ダイエット中に円形脱毛症が発症としたとするケースレポート
ダイエットのためのオゼンピック治療後の円形脱毛症

オゼンピックによるダイエット治療中に、円形脱毛症が合併したとするケースレポートが報告されました。23歳の女性が、GLP-1ダイエット開始から3ヶ月後に円形脱毛症を発症しています。急速な体重減少が髪の健康に与える影響や、オゼンピックとの関連性についての考察がされています。

Read More »