EDに対する低強度の体外衝撃波療法|池袋スカイクリニック

EDに対する低強度の体外衝撃波療法

池袋スカイクリニック

EDに対する低強度の体外衝撃波療法

2026年2月13日

Table of Contents

勃起不全(ED)に対する低強度体外衝撃波療法(LI-ESWT)治療の臨床的有効性

低強度体外衝撃波治療は血管原性EDを改善する可能で位があるが神経原性EDには無効
体外衝撃波治療ESWTのED改善効果は、軽度に限られる可能性が高い

しばしば、ネット広告などで、”15分で簡単ED治療”、”薬に頼らないED治療”、”飲まないED治療”などといった表現を見かけますが、その一部治療法が、ここで挙げる、低強度の体外衝撃波を用いた治療法です。

ED治療薬で効果が得られなかった方や、根本的にEDを改善したい方には、うってつけの治療法の様に思えますが、その効果は、いかほどなのでしょうか?

そのED改善効果を評価した論文を、ご紹介いたします。

PubMedおよびWeb of Scienceを用い、2010年1月~2020年12月のデータから、106本の論文を抽出。 11件のランダム化比較試験(RCT)をレビュー対象として、合計920名の男性が対象となっています。 対象患者の内訳は、年齢18~80歳、EDの原因は81%が血管性(vasculogenic)、19%が神経性(neurogenic)であったとしています。

結果は、920例中348例にED改善効果

920名中、348名が統計的に有意な勃起機能の改善を示した一方で、572名は有意な改善を得られなかったとしています。

こうした違いは、治療プロトコル(エネルギー量や衝撃回数)、対象者の背景(血管性vs神経性、糖尿病の有無など)、フォローアップ期間、評価方法など多様な要因によるものです。

このように、現在の知見では、ED治療に対する低強度体外衝撃波治療には一定の可能性が示されているが、臨床的に一貫した有効性を裏付ける十分な証拠とは言えません。

他の研究やメタ解析では、IIEFスコアの改善が平均+3程度といった報告もあり、さらに、治療3か月時点では有意な改善得られるものの、12か月以上では効果が持続しないケースも多いとされています。

低強度体外衝撃波治療は、現時点では、EDに対して著効する治療法ではない印象です。

血管性(vasculogenic)EDには効果ある可能性

レビューで対象となった患者の大部分(約8割)は血管性 ED でしたが、この群では IIEFスコアが改善した例が比較的多いと報告されています。

体外衝撃波治療そのものが、血流改善を狙う治療法なので、血管性の人に効果が出やすいと考えられます。

神経性(neurogenic)EDには効果が無い

対照的に、前立腺摘出手術後などに発症した神経因性ED例では、効果がほとんど見られなかったとしています。

これは衝撃波による血管新生が主作用であるため、神経損傷が原因のEDでは十分な改善が得られにくいと考えられます。

軽症〜中等度ED例が効果が得られやすい

重症ED例に比べて、軽症〜中等症の患者で効果が出やすい傾向が示されています。

特に、バイアグラなどのED治療薬(PDE5阻害薬)で部分的な反応がある人が対象になると、低強度体外衝撃波治療の追加効果が期待できるケースがあったともされています。

ED治療薬に十分な効果がない患者群でも、低強度体外衝撃波治療後に薬の反応性が改善した例が報告されています。

つまり、治療抵抗性の改善補助としての役割が示唆されています。しかし、基本的には、II­EFスコアが低い重症例では効果が限定的であると考えられます。

EDの根治を期待できるほど強力な治療法でもありませんし、また、長期の効果も期待できません

ED治療薬に代わる治療では無い

このように、低強度体外衝撃波治療は、プロトコルによって治療効果が変化する可能性があるため、その治療効果を否定するものではありません。しかし、現時点では、明確にED改善効果を期待できる治療法ではありません。

ED治療薬に取って代わる治療法では無いため、もし、治療を希望するのであれば、過度の期待はしない方が良いかもしれません。

ちなみに、池袋スカイクリニックでは、低強度体外衝撃波によるED治療は行なっておりません。

低強度体外衝撃波治療を推奨する医療機関があれば、担当医師に、その理由を説明してもらうようにして下さい。

高額な費用を請求される場合もあるため、よく考えて治療法を選択して下さい。

Low-intensity extracorporeal shockwave therapy for erectile dysfunction

Arab J Urol. 2021 Jul 5;19(3):340–345.

doi: 10.1080/2090598X.2021.1948158

【ED】に関する最近の記事

ed治療薬であるシルデナフィルの普及とともに自殺率が低下しているとの報告
シルデナフィルの普及は自殺数の低下に繋がる

シルデナフィルの普及が自殺数の低下に繋がるという興味深い研究結果があります。性的親密さや性機能の改善がメンタルヘルスに与える影響について、特に50〜59歳の男性に焦点を当てた分析が行われました。スウェーデンのデータを基に、ED治療薬の使用増加が自殺率に与える好影響が明らかにされています。

Read More »
降圧薬により高血圧治療中であってもタダラフィルによるED治療は安全である
高血圧治療中患者におけるタダラフィルの安全性

高血圧治療中の患者において、ED治療薬タダラフィルは安全に服薬できることが論文として報告されています。日本人の食生活は塩分が多く、高血圧患者が多い中、タダラフィルは安全に使用できる可能性があります。また、心血管イベントのリスクも増加せず、降圧薬との併用もほとんど問題ないとされています。高血圧をしっかり治療した上で、ED治療を行うことが推奨されております。

Read More »
シルデナフィルなどのED治療薬は糖尿病患者の全死亡率を改善する
糖尿病患者におけるED治療薬と全死亡率低下の関係

糖尿病患者におけるED治療薬の使用が全死亡率を低下させる可能性があることをご存知ですか?2型糖尿病の男性を対象にした追跡調査では、ED治療薬使用者の死亡率が非使用者に比べてハザードリスクが約46%低下したとの結果が得られています。ED治療薬の使用歴は、心筋梗塞のリスクの減少、全体的な健康状態の改善との関連が示唆されています。

Read More »
前立腺肥大症におけるタダラフィルの使用は、2型糖尿病の新規発症を予防する
前立腺肥大症に対するタダラフィルは糖尿病の新規発症を抑制

タダラフィル5mgの常用が糖尿病発症を抑制する可能性があることが、前立腺肥大症患者を対象にした研究で明らかになりました。タダラフィルは、従来のα遮断薬と比較して、新規2型糖尿病の発症率を約53%減少させることが示されています。この研究は、日本の大規模な保険請求データベースを基にしており、タダラフィルの血管内皮機能改善作用が好影響を与えた可能性が指摘されていますが、現時点では、明らかになっておりません。

Read More »
セマグルチドはダイエット用に使用されることが多いですが、ニコチン依存症のリスクを回避させる可能性がある
タバコ使用障害のリスク低下の可能性|セマグルチド

セマグルチドは、糖尿病や肥満治療に用いられるGLP-1受容体作動薬ですが、最近の研究でタバコ使用障害のリスクを低下させる可能性が示されています。セマグルチド製剤であるリベルサスやオゼンピックを使用した患者では、喫煙欲求が減少したとの報告があります。さらに禁煙後の体重増加を抑制する可能性もあります。タバコ使用障害の診断基準など、詳しくは本文をご覧ください。

Read More »
全身性炎症反応指数を用い、前もってED治療薬タダラフィルの効果を予測しようとする研究報告
全身性炎症反応指数で見るタダラフィルの効果予測

全身性炎症反応指数(SIRI)が、ED治療薬タダラフィルの効果を予測する可能性についての研究があります。SIRIは血液中の免疫細胞のバランスから炎症状態を数値化した指標で、がんの予後や動脈硬化や心血管疾患との関連が示されています。この研究では、タダラフィルが無効だった患者の特徴を明らかにし、ED治療における新たなアプローチを提案しています。

Read More »