認知障害におけるED薬タダラフィルの可能性|池袋スカイクリニック

認知障害におけるED薬タダラフィルの可能性

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認知障害におけるED薬タダラフィルの可能性

2026年5月2日

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低用量タダラフィル5mgによって認知機能は改善する?

先進国の多くは高齢化を迎えており、認知症の予防や治療は、重大な課題となっています。

軽度認知障害(MCI:Mild Cognitive Impairment)とは、正常ではないが、認知症とも言えない、中間的な段階を指した状態であり、認知症への進行を遅延・抑制することが重要となります。

タダラフィル(シアリス)などのED治療薬は、PDE5阻害薬に分類され、そのユニークな作用機序から、様々な疾患に対する可能性が研究されております。その一つの可能性として、ED治療薬の認知機能に対する効果が論じられています。

ここでは、タダラフィルの軽度認知障害に対する効果、脳血流改善効果を検証した論文をご紹介します。

タダラフィル5mgを8週間連日服用

対象は、50〜75歳の男性で、ED(IIEF-5スコア ≦21)を認め、かつ、軽度認知障害MCI(モントリオール認知評価:MoCA ≦22)のある患者です。

本研究では30人の男性患者が治療群に割り当てられ、25人の患者が8週間の治療コースを修了しています。(5人の患者が、筋肉痛やめまいなどの有害事象により中止となっています。)

研究開始してから8週間後に、IIEF-5スコアと、モントリオール認知評価、脳血流SPECTにより、タダラフィル5mgの効果が評価されています。

タダラフィル5mgは軽度認知障害とEDを改善

モントリオール認知評価MoCAスコアは、18.9 → 21.8と、有意に上昇し、認知機能が改善が示されています。

当然ですが、IIEF-5スコアも7.5 → 12.9と上昇し、改善を認めています。

脳血流SPECTで見た脳血流の変化として、後中心回(postcentral gyrus)、前部頭頂葉/後帯状回(precuneus)、脳幹(brainstem)領域で相対的な血流量が増加を認めています。

逆に、海馬(hippocampus)では血流が減少したともされています。

タダラフィルが認知障害を改善するメカニズム

本研究報告では、認知機能を改善するメカニズムの一つとして、タダラフィルの血流改善作用を上げています。

タダラフィルを含むPDE5阻害剤に属するED治療薬は、その血管拡張作用によって勃起効果を発揮します。

タダラフィルおよびシルデナフィルは、その血管拡張作用により、肺高血圧症の治療薬として、臨床でも使用されています。

つまり、ここでは、タダラフィルの血管拡張作用から、脳血流の増加をきたし、それが認知機能の改善につながった可能性を指摘しています。

その他のメカニズムの可能性も指摘されています。

血流改善作用は、ED治療薬だけが有するものではありません。もし、認知機能改善作用がPDE5阻害剤(ED治療薬)に固有のものであると考えるのであれば、その他のメカニズムが存在するはずです。

あくまでパイロット研究

この研究報告を持って、軽度認知障害例に対して低用量タダラフィル5mgの連日服用療法が推奨されているわけではありません。

規模が30人と小規模であり、さらに、比較対象を設定していない研究報告です。

あくまでパイロット研究と言った立ち位置の報告であり、医療的に効果を明らかにするには、より大規模な研究が必要になります。

タダラフィルによるアンチエイジング|認知機能

本研究報告のように、ED治療薬が認知機能を改善する可能性を指摘する報告は、ED治療薬市販当初より散見されていました。 残念ながら、現在までに、大規模な臨床研究を行って、効果を検証するまでに至っておりません。 認知機能の改善は、脳のアンチエイジングとしても、関心の高い内容です。 アンチエイジングにタダラフィルを利用しようとする動きがあることも確かです。 しかし、まだまだ、十分なエビデンスevidence科学的根拠が揃っていなため、慎重に検討する必要があります。 今後の研究報告を待つ必要がございます。

The Effect of Daily Low Dose Tadalafil on Cerebral Perfusion and Cognition in Patients with Erectile Dysfunction and Mild Cognitive Impairment

Clin Psychopharmacol Neurosci. 2019 Aug 31;17(3):432–437.

doi: 10.9758/cpn.2019.17.3.432

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