GLP-1受容体作動薬に関連するEDなど男性性機能障害|池袋スカイクリニック

GLP-1受容体作動薬に関連するEDなど男性性機能障害

池袋スカイクリニック

GLP-1受容体作動薬に関連するEDなど男性性機能障害

2026年2月13日

Table of Contents

GLP-1受容体作動薬に関連する男性性機能障害:FAERSデータの横断的分析

グルカゴン様ペプチド-1(GLP-1)受容体作動薬は、2型糖尿病やダイエット治療に広く処方されています。

本邦でも、画期的な糖尿病治療効果により、広く使用されています。また、体重の管理にも有用であり、現代人のニーズにマッチした薬剤です。

しかし、比較的、新しい機序の薬剤であるため、認識されていない副作用がある可能性があります。

添付文書では

ちなみにリベルサスのインタビューフォーム(医師向けの詳細な説明書)ではedの発現頻度は0.1%未満、オゼンピックでは0.1%、マンジャロでは15mg(かなりの高用量)で0.2%(5mgおよび10mgでは0%)となっています。この程度の頻度の場合は、因果関係をみつけることは難しいと言えます。

しかし、市販ご調査にて、初めてわかることもあります。

有害事象報告システム(FAERS)による副作用報告

この報告は、アメリカの食品医薬品局FDAによる有害事象報告システム(FAERS)のデータを用いて、GLP-1受容体作動薬と男性性機能障害との関連性を調査しています。医師または患者自身が登録する副作用報告のデーターベースです。市販後調査の一つとお考え下さい。

2003年第4四半期から2024年第1四半期までの報告をOpenVigil 2.1プラットフォームを用いて分析。GLP-1受容体作動薬(チルゼパチド、セマグルチド、デュラグルチド、エキセナチド、リキシセナチド、リラグルチド)に関連するオルガスム機能障害、勃起障害、または性欲減退を経験した男性患者を検索し、182例の副作用報告が特定(年齢層は40~60歳が大部分を占めています)されています。

GLP-1ダイエットとEDの因果関係は乏しい

エキセナチドが報告数の24.2%を占め、次いでセマグルチド(21.4%:リベルサスまたはオゼンピック)でした。

使用用途としては、糖尿病治療が最多(43.9%)でした。統計的に有意なカイ二乗値(P< 0.0001)を示したものの、ROR(0.41、95%信頼区間(CI):0.36~0.48)、PRR(0.41、95% CI:0.36~0.48)、RRR(0.42、95% CI:0.36~0.48)が低いことから、関連性は弱いことが示唆されます。これらの知見は、GLP-1の使用が拡大するにつれてモニタリングの必要性はありますが、全体的な患者リスクは非常に低いと考えられます。

その他の要素がEDに影響している

先にも示しましたが、GLP-1ダイエットによるEDの発症は、関連性に乏しいと言えます。

GLP-1ダイエットとEDの因果関係は置いておくとして、肥満症とEDの関連は証明されています。

肥満症は、俗に言うメタボは、医学的にはインスリン抵抗性を病態としています。このインスリン抵抗性が、陰茎の血管の拡張性を損ね、EDを発症しえます。器質性EDの原因となります。

また、肥満症は、心因性EDの原因ともされています。肥満症の中には、ご本人の体型にコンプレックスを抱いている方がいます。裸になることへの抵抗感がある場合、これが性欲を減退させ、EDにつながることも指摘されています。

Male sexual dysfunction associated with GLP-1 receptor agonists: a cross-sectional analysis of FAERS data

Int J Impot Res.2025 Apr 16.

DOI: 10.1038/s41443-025-01061-2

【GLP-1ダイエット】に関する最近の記事

【ED】に関する最近の記事

女性の性機能障害の薬物療法についての一般的な解説。本邦未認可の薬剤になります。
女性性機能障害の薬物療法

女性の性機能障害は、さまざまな要因によって引き起こされることがあります。特に、閉経後の女性においては、ホルモンの変化や心理的な要因が影響を及ぼすことが多いです。フリバンセリンやブレメラノチドなどの薬物療法が注目されていますが、効果や副作用についての理解が重要です。さらに、テストステロン補充療法も選択肢の一つとして考えられています。詳しい情報を知りたい方は、ぜひ続きをご覧ください。

Read More »
女性の性機能障害についての一般的な解説。簡易的なチェックシートあり。
女性の性機能障害について|簡易的なチェックシート

女性の性機能障害は、多くの女性が抱える悩みですが、理解と適切なアプローチが必要です。本ページでは、DSM-5に基づく障害の分類や、身体的・心理的要因、治療法について詳しく解説しています。決定的な父療法はなく、心理・行動療法や生活習慣の見直しなどを行います。気になる症状がある方は、ぜひ専門医療機関での評価を検討してください。あなたの健康と幸福のために、正しい情報を手に入れてください。

Read More »
高血圧はEDと密接に関与しており、治療により発症を予防する可能性がある
高血圧とED

高血圧は、実はED(勃起不全)の発症リスクを大きく高める要因の一つです。日本では約3人に1人が高血圧と診断されており、特に年齢が上がるにつれてその割合は増加します。研究によると、高血圧患者は正常血圧者に比べてEDの有病率が顕著に高く、重症化しやすいことが明らかになっています。高血圧の治療がEDの改善や将来のEDの予防に繋がる可能性があります。

Read More »
アレルギー性鼻炎や花粉症は男女ともに性機能障害となりうる。
アレルギー性鼻炎の鼻症状は性機能障害に繋がる可能性

今や国民病とさえもされるアレルギー性鼻炎。花粉症と言ったほうが馴染みが有るかもしれません。このアレルギー性鼻炎と性機能障害と、負の相関が有ることが分かってきています。特に鼻閉や嗅覚障害は、男性のED、女性の性的興奮などと、強い負の相関が示されています。

Read More »
リベルサスやオゼンピックは、糖尿病患者のアルツハイマー認知症の発症リスクを低下させる可能性がある
オゼンピックやリベルサスはアルツハイマー認知症を抑制する

オゼンピックやリベルサスといったGLP-1受容体作動薬が、アルツハイマー認知症のリスクを低下させる可能性が指摘されています。アメリカの100万人規模の研究では、セマグルチドの使用が他の抗糖尿病薬に比べて、アルツハイマー病の発症リスクを40~70%も減少させたと報告されています。糖尿病や肥満症の治療が、認知症予防に繋がるかもしれないという新たな視点が注目されています。詳細な研究結果をぜひご覧ください。

Read More »
精力増強を謳うサプリメントや漢方薬の中にED治療薬の成分が検出されるケースが多い
精力増強を謳うサプリメントの安全性と効果

ED勃起不全は多くの男性にとって深刻な悩みですが、インターネット上には勢力増強効果を謳うサプリメントや漢方薬が溢れています。しかし、これらの製品には未表示のED治療薬成分が含まれている可能性が高く、過量投与による副作用のリスクも伴います。例えばですが、「天然成分」や「副作用なし」という宣伝文句は本当に信頼できるのでしょうか?安全性と効果についての真実を知るために、ぜひ続きをお読みください。

Read More »