アレルギー性鼻炎の鼻症状は性機能障害に繋がる可能性|池袋スカイクリニック

アレルギー性鼻炎の鼻症状は性機能障害に繋がる可能性

池袋スカイクリニック

アレルギー性鼻炎の鼻症状は性機能障害に繋がる可能性

2026年2月17日

Table of Contents

花粉症などのアレルギー性鼻炎と性機能障害の関係

アレルギー性鼻炎は、生活の質に大きな影響を与える、様々な症状を惹起します。

環境省のデータでは、アレルギー性鼻炎の有病率は、最近の20年で、およそ2倍に増加してるとし、2019年のデータでは、42.5%がアレルギー性鼻炎に罹患しているとしています。 民間のデータでは、花粉症(季節性アレルギー性鼻炎)は、2人に1人に認められるとする報告もあります。

症状は、鼻や眼だけにとどまらず、頭がぼーっとする、集中力の低下、倦怠感、睡眠の質の低下などを来す場合もあります。

全身性に影響を及ぼすアレルギー性鼻炎ですが、男女問わず、性機能に影響を及ぼすことが分かってきています。

ここでは、アレルギー性鼻炎の鼻症状と性機能障害の関係を検討した報告をご紹介します。

鼻症状と性機能を評価

男女含むアレルギー性鼻炎1,034人と、対照とし健常者422人を比較検討。

鼻症状はVisual Analog Scale(VAS)で、男性例はIIEFスコア、女性例はFSFIスコアで性機能を評価しています。

ここでは、対象は、花粉症ではなく、なんらかのアレルゲンに対する鼻炎としています。

アレルギー性鼻炎例で性機能障害が増加

男性例では、性機能障害の指標であるIIEFスコアが、アレルギー性鼻炎群が44.0であったのに対し、対照群(正常群)では49.0と有意差を持って低くなっています。

他にも、IIEFスコアの各ドメインに注目すると、勃起機能(18.0vs20.0)、性欲(5.0vs7.0)、全体満足度(6.0vs8.0)と、3項目で有意に低下しています。

残りの『性交満足度』と『オーガズム機能』の2項目には、有意差は認められていません。

鼻閉と嗅覚障害と男性機能障害の強い負の相関

鼻閉と勃起機能は、特に強い負の相関を認めています。鼻閉が強いほどEDを生じやすくなることになります。

鼻閉とオーガズム(アレルギー性鼻炎vs健常者では、全体としてはオーガズムの差は認められていませんが、鼻閉の程度を考慮した場合、負の相関が生まれています)、性欲も、強い負の相関を認めています。

鼻漏やくしゃみは、中等度の相関を認めています。

女性のアレルギー性鼻炎も性機能を抑制する

アレルギー性鼻炎(花粉症等)は、男性だけでなく、女性の性機能障害も惹起します。

この報告では、アレルギー性鼻炎群では、対照ぐんと比較し、Female Sexual Function Index(FSFI)が低いと報告されています。 男性同様、特に、鼻閉と嗅覚障害と性機能障害との相関が強いとされています。

女性の場合は、性的興奮、オーガズム、満足度と強い負の相関があったとしています。

アレルギー性鼻炎による性機能障害のメカニズム

本研究は、アレルギー性鼻炎と性機能障害の相関を調べるものであり、性機能障害発症のメカニズムは考察のみに留まっています。

性機能障害と最も負の相関が強い鼻閉は、睡眠障害を引き起こし、テストステロン(男性ホルモン)の分泌が低下させることが、一因ではないかと考察されています。

嗅覚障害は、フェロモンなどの性的魅力の認知を障害し、性的興奮を低下させる可能性も指摘しています。

症状が強ければ、集中力低下や社会活動制限、抑うつ傾向を生じることがあり、これもまた、性機能障害を誘発すると考えられます。

また、アレルギー性鼻炎は、ヒスタミンや様々なサイトカインが関与する慢性炎症状態であり、それが、陰茎の血管内皮機能障害をきたし、勃起不全EDを生じる可能性が考察されています。

以上は、あくまで考察です。アレルギー性鼻炎が性機能障害を引き起こすメカニズムにつきましては、今後の研究報告を待つ必要があります。

抗アレルギー薬と性機能障害の関係は、別の機会にご紹介しようと思います。

Nasal Symptoms Among Allergic Rhinitis Patients Could Contribute to Sexual Dysfunction

J Asthma Allergy. 2025 Feb 17;18:219–227.

doi:
女性の性機能障害の薬物療法についての一般的な解説。本邦未認可の薬剤になります。
女性性機能障害の薬物療法

女性の性機能障害は、さまざまな要因によって引き起こされることがあります。特に、閉経後の女性においては、ホルモンの変化や心理的な要因が影響を及ぼすことが多いです。フリバンセリンやブレメラノチドなどの薬物療法が注目されていますが、効果や副作用についての理解が重要です。さらに、テストステロン補充療法も選択肢の一つとして考えられています。詳しい情報を知りたい方は、ぜひ続きをご覧ください。

Read More »
女性の性機能障害についての一般的な解説。簡易的なチェックシートあり。
女性の性機能障害について|簡易的なチェックシート

女性の性機能障害は、多くの女性が抱える悩みですが、理解と適切なアプローチが必要です。本ページでは、DSM-5に基づく障害の分類や、身体的・心理的要因、治療法について詳しく解説しています。決定的な父療法はなく、心理・行動療法や生活習慣の見直しなどを行います。気になる症状がある方は、ぜひ専門医療機関での評価を検討してください。あなたの健康と幸福のために、正しい情報を手に入れてください。

Read More »
高血圧はEDと密接に関与しており、治療により発症を予防する可能性がある
高血圧とED

高血圧は、実はED(勃起不全)の発症リスクを大きく高める要因の一つです。日本では約3人に1人が高血圧と診断されており、特に年齢が上がるにつれてその割合は増加します。研究によると、高血圧患者は正常血圧者に比べてEDの有病率が顕著に高く、重症化しやすいことが明らかになっています。高血圧の治療がEDの改善や将来のEDの予防に繋がる可能性があります。

Read More »
アレルギー性鼻炎や花粉症は男女ともに性機能障害となりうる。
アレルギー性鼻炎の鼻症状は性機能障害に繋がる可能性

今や国民病とさえもされるアレルギー性鼻炎。花粉症と言ったほうが馴染みが有るかもしれません。このアレルギー性鼻炎と性機能障害と、負の相関が有ることが分かってきています。特に鼻閉や嗅覚障害は、男性のED、女性の性的興奮などと、強い負の相関が示されています。

Read More »
リベルサスやオゼンピックは、糖尿病患者のアルツハイマー認知症の発症リスクを低下させる可能性がある
オゼンピックやリベルサスはアルツハイマー認知症を抑制する

オゼンピックやリベルサスといったGLP-1受容体作動薬が、アルツハイマー認知症のリスクを低下させる可能性が指摘されています。アメリカの100万人規模の研究では、セマグルチドの使用が他の抗糖尿病薬に比べて、アルツハイマー病の発症リスクを40~70%も減少させたと報告されています。糖尿病や肥満症の治療が、認知症予防に繋がるかもしれないという新たな視点が注目されています。詳細な研究結果をぜひご覧ください。

Read More »
精力増強を謳うサプリメントや漢方薬の中にED治療薬の成分が検出されるケースが多い
精力増強を謳うサプリメントの安全性と効果

ED勃起不全は多くの男性にとって深刻な悩みですが、インターネット上には勢力増強効果を謳うサプリメントや漢方薬が溢れています。しかし、これらの製品には未表示のED治療薬成分が含まれている可能性が高く、過量投与による副作用のリスクも伴います。例えばですが、「天然成分」や「副作用なし」という宣伝文句は本当に信頼できるのでしょうか?安全性と効果についての真実を知るために、ぜひ続きをお読みください。

Read More »