ダイエットのためのオゼンピック治療後の円形脱毛症|池袋スカイクリニック

ダイエットのためのオゼンピック治療後の円形脱毛症

池袋スカイクリニック

ダイエットのためのオゼンピック治療後の円形脱毛症

2026年2月17日

Table of Contents

GLP-1ダイエット中に発症した円形脱毛症のケースレポート

これはケースレポートなので、必ずしも、オゼンピックにより円形脱毛症が生じるというわけではありません。

稀なケースとお考えください。

「偶然に重なっただけ」である可能性も否定できません。

オゼンピックが原因ではなく、どちらかいうと、過度なダイエットが原因となっている可能性も指摘されています。

BMI30kg/m²を超える23歳の女性

報告例は、23歳の女性で、BMIボディマス指数は約30.20 kg/m2で、肥満に分類されました。

持病として喘息を有していたが、コントローラーとして吸入薬シンビコート(ブデソニド/ホルモテロール)、リリーバーとしてベネトリン(サルブタモール)による治療により、良好にコントロール。非喫煙者です。

オゼンピックによるダイエット治療の前に、鉄欠乏性貧血が指摘され、治療で改善しています。

既往歴に、皮膚や髪の病気、甲状腺疾患、悪性腫瘍は認められていません。

患者の家族歴は、甲状腺機能低下症の叔父と喘息の兄弟がいましたが、今回の円形脱毛症とは関係は乏しいと考えられています。

彼女は活発で、円形脱毛症の引き金になるような、人生に重大な心理社会的ストレス要因は認められていません。

オゼンピックによりGLP-1ダイエット開始後3ヶ月で円形脱毛症が発症

皮膚科受診前の4ヶ月間減量のためにセマグルチドを使用しており、10kg減量に成功しています。

最初の2ヶ月間は週1回0.25mgから始め、続いて3ヶ月目と4ヶ月目に週1回0.5mgに増量しています。

特に、用量を0.5mgに増やした後、セマグルチド治療の3ヶ月目に、最初の境界明瞭な円形脱毛症が現れたとしています。

その後、同様の円形脱毛症が複数箇所(計4箇所)に出現し、ダイエット治療開始から4ヶ月経過した時点で、皮膚科受診となっています。

疼痛や発赤、痒みなどの皮膚症状は無かったとしています。

円形脱毛症の治療とともにオゼンピックを中止

円形脱毛症の臨床診断後、セマグルチドを中止が指示される。

その後、患部に6週間ごとに、病変内コルチコステロイド注射(トリアムシノロンアセトニド)を中心に治療を開始となっています。

さらに、患者は、炎症を軽減するために週に3回使用するケトコナゾール2%シャンプーと、脱毛部位に毎日塗布するミノキシジル5%外用液が併用されています。

5回目のコルチコステロイド注射時には、ほぼ全ての円形脱毛症が改善したとしています。

セマグルチドが円形脱毛症の直接の原因かは不明

遺伝的素因、自己免疫疾患、ホルモンバランスの乱れ、ストレス、薬剤など、さまざまな原因がヘアサイクルを混乱させる可能性があります。

さらに、最近では、脱毛症とセマグルチドには、なんらかの関連性があるのではと疑われています。

しかし、この因果関係は、まだ完全には理解されていません。

急激なダイエットが脱毛症の原因の可能性が高い

一つの可能性として、食物摂取量の減少による栄養不足やバランスの乱れに起因する可能性が考えられています。

急速な体重減少は正常な栄養バランスを乱し、脱毛を悪化させる可能性があります。

例えばですが、最近の研究報告では、肥満手術を受けている個人が同様の脱毛症を発症する可能性があることが示されています。

つまり、脱毛の背後にあるメカニズムが急速なダイエットに関連している可能性があることを示唆しています。

今回のケースレポートでは、治療前に鉄欠乏性貧血が指摘されています。月経過多なども原因となりますが、食事のアンバランスも原因となります。何らかの、体内のバランスの不均衡も想像できます。

脱毛症は、セマグルチドの潜在的な副作用(急速なダイエットの弊害)とも言えます。

行き過ぎた無理なダイエットには、注意が必要です。

池袋スカイクリニックでは、円形脱毛症の治療は行なっておりません。

過度なダイエットの注意喚起の一つとして、ご紹介させていただいております。

Alopecia areata following semaglutide treatment for weight loss: A case report

JAAD Case Rep. 2025 Jun 19;63:44–46.

doi: 10.1016/j.jdcr.2025.06.012

【GLP-1ダイエット】に関する最近の記事

冷え性のある男性はEDのリスクが1.4倍高いとする報告があります。
冷え性の人はED勃起不全が多い?!

冷え性とED(勃起不全)の関係についての興味深い研究が台湾から報告されました。手調査結果によれば、冷え性の男性はEDのリスクが約1.4倍高いことが示されています。足の冷え性は、自律神経や血管内皮機能の低下と関連しており、EDもまた自律神経や血管内皮障害と関係しています。冷え性とEDには、因果関係はあるのでしょうか?

Read More »
大腸憩室症を有す方はEDの有病率が上昇するとの報告があります。
大腸憩室とED勃起不全の関係

大腸憩室症とED(勃起不全)の関係についての研究報告があります。大腸憩室を持つ例は、EDのリスクが56%も増加することが示されています。その因果関係の断定には至っておりませんが、背景として共通の危険因子が潜んでいる可能性があります。また、最近ではEDと慢性炎症の関係が注目されており、大腸憩室例がEDを発症するメカニズムとして、腸管の慢性炎症も、可能性として挙げられています。

Read More »
ED治療薬であるタダラフィルは、脳血流を改善し、軽度認知機能障害を改善する可能性が指摘されている
認知障害におけるED薬タダラフィルの可能性

低用量タダラフィル5mgが認知機能を改善する可能性を指摘する研究報告があります。ED治療薬として知られるタダラフィルは、そのユニークな作用機序から、勃起改善作用以外の治療効果にも注目されています。タダラフィルは、アンチエイジングのために利用されることもありますが、認知機能障害に対する効果は、その一つとも言えます。50〜75歳の男性を対象にした研究では、8週間の服用で認知機能や脳血流の改善が示されています。

Read More »
腹部肥満は内臓性肥満を表しており、ウエスト周囲径の増加はEDを増加させる
腹部肥満とEDと食生活

腹部肥満と勃起不全(ED)は、密接に関連していることが知られています。イタリア人は欧米諸国の中で、比較的、肥満率が低いとされています。そのイタリア人における肥満とEDの研究報告は、我々、日本人も参考にできるかもしれません。健康志向が高まるなか、地中海食と日本食が注目を集めています。肥満が引き起こす様々な疾患について理解を深め、日常の食生活を見直すきっかけにしてみませんか?

Read More »
ed治療薬であるシルデナフィルの普及とともに自殺率が低下しているとの報告
シルデナフィルの普及は自殺数の低下に繋がる

シルデナフィルの普及が自殺数の低下に繋がるという興味深い研究結果があります。性的親密さや性機能の改善がメンタルヘルスに与える影響について、特に50〜59歳の男性に焦点を当てた分析が行われました。スウェーデンのデータを基に、ED治療薬の使用増加が自殺率に与える好影響が明らかにされています。

Read More »
降圧薬により高血圧治療中であってもタダラフィルによるED治療は安全である
高血圧治療中患者におけるタダラフィルの安全性

高血圧治療中の患者において、ED治療薬タダラフィルは安全に服薬できることが論文として報告されています。日本人の食生活は塩分が多く、高血圧患者が多い中、タダラフィルは安全に使用できる可能性があります。また、心血管イベントのリスクも増加せず、降圧薬との併用もほとんど問題ないとされています。高血圧をしっかり治療した上で、ED治療を行うことが推奨されております。

Read More »