禁酒することでEDは改善する?|池袋スカイクリニック

禁酒することでEDは改善する?

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禁酒することでEDは改善する?

2026年10月17日

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禁酒と勃起機能

お酒を飲んだ日に、勃起しにくかったり、途中で硬さが失われたりした経験はありませんか。飲酒習慣がある方のなかには、「最近のEDはお酒のせいだろうか?」「禁酒したらEDは改善するのだろうか?」と考える方もいるでしょう。 性行為当日の飲酒は、勃起機能を悪化させることは容易に想像つきますが、日常的な飲酒量は、EDに影響を与えるのでしょうか?

ここでは、アルコール使用障害の男性における、禁酒とEDの関する研究報告を、ご紹介します。

注:アルコール使用障害は、単に、飲酒量が多いことを指しません。詳細は、以下をお読みください。

アルコール使用障害とは

アルコール使用障害(Alcohol Use Disorder:AUD)とは、飲酒によって健康や仕事、家庭生活などに支障や苦痛が生じる、問題のある飲酒パターンを指します。 飲む量だけでなく、飲酒をコントロールできるか、悪影響があっても飲み続けているかが重要です。 多量飲酒は、主に飲酒量を表す言葉です。多量に飲むことと、アルコール使用障害と診断されることは同じではありません。 アルコール使用障害は、従来のDSM-IVの「アルコール乱用」と「アルコール依存」を統合した診断です。軽度から重度まで含み、手の震えなどの離脱症状がなくても該当する場合があります。

EDの原因の一つでもあります。

3か月間の研究から考える禁酒と勃起機能

インドの医療機関で行われた前向きの追跡研究です。対象は、アルコール使用障害があり、EDを訴えていた男性104人。禁酒前と禁酒後3か月後に、国際勃起機能スコアIIEF-5によって勃起機能を評価しています。

結果は、禁酒後3か月では、104人中92人(88.5%)でEDの改善が認められています。さらに、64人(61.5%)は、IIEF-5スコア上、EDではない範囲まで改善したとしています。

ED改善と関係する要因

この研究では、

ことが、ED改善と関連していたとしています。

ただし、関連する要因が見つかったことと、一人ひとりの勃起機能の回復を正確に予測できることは別です。「高齢だから改善しない」「長年飲んでいるから手遅れ」と判断することはできません。今回の結果だけで、禁酒によってEDが回復する人としない人を線引きすることもできません。

飲酒習慣を見直す意義は、あると考えます。

飲酒によるEDのメカニズム

勃起には、性的な刺激に応じた神経の働きと、陰茎への十分な血流が必要です。長期間の多量飲酒は、こうした働きに影響しED発症につながる可能性があります。

米国の国立アルコール乱用・依存症研究所は、飲酒に関連する自律神経の障害によってEDが生じることがあり、禁酒によって症状が改善する可能性を説明しています。

飲酒習慣を見直す過程では、睡眠、食生活、ストレスへの対処などが一緒に変わる場合も考えられます。改善を理解する際には、お酒をやめたことだけでなく、その間に生活全体で何が変わったかを振り返ることも役立ちます。

飲酒習慣とEDについて

この研究は、例えば、アルコール使用障害では無い一般の方が、禁酒、あるいは、日頃の飲酒量を減らすことが、勃起機能の改善につながるかを検討したものではありません。

もちろん、飲酒量とEDに関する研究報告もございます。 飲酒量の増加が勃起機能の低下と関係があるとする報告が多いように思えますが、因果関係が無いとする報告や、Jカーブ、つまり、適度な飲酒は、勃起機能を向上させるとする報告もあります。

飲酒の影響は個人差が大きい

飲酒がEDに与える影響は、飲酒に対する強さと関係すると思われます。

飲酒に対する強さは、民族差や個人差が大きいとされ、対象となった集団で、結果が異なる可能性があります。 例えばですが、日本人は、お酒の分解で生じる「アセトアルデヒド」を処理する酵素の働きが弱く、遺伝的に、およそ4割にアルデヒド脱水素酵素2ALDH2の働きが低い、または、ほとんど無いことが知られています。

日本人の中でも、お酒に強い方、弱い方がいるわけですので、一概に、飲酒量を、おすすめすることはできません。 医師の立場からすると、「飲まないでも平気であれば飲む必要はない」となります。無理に飲酒する必要はありません。 禁酒にチャレンジして見ても良いと思います。 飲酒される場合であっても、節度のある飲酒を心がけてください。

アルコール使用障害が疑われる場合は、医療機関でご相談ください。

飲酒習慣のセルフチェック

過去12か月間の飲み方を振り返り、それぞれ回答してください。飲酒していない方は、該当する経験がなければ「いいえ」を選んでください。

アルコール使用障害(AUD)のDSM-5-TR診断基準を参考に、一般の方向けに表現を要約したチェックです。正式な日本語訳や、妥当性が検証された独立の質問票ではありません。

このチェックだけで診断はできません。診断には、生活への支障や苦痛、症状の経過などを医師が確認する必要があります。この部品は回答を送信・保存しません。

1. 予定を超えて飲む

飲む量や飲み続ける時間が、自分で決めていた範囲をしばしば超えた。

2. 減らそうとしても難しい

飲酒を控えたい気持ちが続いている、または減酒・禁酒を試みても続かなかった。

3. 飲酒に時間を費やす

お酒の入手、飲酒、飲酒後の回復に多くの時間を使った。

4. 強く飲みたくなる

飲みたいという強い欲求や衝動があった。

5. 役割を果たせなくなる

飲酒が原因で、仕事・学校・家庭での大切な役割を繰り返し果たせなかった。

6. 人間関係に問題があっても飲む

飲酒で対人関係の問題が起きる、または悪化すると分かっていても飲み続けた。

7. 大切な活動を減らす

飲酒のために、仕事・交流・趣味などの大切な活動を減らしたり、やめたりした。

8. 危険な状況で飲む

事故やけがにつながる状況でも、繰り返し飲酒した。

9. 心身への影響があっても飲む

心や体の問題を飲酒が引き起こす、または悪化させると分かっていても飲み続けた。

10. 同じ量では効きにくくなる

以前と同じ感覚を得るために飲酒量が明らかに増えた、または同じ量では効果が明らかに弱まった。

11. 飲まないと不調になる

減酒・禁酒で離脱症状が出た、またはその症状を抑える・避けるために飲酒した。

離脱症状には、手の震え、発汗、不眠、吐き気、動悸などがあります。二日酔いとは異なり、症状だけでは判別できないこともあります。

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減酒・禁酒で体調が悪くなる方へ

長期間の多量飲酒がある場合、急な断酒で重い離脱症状が起こることがあります。手の震えなどが出る方は、自己判断で急に断酒せず医療機関に相談してください。けいれん、幻覚、意識の混乱がある場合は、直ちに救急受診してください。

参考:NIAAA:Alcohol Use Disorder — From Risk to Diagnosis to Recovery(DSM-5-TRに基づく解説)

参考


The Impact of Abstinence From Alcohol on Erectile Dysfunction: A Prospective Follow up in Patients With Alcohol Use Disorder.

J Sex Med. 2022;19(4):581–589.

doi: 10.1016/j.jsxm.2022.01.517


The Impact of Refraining From Alcohol on Erectile Function. 2022.

International Society for Sexual Medicine.


Medical Complications: Common Alcohol-Related Concerns

National Institute on Alcohol Abuse and Alcoholism


Associations between aldehyde dehydrogenase 2 (ALDH2) genetic polymorphisms, drinking status, and hypertension risk in Japanese adult male workers: a case-control study

Environ Health Prev Med. 2016 Jan;21(1):1-8.

doi: 10.1007/s12199-015-0490-2.

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