新型コロナウイルス感染症(COVID-19)とED|池袋スカイクリニック

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)とED

池袋スカイクリニック

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)とED

2026年2月13日

Table of Contents

後遺症としてEDが発症する

2019年の中国武漢に由来する新型コロナウイルスのパンデミックでは、全世界で1億5千万人以上が感染し、350万人以上が死亡したとされます。

当時のパンデミックによる危機的な状況は改善しておりますが、断続的にコロナウイルスの流行は生じており、それによって、お体に様々な影響が生じていることも事実であり、未だ、完全に収束したとは言えない状況が続いています。

男性では女性よりも重症化・死亡率が高いことが指摘されています。アンドロゲン(男性ホルモン)受容体がウイルスの細胞侵入に関与している可能性も指摘されています。

新型コロナウイルスのパンデミック以降、全世界から、コロナウイルス感染の後遺症としてEDが生じることが報告され、そのメカニズムが研究されています。

陰茎の血管内皮細胞を傷害する

勃起には陰茎の血管の反応が重要です。血管の反応とは、血管内皮細胞の機能のとお考えしていたいて、差し支えございません。血管内皮細胞由来の一酸化窒素NOが、血管を拡張させ、陰茎海綿体を充血させることで勃起が得られます。

新型コロナウイルスは、アンジオテンシン変換酵素2(ACE2)受容体および膜貫通型セリンプロテアーゼ(TMPRSS2)を介して血管内皮細胞に侵入し、内皮の機能を破壊させることで血管内の血流調節に異常を生じさせると考えられています。

血管内皮細胞が傷害されると、陰茎海綿体などの血流が阻害され、EDを発生させます。

精巣への直接的な障害

新型コロナウイルスの侵入経路であるACE2受容体は、精巣(睾丸)(Leydig細胞やSertoli細胞)に豊富に発現しています。

つまり、新型コロナウイルスは、精巣機能を障害させる可能性があります。

その結果、テストステロンなどの男性ホルモンが減少し、EDを中心に男性機能に悪影響を及ぼします。

しかも、ACE2とTMPRSS2は、どちらもアンドロゲン(男性ホルモン)の調節を受けていることも示されており、男性機能が、コロナウイルスに対して脆弱であるともさえ言えます。

心理的ストレス

ウイルスの蔓延を抑えるため、世界中の政府や政策主体は、社会的距離の確保、隔離、都市封鎖など、前例のない制限措置をいくつも実施しました。これらは人々の生活を劇的に変え、世界経済のさまざまな側面に甚大な影響を及ぼしました。

このような措置はCOVID-19の制御に効果的な戦略であったものの、人々を心理的苦痛の増大にさらすことにもなりました。

ロックダウン、不安、孤立、死への恐怖など、精神的負荷もまた、性欲減退やEDを引き起こす要因と考えられています。

個人のキャラクターも当然ながら影響します。

神経症傾向と外向性の低さ、そして年齢に関連した性的な信念が、男性の性機能と苦痛を予測する上で関連しているとされています。

様々な要因が重なってEDになる

COVID-19がEDに関与していることは、多くのデータから裏付けられています。

EDは多くの場合、内皮障害、精巣機能障害、心理的要因が複合的に作用して発症していることが示唆されますが、正確な病態生理は完全には解明されていません。

EDの予後

EDは一過性で、時間とともに自然に改善することがあるとする一方で、長期的に改善が見られないケースも少なくありません。

高齢者や急性期に大うつ病を合併した場合は、EDが持続するリスクが高いとされています。

治療は、シアリスなどのいわゆるED治療薬を使用する対症療法を行って、経過を見ていくことになります。

積極的な治療法は、現在、確立されていません。

継続的なフォローが必要です。

Tip of the iceberg: erectile dysfunction and COVID-19

Int J Impot Res. 2022 Mar;34(2):152-157.

DOI: 10.1038/s41443-022-00540-0

【ED】に関する最近の記事

全身性炎症反応指数を用い、前もってED治療薬タダラフィルの効果を予測しようとする研究報告
全身性炎症反応指数で見るタダラフィルの効果予測

全身性炎症反応指数(SIRI)が、ED治療薬タダラフィルの効果を予測する可能性についての研究があります。SIRIは血液中の免疫細胞のバランスから炎症状態を数値化した指標で、がんの予後や動脈硬化や心血管疾患との関連が示されています。この研究では、タダラフィルが無効だった患者の特徴を明らかにし、ED治療における新たなアプローチを提案しています。

Read More »
マンジャロなどの、いわゆるGLP-1ダイエットで使用される薬剤は、アルコール依存症を改善させる可能性が有る
アルコール依存性にマンジャロやオゼンピックが有効である可能性

アルコール依存症の治療に新たな可能性が見えてきました。最近の研究では、ダイエット薬として知られるGLP-1受容体作動薬、特にマンジャロやオゼンピックが、飲酒欲求の低下や飲酒量の減少に寄与する可能性が示唆されています。ここで紹介するSNSを利用した調査や153名への聞き取り調査から得られた研究報告は、これらの薬剤がアルコール依存症に対する新たなアプローチとなるかもしれないことを示しています。

Read More »
ED治療薬であるシルデナフィルの使用者はアルツハイマー病のリスクが低下する
シルデナフィル使用者はアルツハイマー病のリスクが低い

シルデナフィル使用者はアルツハイマー病のリスクが低いという興味深い研究結果が報告されています。ED治療薬として知られるシルデナフィルは、認知機能に対する効果が注目されており、特にその使用者は、アルツハイマー病のリスクを54%も低下していたとする報告があります。しかし、直接的な因果関係は明らかではなく、生活習慣や他の要因も影響を及ぼすことが考えられています。詳細な研究結果や今後の展望について、ぜひご覧ください。

Read More »
妊孕性(妊娠力)を高めるには、GLP-1ダイエットによる肥満の解消が重要です。
妊孕性はGLP-1ダイエットで向上しうる

GLP-1ダイエットが女性の妊孕性を向上させる可能性があることをご存知ですか?肥満は、妊娠に関するリスクを高める一因とされており、体重管理が不妊治療に重要な役割を果たします。最新の研究では、GLP-1受容体作動薬は、単に妊娠前のダイエットに有効なだけではなく、生殖機能に直接的なプラス効果をもたらすことが報告されています。妊娠を希望する女性にとって、無理のないダイエット治療の最有力候補となりえます。

Read More »
女性の性機能障害の薬物療法についての一般的な解説。本邦未認可の薬剤になります。
女性性機能障害の薬物療法

女性の性機能障害は、さまざまな要因によって引き起こされることがあります。特に、閉経後の女性においては、ホルモンの変化や心理的な要因が影響を及ぼすことが多いです。フリバンセリンやブレメラノチドなどの薬物療法が注目されていますが、効果や副作用についての理解が重要です。さらに、テストステロン補充療法も選択肢の一つとして考えられています。詳しい情報を知りたい方は、ぜひ続きをご覧ください。

Read More »
女性の性機能障害についての一般的な解説。簡易的なチェックシートあり。
女性の性機能障害について|簡易的なチェックシート

女性の性機能障害は、多くの女性が抱える悩みですが、理解と適切なアプローチが必要です。本ページでは、DSM-5に基づく障害の分類や、身体的・心理的要因、治療法について詳しく解説しています。決定的な父療法はなく、心理・行動療法や生活習慣の見直しなどを行います。気になる症状がある方は、ぜひ専門医療機関での評価を検討してください。あなたの健康と幸福のために、正しい情報を手に入れてください。

Read More »