安定している虚血性心疾患患者において、性行為sexを行うにあたり、心血管系のリスクを評価する事は、妥当である。
軽症な安定した狭心症患者は、不安定狭心症や難治性狭心症患者が、高リスクと考えられているのに反し、心血管系イベントは低リスクと考えられる。
中等度の有症状患者や、心血管系のリスクが決定できていない患者において、運動負荷試験は、運動耐用能に対する客観的な評価を提供し、
労作において狭心症発作が症しうるかどうか(あるいは、どの程度の労作によって引き起こされるか)を決定でき、運動に伴う虚血の重症度を評価できます。
無症候な心筋梗塞既往のある患者や、負荷試験にて虚血が認められない患者、完全な冠動脈再建術を受けた患者では、性行為sexにおける心筋梗塞の発症は低リスクと考えられます。
一般的に行われる再還流療法を行う前であれば、心筋梗塞発症6~8週は、性行為sexは避けた方が良いとされます。
2005年、Princeton Conferenceで、冠動脈再還流療法が成功した患者や、トレッドミル試験で虚血を示さない患者では、心筋梗塞発症3~4週ごから、性行為sexを再開する事が可能であると、
示されました。
これに対し、2004年ACC/AHAの、STセグメントが上昇を示した心筋梗塞患者に対するガイドラインでは、安定している患者では、
早い場合、心筋梗塞発症1週間後からの性行為sexが許されています。
心筋梗塞1週間後からの心臓リハビリテーションに参加が安全であることが証明されているため、合併症のない心筋梗塞患者で、安定しており、
軽度~中等度の運動(3~5METS)で症状を認めない場合は、早期から性行為sexを行うことは、可能であると考えられる。
経皮的冠動脈形成術後の患者における性行為sexの心血管リスクは、冠動脈の血行再建の程度によると思われます。
完全に血行再建が行われた患者は、鼠径部の血管へのアクセスに合併症がなければ、経皮的冠動脈形成術当日の性行為sexが可能です。
血管の合併症が疑われる場合は、性行為sexを行う前に、適切な評価を受けるべきです。
正肘アプローチによる経皮的冠動脈形成術を受けた場合でも、鼠径アプローチで施術された場合と比べて、同様に早期から性行為sexが可能と考えられます。
正肘アプローチだからと言って、より早期になりません。
血行再建が不完全な場合は、運動負荷試験が、虚血の範囲や程度を評価する上で有効と思われます。
冠動脈バイパス術後や多くの心臓手術(弁置換術など)は、多くは胸骨正中切開にて行われます。胸骨術創が完全に治癒または、おおむね治癒するのに手術から8週程度必要です。
性行為は、胸部や呼吸に、胸腔内の圧を維持するため多くの負担をかけます。これは、胸骨術創の治癒を阻害します。このため、一般的に、冠動脈バイパス術後または、
非冠動脈疾患における心臓手術後の6~8週は、性行為sexを遅らせることが良いとされています。
手術を受けられた方は、特に手術を受けた早期数カ月は、術創に負担がかからないよう、指導を受けるべきです。
このような患者の活力は、徐々に回復します。
成功した心臓バイパス術後では、性行為sexも再開する事が出来ますし、性的満足感も多くの患者で維持できます。
胸骨切開を行わない、または、必要最低限とする、低侵襲手術は、性行為sexの再開を早める可能性があります。
ロボットが補助する手術は、胸骨切開を避けることを可能とし、より低侵襲な手術手技となりえます。つまり、同様に、性行為sex開始タイミングを早める可能性があります。
冠動脈バイパス手術は、通常、完全な血行再建に成功するか、それと同程度の血行再建が得られます。
血行再建が不完全だった場合やグラフト不全が疑われる場合は、運動負荷試験は、虚血の範囲や程度を評価するのに有益である。
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