女性ホルモン(エストロゲン療法)の心血管疾患に与える影響について



局所的な、または外用エストロゲン療法(女性ホルモン療法)

  1. 心血管系疾患の女性患者の性交痛に対する、全身投与ではない局所的、または外用のエストロゲン療法(女性ホルモン療法)は、可能と考える。
    (classⅡa;Level of Evidece C)

女性膣の乾燥と性交時の疼痛は、閉経後の女性において、しばしば見受けられる症状です。。
女性の経膣的なエストロゲン(女性ホルモン)の投与は効果的であり、FDA(アメリカ食品衛生局)は、 更年期や閉経後の女性に見られる、膣の委縮から来る症状の治療として、これを推奨しております。
外用エストロゲン製剤(女性ホルモン)は、膣入口部の挿入時疼痛の治療のために、外陰部に使用されることもあります。
エストロゲン療法(女性ホルモン療法)に関する心血管系疾患のリスクの上昇は、いくつかの大規模臨床試験でリスクの上昇が示されています。
しかしこれは、経口で、エストロゲン、プロゲステロンによる、コンビネーション治療を受けた場合に認められ、 エストロゲン単独の場合、心血管系疾患のリスクの上昇の報告はございません。
経膣で投与された場合は、全身への吸収は最小で済み、また、外陰部への局所的な投与は、より全身への吸収は少ないと考えられるため、外用によるエストロゲン療法は、 心血管疾患を有す女性患者に使用した場合でも、リスクの増加を来たさないと思われます。


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  1. 心臓病患者における性行為に対するステートメント-序文-
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  3. 心血管系疾患と性行為のレコメンデーション
  4. 冠動脈疾患と性行為のレコメンデーション
  5. 心不全と性行為のレコメンデーション
  6. 心臓弁膜症と性行為のレコメンデーション
  7. 不整脈、ペースメーカー、ICDと性行為に関する推奨事項のレコメンデーション
  8. 先天性心疾患と性行為に関するレコメンデーション
  9. 肥大型心筋症(hypertrophic cardiomyopathy:HCM)と性行為に関する推奨事項
     - 心臓病患者における性行為に対するステートメント
  10. 心血管系疾患の治療薬と性機能に関する推奨事項
     - 心臓病患者における性行為に対するステートメント
  11. バイアグラ等のPDE5阻害剤によるED治療に関する推奨事項
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  12. 局所的な、または外用エストロゲン療法(女性ホルモン療法)
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  13. ハーブや薬草による性機能障害治療に関するステートメント
  14. 性行為sex、心血管疾患と精神的な(メンタルな)問題について -AHAのステートメント-
  15. 患者とパートナーに対するカウンセリング -AHAのステートメント-
  16. サマリー(結語) -AHAのステートメント-